――後の勇者である。 05
「はっはっはっはっは! いい顔するじゃねえか、シキトー」
「あの堅いプチゴーレムから豆腐。そして『絹ごし』。……木綿とか、おぼろ豆腐を落とすモンスターも居るのか? それもまた堅い系モンスターなのか……?」
「ふっ。木綿豆腐を落とすモンスターは弱い部類のヤツだからな。そのうち会える。ネタバレは勘弁しといてやるから、そのときを楽しみにしてろ」
「お気遣い感謝っす。てか『豆腐』もモンスターから落ちるんすね。……豆腐は食材扱いなのかあ。うーん、料理……『料理』とは言わない……か? うーん……」
「ふん。『肉料理』だの『魚料理』だのと同じで『豆腐料理』って言うんだからよ、『食材』でいいんじゃねえのか? なんだ? こだわりてえならイチから作るか? 『大豆』を落とすモンスターならいるぞ。『にがり』があるかどうかは知らねえけどグルメファンタジアなら出来るんじゃねえか、豆腐作りも」
「……信頼が厚いっすね。グルメファンタジア・オンラインへの」
「あン? 面白えだろ? グルメファンタジア。シキトーは面白くねえか?」
「あははは、面白くなくはないっすけど」……正直、前回も今回もサダノーミに連れ回されているだけで――それ自体は別に苦でも何でもないし、楽しいっちゃあ楽しいんだけど――ゲームで言ったら、オープニングのチュートリアル部分しかまだ触ってない感じだ。ストーリーやらシステムやら操作方法やらを延々と説明され続けているだけでプレイヤーとしては、まだまだプレイしている実感が無い。
次の説明文を読む為に「Aボタン」を押して、読んで、押して、読んで、押して、まずはあっちへ行くのだと言わたから「はいよ」と、今度はそっちに行けと言われて「はいはい」と、天の神サマに言われるがまま「十字キー」を押しているだけだ。
「あ、サダノーミと話したりとか、一緒に歩いて回ったりするのはフツウに楽しいっすよ? プチゴーレムとの戦闘は『一緒に』って感じじゃなかったですけどね。俺とサダノーミの戦力に差がありすぎて」
てか、俺は「信頼が厚いですね」と言ったのに、サダノーミから返ってきた言葉が「面白いだろ」だったのが、凄くサダノーミで。サダノってて、サダノんでだから、つい、笑ってしまった。俺にはゲーム自体よりもそういったことの方が楽しかった。




