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大暑V.S.光村

早泽は最後に月光に嫌悪の鬼のような顔を見せ、競技場を後にした。月光はまるで1億円を当てたかのように得意げな表情を浮かべていたが、実際にはポケットの中に100円も入っていなかった。


「あいぼ、おまえは本当にすごいな!」大暑は勝利を収めた月光を大声で迎え、信頼と心配の入り混じった表情をしていた。その様子に月光は大きな寒気を感じた。


「そんな大声で叫やめでくなさい、誤解を招くですから。」月光は嫌そうに言った。


「え?俺たちあいぼなんだから誤解なんても大丈夫だろ!?」大暑は驚きながら言った。


「その通りです!もあなたの言うことがどんどんおかしくなってきてるですから、もう少し静かにしてくなさい!」月光は怒りを込めて止めた。


海棠は下で奇妙な会話をしている二人を困惑しながら見つめ、司会者の発表に警戒していた。司会者は楽しそうに宣言した。「それでは、次の挑戦者が登場します!」スロットマシンは狂ったように回転し、まるで暴れ回る野獣のようだった。観客たちは期待と緊張、興奮の入り混じった表情で、次に回るスロットマシンを見守り、777の目標が待たれていた。


スロットマシンの動きが遅くなり、リールはゆっくりと下がってきた。まるで酔っ払って寝ている人のように。停止したスロットマシンを見た月光と大暑は同時に唾を飲み込み、その結果を見つめた。 そこには、ダ・ヴィンチ風の大暑紅葉が三つ並んでいた。月光はすぐに不満を漏らした。「まじなさい、これわ待遇が違うでしょう?」


多くの観客がその結果を見て、ひそひそと話し始めた。「あれは、‘貴族’入りが期待されている大暑紅葉じゃないか?」


「まさかここで彼の戦いを見ることになるとは……」


「その人、実力はずっと高いんだろうけど、神出鬼没で、なかなか戦いを目撃したり、対戦したりすることがないんだよな。普段何してるんだ?」


「彼らが言っている通り、普段は何をしているんですが?」月光はその会話を聞いて、問いかけた。


「おれは普段、正義の行いをしているんだ!例えば、おばあさんを道で助けたり、交通整理をしたり!」


「戦いに行けますよ。」月光は思わず皮肉っぽく言った。


「立夏月光のチームの大暑紅葉さんの勝敗は、リリス(仮)の運命にも影響を与えることになります!それでは、大暑紅葉の対戦相手を発表します!」


「仮なんだね。」海棠は少しツッコミを入れた。


司会者は先程の陰鬱な雰囲気を払い、いつものように狡猾な表情に戻った。月光は緊張しながらも、上方を見つめた。大暑は自信満々に肩を叩き、言った。「安心して任せてください、あいぼ。」そう言って、観客の喝采と応援を背に受けて、競技場に大きな足取りで登場した。月光は先ほどの戦いを思い出し、観客の表情がすべてただの見物だったことに憤りを感じた。傲慢な悪魔は誰かが自分より人気を集めることを許さない。でも、それは戦いの聖仏、大暑であり、魔は仏に敵わず、孫悟空も如来仏の五指の中から逃れられなかった。


大暑は観客の期待を一身に受けて競技場に上がったが、彼の敵であるギタリスト光村彦寿の運命はあまり幸運ではなかった。彼は多くの人々に非難され、その中には彼の彼女も含まれていた。今日は本来ならば彼の幸運な日で、楽しい一日だったはずだが、ある不明な男にすべてを台無しにされた。


大暑が輝くような表情で登場するのを見て、光村は様々な悪意と憎しみを込めて、大暑を虐殺する方法を考えた。大暑は何も知らずに光村に友好的に接しようとして、元気よく自己紹介をした。「僕は大暑紅葉です。よろしく!」光村は目の前のこの男に対して強い憎しみを抱いていたが、それでも手を差し出して言った。「よろしく……」その瞬間、大暑は体中に電流が流れるような感覚を覚えた。


戦闘開始の鈴の音が響いた。大暑は身体の異変を解析する暇もなく、相手の強烈なギター音に耳をつんざかれた。それはヘヴィメタルロックのギター音であり、放浪と自由の象徴だった。光村は周囲を気にせず演奏を続けており、その姿はまるで狩猟中のチーターのようだった。その時、大暑は草原にいる羚羊のようで、どうすることもできなかった。


月光は大暑が買ってくれた炭酸飲料を飲みながら、借りたポテトチップスをつまみ、光村の能力を分析していた。「音楽か…意外と大暑と合うかもしれません…」しかし、彼の予想は外れた。


元々細身で痩せており、ロックギタリストには見えず、むしろ良い人そうに見えた光村は、音楽の波に乗って重金属ロックの軍団に変貌した。光村は何人かに分裂し、興奮して狂ったようにギターを演奏していた。音符は具象化し、まるで重いパンチのように大暑に襲い掛かる。


