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虫好き

作者: 小波

 

 4年前、娘と妊婦の私は浜辺を歩いていた。白いカニが横走りしていく。はっと思うともうそのカニは小さな手の中に収まっていた。足の速いはずのカニ。娘に問われる。食べれるのかと。えーとうーんとちょっと待ってね。ほらキッチンの舘野さんにきいてきてからだね!次の瞬間、シロカニは真っ二つに右手と左手に離れ離れ‥。


 あの時、妊婦の私にはグロテスクに映り後日行った美容室でその話を聞いてもらう。個人的主観でイケテル美容師さんはいつも肩を揉む力が強い。(心の中でSだ!と呟く)しかしうまいのでクセになる。

食べようとするのえらいね。

‥!驚く私。そうですね、カニは食べ物でしたね。刺激が強くて気付きませんでした。大人って勝手だよね、蚊をころせ!というくせに虫で遊ぶ子供に命だよなんて注意して。

ほんとですねぇ。なるほどなぁ。鱗が落ちた私はカットと共にさっぱりして帰宅した。また数年後、海の側から引っ越した私はその話を誰かにしていた。そうしたら、カニでしょ!食べましょ!と言われる。そうか!人によってこんなに違うんだ!小さな娘は身重でぐったりしていた私の前で虫で遊び最後は必ず殺していた。手加減がわからないのか子供の学び上そうなるのか。そんな私にカニ事件は食とは繋がらなかったのだった。


 成長し続ける娘と今まで色んな生き物を見てきたし拾ったし飼ってきた。怖いもの知らずの娘は死んだモンシロチョウを拾い上げる。しかし怖いのは私で娘は綺麗だと思ったのかも知れなかった。興味津々でなんでも触るその手はきっと明日も何か拾ってくるのだろうな‥


 虫の嫌いな私の友達は虫が普通に沢山出る山の麓の古民家に住んでいる。私の娘からしたらパラダイスだが、友達親子は虫嫌いで、よくキモっ!と同じトーンで言っている。しかし住んでいる。望む望まないに関わらず人って不思議なものを選択して生きているなと笑っている。

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