71:そうだ、海にいこう。
少し耳を傾ければ、波のせせらぎが聞こえてくる。青い海に、青い空。境界線が消えてしまいそうな一面の青、足元の砂浜は真っ白でより海の青を強くしている。少し空を見上げればほんの少しだけ空に浮かぶ雲。青と白だけの静かな世界がここにあった。
「いいねぇ、夏。」
時期は"ビクトリア"の初回公演が行われてから半月ほど後、会場の定期点検や大道具小道具類の補修。衣装の洗濯や修繕などのために興行を一時中断したころのこと。元々一週間ほどの休みを全体で取る予定だったこともあり、現在私は楽しい楽しい休暇中だ。ほんとはどこか場所を借りて演技の練習をする、ってことも考えたけど思ったより疲労がたまってたんだよね~。
大勢の目に晒されながらの演技を半月間毎日ずっと続ける、その上手伝ってくれてる現役剣闘士ちゃんたちの相手や、異形ちゃんの相手もしないといけない訳だから当初の想定以上に疲れちゃった。剣闘士ちゃんたちはまだ"こちら側"すら認識できない様なレベルだし、子供が少しずつ積み木を重ねるのを見る気持ちで相手出来る。けど異形は別、別物というかマジ"異形"。
戦闘の描写にリアリティを出すために毎回違う殺陣をしているというか、制限下における全力の模擬戦を超えた実戦なんだけど、あいつ日に日に強くなっているというか成長してて……。観客に魅せるために二人とも速度を落としているのをいいことに、技術面の向上をやりやがった。この前なんか何か一つこっちがミスれば負けそうになるレベルで追い込まれたしさ……。うん、休ませろ。
ま、早い話。リフレッシュのためアルとマリーナを連れて海水浴に来ました♡ ってことで。
◇◆◇◆◇
ことの始まりは休暇一日目の朝、ちょっとした用で帝都の教会の方まで行ったその帰りだった。
「いや~、朝起きた時はマジで死ぬかと思ったけど何とか収まってよかったね、ほんと。」
「ですね……。」
この日は朝起きた瞬間から色々おかしくて、様子を探るために外に出た瞬間『あっっっっっっっつ!!!』と叫んでしまうぐらいには暑かった。打ち水したら一瞬で蒸発して、真っ黒な鉄の上で卵割ったら目玉焼きになるくらいの暑さ。元々の気候が日本みたいに湿気の多い土地ではないこともあってギリギリ耐えられるレベルではあったけど厳しいことには変わりない。
「にしてもなんかこう、"神様"って感じな理由でしたね。」
「あ~、ね~。一回ウチに来てるし、なんかもう性格ある程度解っちゃったでしょ。」
「はい。正直あの一件以降自分の信仰がちょっとブレたといいますか、盲目的に信じる感じではなくなったと言いますか……。」
今日の猛暑は単純な異常気象ってわけではない。クソ暑かったのは朝の数時間だけだったし、昨日は普通の夏の日。今の気温もまぁ暑いが一般的な温度だ。地中海の気持ちよくて過ごしやすい夏、って感じ? んでなんでこんなにクソ暑くなっていたかというと……、この真っ青なお空の上にいらっしゃる神様のせいなのよ。いや正確な原因は人類のせいやけど。
現代の菓子レシピの横流しや、先日の『プリンで神降臨事件』などもあり、聖職者どころか信者ですらない私はなにかと教会勢力との接点が多い。今回の事件の解決のために呼び出され、ちょっとお手伝いしたお礼に原因を教えてもらったのだが……、なんでも帝国から遠く離れた場所にある教会で『冷やし中華の上にサクランボを乗せるか乗せないか』について長期間議論した聖職者たちがいたそうだ。それもかなり位が高い奴ら。こっちでいう枢機卿とかその辺のレベルらしい。
話を教えてくれたレトゥス司教によると、
『私は詳しく知らないのですが、なんでも東の方の国では小麦の麺の上に様々な具材を乗せ、冷たいスープをかけることで涼をとるとのこと。その上になんでも赤くて甘い果実。おそらくサクランボを乗せるそうなのですが……。それを乗せて神に献上するか、省いて献上するかケンカになってしまったようで。』