観客もその熱狂に感染し、歓声を上げて跳ね回った。月光は突然の変化に驚き、飲んでいた炭酸飲料を借りたポテトチップスを持っていた人にこぼしてしまった。


一方で、六日は人々の中を急ぎながら月光を探していた。人々の身体や汗の臭い、薄暗い照明が六日の進行を妨げていた。彼女は確かに月光の声を聞いたが、悪魔の中でも背が低い彼女は月光を見つけることができず、目的地にたどり着くことができなかった。


賑やかで騒がしいビルの外、月光の下で一人の男が立っていた。温かく穏やかな月光が、この時は冷たく、悲しげに見え、まるで災厄の前兆のようだった。今夜の風はいつもよりも冷たかった。


光村は自分のギターの音色を楽しんでいたが、すっかり自分の世界に入り込んでいた。強烈な衝撃と騒音に耐えきれなかった大暑は、気を失いそうになった。彼は必死に体を支え、目の前の攻撃を耐え忍んでいた。なんとか烈爪を作り出し、温度を上昇させた。すると、光村の分身たちはその温度に耐えきれず、いくつかが消えた。しかし、光村は諦めることなく演奏を続け、さらに強力な分身を次々と生み出した。それはまるで火山で行われるヘヴィメタルロックのライブのように、温度と溶岩と戦っているようだった。


そのような強力で健康的な音楽も、やがて限界を迎える。観客たちは緊張し、期待と心配の中で心の中で小さな歓声を上げた。みんなが「これで無事に終わるかも」と思っていたその時、大暑の七つの穴から突然血が吹き出した。激しい痛みが大暑の体内を駆け巡り、彼はまるでブラックホールに落ちたように、もうどうしようもなくなった。四肢に力が入らず、彼は地面に膝をつき、まるで死にかけの鳥のようだった。今の彼はまるで巣から落ちたばかりの小鳥のように弱々しく脆弱で、少しの衝撃で心臓が止まってしまいそうだった。


その状況を見た観客たちは心配し、恐怖を抱いて叫んだ。元々は悲しげな顔をしていた光村も、ついににやりとした笑みを浮かべた。音楽の衝撃は、大暑の体内の内臓を破壊することができる。もしこのまま「過門」を越えれば、大暑は完全に壊滅するのだ。


まるで大暑の終わりを告げるかのように、激しい音楽が鳴り響いている。音符は大暑の脳内で踊り狂い、彼の神経の一本一本を容赦なく踏みにじる。大暑は激痛に耐えながらも、目の前にいる化け物のように狂暴な男に手こずっていた。光村は水に濡れた犬のようにうなだれる大暑を見下ろし、傲慢に言い放つ。「見てみろ、まるで水に濡れた犬じゃないか。」彼の乾ききった傲慢さは、今の大暑にとって致命的な武器となった。彼の口調には、世の中に対する諦めと不満が滲み出ていた。「それにしても、なぜてぇめみたいな不良がこんなにも人から好かれるんだ?」彼の唾が遠慮なく飛び散る。「いつも人の安寧を壊し、勝手気ままに騒ぎ立てる。まるで未開の猿じゃないか。一体何がすごいんだ?」


大暑は必死に弁解する。「そんなこと、おれはした覚えがない……」


「もちろんそう言うだろうね!どうせ覚えてないんだろ!」光村は食い下がる。彼は憤慨しながら訴える。大暑は彼の目に涙が見えたような気がした。「全くその気もない人間に近づき、馴れ馴れしく他人の領域を侵す。人にどれほどの迷惑をかけたか、全く分かっていない。それなのに、理由もなく人気者だなんて。不良……不良なんてものは、精子の時点で抹殺されるべきなんだ!」彼の顔は鬼のように歪み、嫌な記憶を思い出した。「一体なんなんですが?こいつ、私情を挟みすぎじゃないですか?」月光が呟く。過門が終わり、彼は再び演奏を始める。強烈な音楽が大暑を襲う。やっと立ち上がった大暑は、今にも倒れそうになる。彼の体は震源地に立っているかのように不安定だった。好機と見た光村は攻撃を強めるが、大暑は棒立ちで、まるで何事もなかったかのように立っている。


光村は不思議そうに尋ねる。「なぜ平気な顔をしているんだ?!」


大暑は困惑した表情で、全く反応しない。そして、大暑も攻撃を開始する。大地からマグマが噴き出し、光村は危うく大火傷を負いそうになる。光村のギターの弦が一本切れてしまい、彼は大慌てする。


大暑は何も感じずに攻撃を続け、光村のギターの弦をさらに一本切った。光村はますます狼狽し、恐怖に駆られて攻撃を仕掛けるが、大暑はますます勢いを増す。まるで死を恐れない兵士のようだ。ついに、光村のギターの弦が全て切れてしまった。彼は完全に打ちのめされ、奥方に閉じ込められた貴婦人のような悲鳴を上げた。


