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――後の勇者である。 16

「シキトー。お前はその特等席でじっくり見てろ」


 ……はい? 何を見ろって?


「シキトー。来ると同時にその麻痺は解けますけど動かない方がいいですからね」


 ……だから何が「来る」んだっての。


 てか「黙ってろ」とか「集中させて」とか言っておいて、そっちからは声を掛けてくるのね。ん~……返事はしてもよいのかしら?


「――お。何だ。もうカラダが動くようにな……」……ったぞと思ったら、


「ギャォォォォーンッ!」


「ギィッ! ギィッ! ギィッ!」


「オロロロロロッ!」


 なんか来た――!? 「なんか」っていうか当然、モンスターたちだけど。


 植物系、虫系、鳥系と様々なカタチのモンスターたちが四方八方から俺たちの居るこの地点を目掛けて一斉にやってきていた――何でだッ!?


「あ」――さっきのオクドラゴラの叫び声か!? これも。


「ひぃ~ッ!? なんかウサギとかサッカーボールに手足が生えたみたいなカワイイ系じゃないのが大集合してんですけど!? 顔が恐いッ! 細長い脚がキモいッ! くちばしの模様がグロいッ!」


 モンスターたちの迫力に今度こそは本当に腰を抜かしてしまいそうになる。


「はっはっはっは! あんま笑わせんなよ、シキトー! 手元が狂うぞッと!」


 ……いや、笑わせてるつもりはありませんけどッ!?


「可愛い系は早々にネタ切れなのか、グルファンのモンスターって強くなるにつれてその見た目もヤバくなっていってる傾向はありますよね~」


 ……ロンウェンくんは余裕だなや。集中だとかしなくてもダイジョウブなのでは。


 次々に襲い掛かってくるモンスターたちをサダノーミとロンウェンの二人がばったばったと返り討ちにしまくっていた。……が敵の数が多過ぎる。倒したモンスターを「解体」するヒマもなく、二人は各々の持ち武器を振り回し続けていた。


「あんッ? おらッ! はっはーッ!」


 ……サダノーミは雑に強いなあ。モンスターの攻撃を喰らいながら倍返ししてる。でも。敵の数が異常に多いから。肉を切らせて骨を断つ戦法は……ジリ貧なのでは。


「とん、とん、とん。で。くるっと。えい」


 ……ロンウェンくんの方は華麗だ。シロウト目で見ても手慣れてる感じがわかる。これはキャラの強さ――ステータスの高さとか武器の強さに依存してるんじゃなくてロンウェンくんの「中のヒト」である龍文君の操作が上手過ぎるんだな。

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