第5話 ラフィアの想い
なんかややこしくなってきましたねー。是非最後までお付き合いください。
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「何を言っているんだ?災厄の芽は摘んだと思っても摘めていなかったんだ、これまでも、これからも。というか、摘むような真似をした瞬間に、芽は巨木へと一気に成長するから、今までダメだったんじゃないのか?」
『そうですね、確かに今まではそうでした。でも、状況が変わったのです』
「どう変わったんだ?ワタシが見る限り、ミハーリアはこれまでと何ら変わっていない」
『まあ、アレに気づくのなんてほんの一握りですわ。というか、貴方が気付くわけがないですわね。彼女の対なる半身たる貴方が』
「‥‥‥‥どういうことだ?」
『貴方は元々、あの子によって偶然この世に生み出されましたわね。しかも不完全な生命体‥‥‥‥言うならば【意識】として。そして、故意ではないはずなのに、貴方はミハーリア・ビューラルヘンの対なる半身そのものだった。これがそもそもの誤りだったのですわ』
「気づいたのはつい最近‥‥‥‥どころか本当に数刻前だ。それまでワタシが彼女にかかわった記憶は全くないはずだ」
『ええ、確かに直接的には関わっておりませんわ。でも、貴方という存在が生じた原因は、ミハーリア・ビューラルヘンの【意識】の一部が切り離されたからですわ。そこにあの子───今の「ルナ」の【意識】が少しだけ、そしてうまい具合に混ざり合ってできたのがラフィア、貴方なのです。
切り離された意識は勿論元に戻ろうとするでしょうが、「ルナ」の【意識】が混ざって全く別の存在になってしまいましたわ。
これによって本体に残存する【意識】は不完全かつ不安定な存在となってしまったのです』
「なるほどね、要はワタシの存在自体が彼女に負担をかけていると。だったら尚のこと疑問だよ。なぜワタシに彼女を殺せと言う?
端的な話、ワタシが消えればいい話だ」
『簡単ですわ。貴方がミハーリア・ビューラルヘンに成り代わればいいのです!そうすれば、魔帝──ディアボ・エンペルがこの世に誕生することもありません!
貴方は「人生」を送れるし、セカイはとても平和になる‥‥‥‥。何とも素晴らしいことではありませんか!!一石二鳥どころの話ではないですわ!!
ラフィア、良い返事をお待ちしていますわ!』
次の瞬間、ノスタルナ・エヴォベアンはふっと消えていった。
─────ああ、疲れた。
何であんな明るい口調で、元気な声色で、嬉々とした態度で、あんな残酷なことを言えるんだ?
ノスタルナ・エヴォベアンは本当にこの世界のヒロインなのか?流石に嘘だろ?あんな腹黒人間が愛されて、謙虚で努力家なミハーリアが愛されないなんて‥‥‥‥。
───────このセカイは狂ってる。みんながみんな、おかしいということに気づきもしない。
そんなセカイ、本当に必要なのだろうか?
善人が損をして、悪人が得をするなんてこと、あってはならないはずなんじゃないのか?
この状況をどうやって打開すればいいんだ?
考えろ、考えろ、考えろ‥‥‥‥‥‥‥‥。
──────────────ああ、そうか。こんなにも簡単なことだったのか。
全部、壊してしまえばいいんだ。そうすれば、ミハーリアは幸せになれるし、母やノスタルナは裁かれてしかるべき罰を受ける。
なんて素晴らしい案なんだ!利点しかないじゃないか!!
よし、そうと決まればさっそく色々根回しをしないといけない。綿密に、早めに、計画を練ろう。
─────待っていてね、ワタシが必ず助けるから。
ミハーリア・ビューラルヘン‥‥‥‥いや、愛しいワタシのリア。
読了ありがとうございました。
~小解説~
ラフィアの一人称はワタシですが、性別が女性であるわけではありません。そもそも、意識に性別はありません。なので、対なる半身の性別に合わせて口調を変えています。
ラフィアはミハーリアの対なる半身なので、今は女性風の口調ですが、最後の台詞は「ラフィア」としての本心です。
なので、特段ガールズラブと言うわけではありません。