最後は大暑が光村を数メートル吹き飛ばし、光村は流星のように空の彼方へ消えていった。大暑は勝利のポーズをとるが、何かがおかしいと感じた月光が大暑に近づき、様子を尋ねる。しかし、何を質問しても、大暑は全く要領を得ない。月光は異変に気づき、とりあえず大暑を一度「死なせて」みる。月光の突飛な行動に周囲は不満を抱くが、復活した大暑はすぐにその場を収拾させた。そして月光は、確信を得る。「さっき、耳が聞こえなかったんじゃないですか?」


「耳が聞こえない?そうみたいだ。さっき鼓膜が破れたみたい。彼の攻撃が強すぎたのかな?リズムに乗れてなかったみたい。」大暑は困惑した表情で答える。月光は顔を歪ませ、「大暑紅葉、あなたは本当に頭がないですな!」と厳しく叱る。そう言いながらも、月光は先ほどの大暑の姿を思い出す。今は仲間だが、彼の成長はいつか自分にとって脅威となる存在になるだろう。


光村が復活し、ようやく正気を取り戻したところで、大暑は過去の対立をすっかり忘れ、光村に手を差し伸べて和解の握手を求めた。光村は最初、軽蔑して断ろうとしたが、大暑が全く嫌な顔をせず、エネルギッシュな態度で接しているのを見て、やむを得ず手を握り返すことにした。もちろん、握手に応じることには不満があったが、彼なりの風度を見せたかったのだろう。そんな光村に、彼の可愛い彼女がやってきて、光村の血を拭き取って慰め始めた。


「またあなた、宝物のギターを持って危険なことしてるでしょ?見て、また壊れてるじゃない。」彼女は少し困ったような表情で、顔を少し赤らめながらギターを手に取り、大切に確認した。光村は少し恥ずかしそうにしていたが、その影を振り払い、照れくさく謝罪の言葉を彼女にかけ、大暑にも好意的な態度を見せた。


月光はそんな様子を見て、興味津々で光村の彼女にからかいを入れた。「彼女さん、あなたは本当に彼をよく見てますね。僕もそんな素敵な彼女が欲しいなぁ。」大暑はその場で止めようとしたが、光村は即座に月光の眼鏡を突き刺し、月光は自業自得に痛みで叫んだ。


光村は大暑に真剣に謝罪した。「本当にすみません、あなたの話を全く聞いていなかった…」


大暑は爽やかに答えた。「気にしないで!おれは全然気にしてないから!」


光村は驚いた表情を見せ、再び大暑に感謝し、月光を見下ろすような冷たい目線を送った。月光はその視線に気づき、世の中の不公平を感じながらも、それが完全に自業自得であることを痛感していた。その後、雰囲気が和やかなまま進行していたが、突然、司会者が言った。「それでは、第三位の挑戦者を発表します!」月光と大暑は、次の名前に信じられない顔をして見合った。


「では、第三位の挑戦者、六月六日を迎えましょう!」ガラスの箱の中で海棠は驚きの表情を浮かべ、恐る恐るその状況を見守っていた。しかし、六月六日は一向に現れなかった。司会者はしばらく困惑しながらも、アナウンスを続けた。「え?六月六日?六月六日さん、どこにいますか?」観客たちは困惑し、顔を見合わせて何が起きているのか分からなかった。月光と大暑も必死に六月六日の姿を探していた。


司会者は焦りながら頭をかきながら耳に付けたイヤホンを確認した後、再度アナウンスをしようとした。「あの…六月六日さんが現れないため、発表を――」


その時、一つの幼い声が響いた。「ここだよ!」その声の方を見ると、六月六日が必死にジャンプして目立とうとしていた。その姿は滑稽で、観客からは嘲笑の声が漏れ、月光と大暑は急いで人々をかき分け、六月六日を探し出した。しかし、すでに遅く、六月六日は競技場に引きずり込まれていた。


司会者は慌てて言った。「では、次の挑戦者を紹介します、宇野辺則保!」そう言うと、全身を包帯で巻かれた女性が現れ、まるでミイラのような姿だが、どこか魅惑的でセクシーな雰囲気を放っていた。彼女の声は深夜の赤ワインのように魅惑的で、しばらく聞いているとだらりとした気怠さも感じられた。「あなたが私の敵なの?意外と普通ね。」その一言はまるで神秘的な黒猫のような雰囲気を醸し出していた。


六月六日が状況が分からず、競技場に押し込まれる中、月光と大暑はまた競技場に行こうとしたが、司会者に止められた。その瞬間、さらに一人の男が布偶を持ちながら歩いてきて、全身に傲慢さを漂わせ、誰もが彼を見て敬遠するような態度をとっていた。

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