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――後の勇者である。 06

 例えば電話でオシャベリするのが好きとか、メッセージアプリで遣り取りするのが好きってヒトも、電話っていう機器が好きとかメッセージアプリの操作が楽しいっていうヒトはレアなんじゃなかろうか。SR並かSSRまでいくのかは知らんけど。


 電話やメッセージアプリと似たようなもので、俺にとってのグルメファンタジア・オンラインは、サダノーミこと山崎先輩と話したりや遊んだりする為の「ツール」に過ぎないのだ――……「いまのところは」と一応の保険は掛けておきましょうか。


「……よし」


「え? サダノーミ師匠? 何が『よし』なんですか? 師匠の『よし』はあんまり良くないときもあるんですが。主に俺が殴られたりとか……」


 言いながら軽く身構えていたのに……殴られなかったぞ? あれれ……?


「電話してくる。シキトーはそのまま、ちょっと待ってろ」


「はい? 電話? どこにです?」


「…………」


「へんじがない。ただのしかばねのようだ……――サダノーミ、死す!?」


 とか言っていたら、本当にサダノーミの全身が白い光に包まれて――消えた。


「おおっと。ログアウト……したんだよな、多分」


 一瞬、本当に死んだのかと思ってしまった。サダノーミ、モンスター説。


「でも何も落とさなかったからな。モンスターなら何かしらのドロップ品があるはずなんだけど。よって、サダノーミ氏はニンゲンであることが証明されました。いや、魔女裁判かよ。『死んだら無罪』的な。……実際、サダノーミがモンスターだったら何を落とすかねえ。『塩』か? サダノーミだし。塩対応だし。あっはっは。前回の初ログイン時は俺がお先に落ちさせてもらったから、他のプレイヤーのログアウトを間近で見るのは初めてだ。なるほどねえ、あんなふうになるのか……」


 ……ほぼ見知らぬ土地にぽつんと一人、取り残されてしまった俺はつれづれと呟き続けることくらいしかできなかった。やることがなかった。


「それにしても。うーん。テキトウに茶化した俺を殴るよりもログアウトを優先するとは。どこに何の電話をかけにいったんじゃろ? ……ジャロかな?」


 とか言っていたら、今度は目の前に白い光が現れて――ほどなく消えた。


「あ、おかえりなさいまし。サダノーミ師匠」


 白い光が消えた後にはサダノーミが立っていた。なるへそな。ログインはこういう感じなのか。


「電話とか言ってましたけど。どこにかけてきたんです?」


「ちょっと待ってろ。すぐに来る」


「来る? ピザの宅配でも頼んだんすか?」


「…………」


「…………」


「…………」


「……来ねえじゃねえかッ! ――痛ぁ~いッ!?」

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