何でも神としては『捧げものはなんでもウェルカム、季節が感じられるものはさらにプリーズ!』という性格らしく、毎年捧げられる"冷やし中華"が結構楽しみだったようで、しかも甘いもの好きな彼女からすれば彩り的にも最後のデザート的にもさくらんぼを乗せるのがマストだったそうだ。
しかし信者たちが真剣に話し合っているのを見て、『これどっちかに加担したらもう片方完全に消えるな、乗せるの嫌な奴の気持ちも解らんでもないし……、黙っておこ!』とお思いになりお待ちになることにしたそうだ。あってもなくても愛する神の僕の捧げ物、笑顔で受け取ろうと。最悪別の地域で捧げられたサクランボをこっちで乗せて楽しもうと思っていたそうな。
『しかしながら議論が活発化しすぎ、続くこと約三日。寝る間も惜しみ最終的に殴り合いのケンカになり、最後に残ったものは"乗せない派"の人間。そして何を思ったのか、それとも三日間寝ずに議論した上殴り合ったせいで頭が働かなかったのか。三日間放置された"ヒヤシチューカ"なるものを捧げてしまったようで……』
汁はすでに乾き切り、キュウリや卵などの具材はカピカピ。麺はもう食べられるものではないし、乗せて欲しかったさくらんぼも乗っていない。現地の教会勢力の全力を挙げて作成されただけにその冷やし中華のクオリティは神ですら唸らせ楽しみにするほどのものだったそうだが……、三日間夏場に放置すればもう食べられるものではない。
三日間ずっと待っていた上に、いつ捧げてくれるのかとワクワクしながらその議論の様子を眺め、最終的に食べ物を無駄にしてその無駄にしてしまったゴミを送り付けられた神は……、まぁブチギレたそうで。
『その教会があった付近が一瞬にして焼野原になり、神のお怒りで全世界も異常気象に包まれてしまいました。『仕事増やさないでぇ』と泣きながら全世界を飛び回る天使様のおかげで我らもその状況を知ることになり、各国の料理人や菓子職人を総動員して神様の機嫌を取ることになりまして……。』
ま、そんなわけで私もお呼び出しを受けたというわけだ。あっちからすれば私は『なんか定期的にヤバいレシピ(現代知識)送って来るスゲー奴』であり、『おそらく他国の料理や菓子について造詣が深い人物』である。帝都の教会に伝わっているのかはわからないが、教会勢力のトップである聖女からは『プリンの件はマジでウチの神がすみません』と思われているだろう私、まぁ呼び出されてもおかしくはない。
そんなわけで朝起きて『何今日クソ暑いな』って愚痴ってたら急に教会からお呼び出し受けて、『なんかいいお菓子のアイデアない?』『もしかしたら冷やし中華作れない?』と言われて料理してきたわけですよ。アルは水の魔法を、私は氷と水の魔法を使えることもあり、教会に集まってきた避難民の人たちに涼をとらせながら料理してたって感じ。
その後は何とか神の機嫌が直り、異常気象も終了。礼といくつかの謝礼を受け取って現在帰路に就いているって感じだ。あ、ちなみに問題のさくらんぼ論争をしていた聖職者たちは機嫌が直った後に、甚く反省してたそうだから元通りにされたそうです。もうケンカしちゃだめだよ?
(まぁ三日間おあずけ喰らってキレるのは"まだ"解るけど、最終的にシュークリーム捧げたら機嫌治るとかなぁ……。子供っぽいとは思ってたけど、なんかねぇ。とにかくキレるのはいいけど、こっちに被害がないようにしてもらいたいよ。)
「そういえば師匠ー、その"ヒヤシチューカ"でしたっけ? 美味しいんですかね?」
「冷やし中華ね、さくらんぼが今手に入るかはわからないけど……。ウチでも作れるよ、昼にでも食べる?」
「あ、はい! 食べたいです!」
んじゃ、帰りに色々買って帰ろうか。麺はパスタ用の生麺を店で買うことにして、上の具材は適当に。あとはマヨとかで味を調えればいけそうかな? 出汁とかそういうのこっちじゃ無理だし、なんか別物の創作料理になりそうな気もしないけど……、まぁ多分美味いだろうし何とかなるでしょ! ……え? マヨはどうするのかって? そりゃ手作りだけど。転生者の必須スキルでしょアレ?
