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――後の勇者である。 19

「う~ん……聞いてはないんですけど。姉さ――サダノーミは多分、多分ですけど、グルファンをプレイしてきて自分が楽しかったことを、シキトーにトレースさせて、自分と同じようにシキトーにも楽しんでもらいたかったんじゃないでしょうか。何を楽しいと感じるかなんて人それぞれだと思いますけど、そこはサダノーミなんで」


 ……確かに。自分が旨いと思ったモノを半ば無理矢理にでも俺に食わせたがる先輩らしいっちゃ、らしい行動ではあるか。でもその「理由」で言うなら……。


「そこはサダノーミ――か。……それだったら『グルメファンタジア・オンラインはこんなに面白いんだぞ!』っていう謎の自慢な可能性の方が高くないかい?」


「あはは。そっか。そうかもしれませんね」


 ついさっき、落ち際にサダノーミは「やることやって見るもんも見たし」と言っていた。……「理由」はどうあれ、先輩は俺がこのゲームを楽しんでる姿を見たかったのか? 先輩はそれを見たのか? 俺はそれを見せられたのか?


 ……俺は今日、このグルメファンタジア・オンラインを楽しんだのか?


「ロンウェンくん」


「はい?」


「……例えば、サダノーミと同じくらい……さっきみたいに守られるんじゃなくて、それこそ、さっきのロンウェンとサダノーミみたいに一緒に遊べるようになるには、どれくらいかかるかな? 時間とか課金とか」


「え、そうですね~……サダノーミはアレで調理特化のステ振りですから。戦闘だけなら、そんなには……うん。シキトーのプレイヤースキルがあれば案外、カンタンに追い付き、追い越しちゃうんじゃないですかね」


「まいったな。ロンウェンはそうやって持ち上げてくれるけど、マジな話、俺はそこまでゲームが上手いわけじゃないと思うんだよね。俺の腕が良いっていうよりは……ぶっちゃけ、このゲームって戦闘はヌルいよね……?」……ログイン3日目の俺が、頑張って「神経を研ぎ澄ました」程度で、ステータス初期値のアバターなのに死にもせず、ここまで来られるんだから。もちろん、ロンウェンとサダノーミのフォローがあったればこそではあったんだけど。それでも――だ。


「そうなんですよッ! やっぱり、そう思いますよね?」


「おおぅ、意外な反応……」


「グルファンの主目的は『料理』で、しかも『作る』ことじゃなくて『食べる』ことの方ですから。その前提の材料集め――モンスター退治の難易度は高くないんです」


「そうかぁ……『料理』メインで考えたら、戦闘はオマケのミニゲーム的な感じか」


「……と僕は思ってるんですけど。賛同を得られたのは実は今回が初めてなんです」


「そうなのかい? そんなに間違ってない考察だと思っちゃうけどなあ」

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