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予想外の出会い

本日2回目の投稿です

どこの倉庫や武器庫の側にも数名の男性が待機している。

これは困った。


木に隠れて遠くから武器庫を眺めている時だった。


「どうしたの?何か困った事が?」

男性に後ろから話しかけられた。


見つかってしまった!

私は恐る恐る振り返ると、そこにはなぜか騎士団の戦闘服を着た、黒髪で分厚いメガネをかけた男性が立っていた。

あの、湖で見かけた男性だ。


あの時はシェリルとして出会ったから、アンネッテである私は『はじめまして』だ。


「…いえ…あの…」

私はどう答えていいかわからずに言葉に詰まった。

そして、男性のことを何も知らない事に気がついた。この方の名前も知らない。


「あの…倉庫の備品を見に行きたいのですが…倉庫前に人がいて…」

私はどうしていいかわからずにおどおどした。


シェリルを知っているのにアンネッテを知らない人に出会ったのは初めてだ。

だからどうしていいかわからない。


「なら、一緒に倉庫の見回りに行く?困った事があるならついていくよ?」

男性は一切おどおどした態度を見せず、むしろ堂々としている。

あの湖でのおどおどした態度はなんだったのか。


「あの…今、どなたかと一緒に行動するのはちょっと…。それなら一旦、課に戻ります」

この方も結局勧誘係なのかもしれない。


「君が各団から引き抜きがかかっているという噂のグリーグ子爵令嬢?」

男性の問いに私は何も答えない。


「私は君を引き抜きにはかけないよ。…君は他の団に移りたいわけではないんだよね?」

その問いに頷くと男性は優しい声に変わった。


「だったら私が一緒に倉庫まで行くよ。私は第三騎士団第20小隊隊長のラーシュだ。君は今、騎士団で一番有名な人物みたいだねグリーグ子爵令嬢。大丈夫、倉庫の前にいる連中はほとんど知っているから」

そう言って手袋を取り、手を出してくれた。


「ほら、その管理表が入った袋、代わりに持つから、早く行こう。君の仕事が遅れるだけだよ」

そう言ってラーシュ小隊長は私から袋を奪い取るように持っと、管理表を横から覗いて確認してきた。

そして、さっさと倉庫の方へ歩き出した。


後ろから小走りでついていく。

「ラーシュ小隊長。ありがとうございます。無知で申し訳ないのですが第三騎士団って…普段はどういった任務が主なんですか?」


「第三騎士団は王都の治安維持部隊だよ。基本的には街の巡回だよ」


「その…メガネは邪魔ではないですか?巡回は馬でするんですよね?早く走ったりして落ちたら大変」

以前、森で男性を見た時から思っていた疑問を口にした。


「君はこれがメガネだと思っているのか?ハハハハ!これはゴーグルと言って眼鏡とは違い、目を守るものだよ。私は目が弱いからね。初めてゴーグルを見た君は分厚いメガネだと思ったんだね。職業によっては一般的だよ」


「…ゴーグル…初めて知りました」

私の無知だったのね。恥ずかしい!

森で出会った黒髪の男性がかけていたのもゴーグルだったけど。あまりにも雰囲気が違うから、もしかしたら森で出会った人と別人かな?

にているだけ、とか?

森で出会った人はおどおどしていたけど、この人は堂々としている。


そう考えていると倉庫前に着いた。

倉庫前に待っていた数人は私とラーシュ小隊長を見た。


「よう、ラーシュ!もしかしてグリーグ子爵令嬢はもう第三騎士団に入る事になったのか?」

驚いた1人が言った。


「どうだか。お前ら、この倉庫の備品を見たいから開けさせろ」

そう言って、私から取り上げた袋から鍵を出すと開けた。

しかし、小隊長は中に入らずに私に入るように促した。


私は入り口で挨拶をすると中に入った。

備品の欠損確認をしている時も外の話し声が聞こえる。


「ラーシュ。休暇はどうだった?」


「いつも通りだよ。いつものごとく森へ行って終わりだ。」


「なんか面白い事はあったか?」


「金色の毛並みの変わった生き物を見た。魚を取って食ってたわ」


ラーシュ小隊長の話で、それは魚を食べていたシェリルの事を指しているのではないかと推測されたので、私は冷や汗が出る。


「珍しい生き物なら捕まえて、動物商に売ればよかったのに」


「流石にそれはないな。あそこの生き物はむやみやたらに持ち出せないから」


「そっか。その森は高位貴族達が来るんだったな。お前の家族は一年半前から高位貴族の別荘で働き出したって言ってたもんな」


「ああ。たまに休みがあると、手伝いをさせられるよ」

そう言ってラーシュ小隊長は笑った。


今の話でラーシュ小隊長は、あの男性と同一人物である可能性が高まった。

私は備品の点検を終えると、倉庫から出た。


「グリーグ子爵令嬢、終わった?では次に行くぞ。さっさと終わらせた方が楽だろ?」

と言って、次の倉庫へと歩き出した。

私は小走りでついていく。


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