「にしても冷やし中華か。……もう夏も真っ盛り、だなぁ。」
ちょっと空を見上げれば夏の高い空がよく見える。劇の仕事とかで色々忙しくて忘れてたけど、気持ちいいぐらいに夏真っ盛りだ。日本みたいに湿気がほとんどない分過ごしやすいし、いいよねぇ。……あ、そういえば夏らしいこと全然してないな。
子供にとってこの季節は本当に夢の様な時間だ、夏休みってこともあり遊び放題。社会人もまぁ人によるだろうけど長期休暇があったりなかったり。何かしら夏ってのは特別な感じがする。この世界じゃ文化も何もかも違うから誰も共感してくれないだろうけど……、それが私の行動を縛る理由にはならない。自身にとって前世過ごした夏の記憶はキラキラしたものばっかりだったし、できれば隣にいる彼女にもそんな記憶を経験してほしい。
「ん~、夏っぽいこと言えば……。」
「師匠? どうかしました?」
「……そうだ。アル、海行かない?」
◇◆◇◆◇
と、いうわけで。
「海だぁーーーーー!!!!!」
そう叫びながら走っていく彼女を眺める。
いや~、言ってみるもんですね? ヘンリエッタ様にお願いしてみたその翌日。ちょうど今使っていないビーチがあるということでやって来たのはプライベートビーチ。ヘンリ様の家の方で管理している砂浜みたいで、好きに使ってくれていいらしい。いや~、やっぱ超級のお金持ちはレベルが違いますな! 明らかにこの砂浜プライベートで持ってちゃいけないレべルの奴ですよ! 前世だったら旅行客で海が人で埋め尽くされそうな好立地&広範囲!
こんなもん一人で楽しんじゃだめだろ、ってことでアルちゃんとマリーナを連れてやって来ちゃいました~! いやはや、海水浴とか何年ぶりだろ。
ちなみに二人以外にも何人か誘ったんだけど『皇帝陛下とのお茶会があるから無理そう、さすがに三連続でバックレてるからそろそろ行かなきゃ。』って言われて残念そうに断られたり、『あわわわわ、推しに誘われた! この人生に一片の悔いなしィ!』って爆散されたり、『仕事があるから無理、というか仕事増やした顔でよく誘えるね。まぁ嬉しいけどさ。』って普通に断られたり、『すみません、ちょっと家族とお休みを頂こうと思っていたので……』と申し訳なさそうに断られた。ちな、ヘンリ様・エンリットちゃん・ドロ・ミリアムちゃんね?
ま、みんなそれぞれの過ごし方があるからね! 私たちは私たちで夏を満喫しちゃいましょ!
「あ、あの。じ、ジナ様?」
「ん~? どした~?」
「そそそ、その水着! とっても、とってもです!」
ん、あぁこれね。
青と白のストライプのビキニ、その上から真っ白なパレオ、あのひらひらした丈の長い奴ね? アレが付いている水着。胸元の部分は単に布で繋がっているんじゃなくて金のリングになっているタイプ。お任せしちゃったから下の方の角度がちょっとすごいことになってるけど……、まぁパレオで隠れるからいっか。この世界じゃ水着らしい水着はあんまないって話だっけど、相変わらずすごいもん仕上げてくれるよね、ドロは。
(まぁ代金すごい額になっちゃったけど……、二人のも作ってくれたし安い買い物だよ。)
アルの水着はスポーティなタイプ、体のラインがけっこう出る奴だけど肌面積は私よりも大分多い。まぁ彼女の場合は出るとこが全く出てないから……、あぁうん。大丈夫大丈夫。未来があるから、心配しないで? 上下白ですこしフリルが付いていて結構可愛いよ。うんうん、お母ちゃんそんな可愛い水着が似合うレディに育ってくれて嬉しい……。え? ママじゃない? それはそう。
そしてマリーナの方の水着は、貴族って伝えていたこともあって優美な感じになっている。カラーは黄緑色でワンピースタイプっていうのかな? 首元の肌が出ている以外は肩から太腿あたりまで布で覆われている。お上品なお嬢様だねぇ……。まぁ私の水着を見たせいで鼻血がヤバいことになってるし、いつか布ぜんぶが真っ赤に染まるかもしれんけど。
因みに全員に専用の剣帯が付いてちゃんと剣を下げているせいかソシャゲでよくある水着イベントのスチル感が否めないのは秘密、かなり魔物を間引いてはいるみたいだけどやっぱり海に危険はつきものだからさ……。
というかマリーナさっきあげたタオルもう真っ赤に染まってるじゃん。大丈夫? あ、幕間だからギャグ補正で何とかなる? それは良かった。明らかにリットル単位で鼻血出てるもんねソレ。
「あー、もう。せっかくの水着汚しちゃダメでしょう? ほら新しいのあげるからソレ渡して。」
「しゅ、しゅみましぇん……。」
「師匠ー! 海すごいで……、ってマリーナ何してんの。」
「じ、ジナ様がすごすぎて。」
「あぁ、うん。いつものですね。」
う~ん、やっぱ知らないうちに二人の距離がなんか近くなっててエモいなぁ! アオハルしてるぅ! 私も! 私も混ぜて!
「いや師匠そんな年じゃないでしょうに。」
「う~ん、愛弟子が辛辣! でも嫌いじゃないわ!」
さ、ふざけるのも大概にして設営していきましょうか。
プライベートビーチということもあり、この場には私たち三人しかいない。そしてここにあるのは一面の海と、一面の砂浜のみ。パラソルとかベンチとか全部自分たちで用意しないといけないのよね~、あとBBQとかもやる予定だから荷物は多め。二人には好きに遊んで欲しいから私一人で全部準備しなきゃね~。
「さ、お二人さん。私が設営しちゃうから好きに遊んでおいで。あ、あと別にどこ行ってもいいけど危ないことはしないのと、30分ぐらいたったら戻ってくること。OK?」
「了解でーす!」
「わかりましたわ。」
「あ~、海ってこんな感じなんだぁ。」
そんなことを言いながら浮き輪の上で波に揺られる。私もマリーナも別に泳げない訳ではない、けど師匠がわざわざ浮き輪を用意してくれたわけだし使った方がいいかなぁ、って思って二人とも海の上でプカプカ中だ。うぃ~、やっぱ海の中って涼しいし、波の震動がかなり心地いい。私たち以外誰もいないし、なんか言葉にできない良さがあるなぁ。
「そうなのですか? てっきり何度か入ったことがあるかと。」
「帝都住みだけどね~、私たちが見る海って基本港だからさ。入ったら怒られるんだって。それに元々内地生まれだし。」
「なるほど。」
二人とも現在は帝都住みであるが、両者ともに海は初めて。私は故郷で少し川で遊んだくらい、帝都に来てからはまぁ剣闘士の身分で海水浴とか行けるわけがないし、解放された後でも何かと忙しくてそんな暇なかった。あと単純に海のイメージが港と直結してたから『海水浴しよ~』って気にならなかったのもあると思う。
マリーナの場合はララクラで一応貴族の子として泳ぎ方だけは倣ったみたいだけど、本当にそれだけだったみたい。近くに流れる川で父親や騎士団たちに見守られながらちょっとだけ泳いで、後は涼んで終わりってのが普段の夏だったようだ。まぁこいつお嬢様だしなぁ……、そのせいでたった三人で海に来れたことが嬉しいらしい。ま、確かに大勢に視られながら泳ぐってのは気分良さそうじゃないしね。
「海といえばかなり危険な場所と聞いていましたが……、平和ですね。」
「わかる。」
私たちの海へのイメージは、総じて『ヤバい』だ。まぁそれもそのはずで、海は私たちに恵みを与えてくれる存在ではあるが、同時に死の危険が常に付きまとう危険な場所だ。海には海の魔物がいて、陸上に住む人間からすればどうあがいても太刀打ちできないような存在が多くいる。聞いた話によると人が縦に30人くらい並んでもまだ足りないような長さの化け物がうじゃうじゃいるらしい。
そのため比較的安全な浜でもまともな感性を持っている人は近づかないし、海で働く人たちは基本腕自慢が多い。これは船乗りさんたちのジョークらしいのだが、『一番危険な仕事? そりゃぁ俺らだよ。だって0か100だもん。死ぬときはみんな死ぬから。』というのがあるらしい。船が破損したり、放り出されでもすればもうその場で終わり。
故に師匠がウキウキなのに反して、二人とも結構な恐怖を胸にここまで来たのだが……。
「マジ平和。」
「魚すらいませんよねぇ。」
二人でプカプカ浮いて遊んでいても何も来ない、すごく平和だ。最初は結構恐る恐る浮き輪片手に海に出たのだが、ちょっと潜っても魚一ついない綺麗な澄んだ海。これなら安全だろうと二人で楽しく海水浴、ってワケ。
あ、後。マリーナがヘンリ様に聞いた話によると『あぁ、あそこ? 定期的にウチの子たちで駆除してるのよ。エサになる魚すらよって来ないように全部ね? だから安全よ~。ま、たまに迷い込んでくることもあるけどビクトリア様がいたら大丈夫じゃない? 楽しんできなさいな。』とのことだそうだ。
目が完全に『私゛も゛行゛き゛た゛い゛!!!』だったそうだが、そう優しく言いながら送り出してくれたんだって。
「『浮力』、でしたっけ。わざわざ海用の魔化を施してもらった武器用意しましたけどこれなら必要なさそうですね。」
「そう? これ結構面白いよ? ほら浮き輪代わりに。」
そう言いながらちょっと剣で遊ぶ。普通は沈むはずだが、最初に一定の魔力を注ぐことで長期間水に浮くという魔化が施されている。剣に掴まって海に浮かぶとか言うありえない状況が結構面白い。というかコレ剣の上に乗ったら波の上走れるんじゃね?
「危ないからやめなさいな。」
「へいへーい。」
「それにしても、ジナ様の水着。……ヤバくない?」
あー、という適当な返事をしながら剣を帯に戻す。ま~た鼻血出してるよコイツ。気持ちは解らんでもないけど。
今日の師匠が着ている水着は、青と白の横縞模様の上に青い帯と白い帯が交差するようなタイプの下。それに普段の鎧に付いているものより大分透明度が高いパレオに、目元を隠す大きなサングラス。胸元のリングの先から見える地肌がもうすごくアレだし、私たちの水着とは違って横に止めるだけのタイプだから肌面積がすごい。しかも下の方の角度は色々ケンカ売ってるのかと思うくらいやばい。いくらパレオで隠れてると言っても透けるんすよ……。語彙力バイバイ……。
(同性の私らでも息を呑むレベルだしなぁ。)
私はまだ慣れてるというか、同じ家に住んでいるのでお風呂とか一緒に入るのでまだ耐性がある。けどマリーナはそうではない、意識を切り替えて"まとも"にするのはできるようだがちょっと気を抜いただけでこれだ。綺麗な青い海を赤に染めないでよ……。ま、正直全裸の時よりもえっちなのなのは解ります、はい。
(ほんと、私たちだけでよかった。)
ヘンリ様はガチで発狂するだろうし、エンリットという人は多分えぐいレベルで爆散してしまうだろう。他に海水浴に来ていた人がいれば見とれて波に呑まれるとかあるかもしれないし、情欲に負けた人が手を出そうとして処されるとかもあったかもしれない。マジでプライベートでよかった……。なんでしょ、師匠の良さは体にあるといいますか。顔もすごいんだけど、師匠よりも顔がいい人は見たことあるし一番じゃない。だけど肉体美ってなると師匠よりもヤバい人を私は見たことがない。
「ほんと、すごいよねぇ。」
「ですねぇ。」
「師匠のお腹。」
「ジナ様の首元。」
「…………。」
「…………。」
「はぁ!? お前いつも胸とか尻とか言ってるくせに首元ぉ!? やるなら統一しろやお前!」
「あぁん!? アレの良さがわからん奴が片腹痛いですわ!」
「引き締まりうっすらと出た筋肉の線! 無駄の一切がない真っ白なキャンパスの上にあるおへそ!」
「ほんの少し掛かった髪の奥に見える首元! 本来見えないはずの鎖骨のくぼみ!」
「「うぎぎぎぎぎ!!!!!!」」
「ふたりとも~! 設営終わったしかき氷しよ~! 帰っておいで~!」
「あ、はーい!」
「今行きまーす!」
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