新しい?任務
本日2回目の投稿となります
次の案を練らないといけない。
結局、次の日何も案が浮かばないまま、荘園で過ごした。もう森へは行かなかった。
そして、明日はいよいよ皇太子殿下は王都の宮殿に戻られる。
名前を覚えてもらえて、2人で出かけただけでも、他のご令嬢より少しだけ有利かもしれない。
王都での偶然を装う任務を考えるとビアンカ様は言ってくれた。
王都に戻って早速作戦会議が始まった。
こちらのお屋敷の使用人の一部は、私とオリアーナと私の正体を知っているから、粗相をしても、指摘されるだけで済む。
だから、新しい作戦を練るにはもってこいだ。
「シェリルを社交界デビューさせないと今後の展開も難しいですからね」
ビアンカ様はたくさん届く招待状を吟味し出した。
「この可愛らしい雰囲気は、上手くやらないと女性の反感を買いますからね。」
オリアーナとビアンカ様が、沢山の招待状を吟味している時だった。
先触れが届いて、程なくしてユーベル伯爵が来訪された。
オリアーナが応対に出て、サロンにお通ししてくれた。
ご挨拶にサロンに向かった。
そこに座っていたのは、以前お会いした時よりもなんだか打ち解けた雰囲気な方になっていた。
「久しぶりだね?アンネッテ嬢。嫌、今はシェリル嬢かな?髪色を変えたら別人みたいだね。そのシャンパンゴールドの髪、似合ってるよ。」
そう言って笑顔を見せた。
「この前、皇太子殿下と遠乗りに行って、遠くから弓で狙われたと聞いたよ。皇太子殿下は、コーラブル伯爵令嬢にそれを言うと怖がるかもしれないと思って何も言わないつもりらしい」
「あの弓で襲った者たちは誰かわかっているのですか?」
「…皇太子の立場だと襲われるのは日常的だからね。第二妃の一派が特に過激だけど、そればかりじゃないから…」
ここで、ビアンカ様とグラファント夫人がやってきた。
2人を見たユーベル伯爵は背筋を正した。
「これは皇太子殿下からシェリル・コーラブル伯爵令嬢への非公式な話です」
そう言って、手紙を出して私に直接渡してくれた。
封蝋は王家のものだ。
開封するとそこには、私を非公式の皇太子殿下の毒見係に任命すると書いてある。
「私が毒見役?」
びっくりしてユーベル伯爵に聞いた。
「そうだよ。当初の目論見からは変わってしまったね」
とクスッと笑われた。
毒見係かぁ。自分には女性としての魅力が無かったのかと、改めて思い知らされた。
初めから女性としての魅力については自信が無かった。
でも、食欲なら自信があるけど…。
「そうね。毒見係なら大抵の行事や、場合によってはプライベートな事にも同行するけど、飲食を伴わない式典などには同行出来ませんわね。でも、どんな形であれ側にで警護できる時間があるのはいい事ですわ!頑張りましたね、シェリル」
ビアンカ様に褒めて頂いたけど、少し複雑な気持ちになった。
頑張ったのは味見だけ。
でも、これで少しは道が開けた。
開封した封筒の中には、もう1通手紙が入っていた。
それは、明日行われる行事の毒見係の要請の招待状だった。
「その行事には私も招待状が来ている。今のところ、コーラブル伯爵令嬢と私は公式の場では会ったことがないから、明日は「はじめまして」と挨拶をするよ。間違えないでくださいね」
「かしこまりました」
「私は、シェリルのような天真爛漫な子よりも、アンネッテのような地に足のついた子の方が好きだけどな」
そう言って、私をじっと見るとユーベル伯爵はにっこり微笑んだ。
アンネッテみたいな子がタイプ??
恥ずかしくてどうしていいかわからない。
「だから、オリアーナ。明日は監視役として私と一緒に参加しませんか?」
なーんだ。この人、オリアーナの気を引きたかったのね。
侍女姿のオリアーナは無表情でユーベル伯爵を見た。
「…私とユーベル伯爵が連れ立って出席するのは沢山の噂話を提供する事になりませんか?」
私には遠回しのお断り文句のように感じられた。
「大丈夫だよ。明日の噂の中心はシェリルだ。そのシェリルを監視するのが君の役目でしょ?ではよろしく。明日は早々に迎えに来るよ」
オリアーナはそれに対して、
「私が逆らえない事を知っているのに…」
と小さな声で言った。
オリアーナの横にいた私には聞こえたが、テーブルを隔てて向いに座っていたユーベル伯爵には聞こえなかったようで、にこやかに帰って行った。
「本格的な夜会へのデビューが皇太子殿下の毒見係。では、夜会の参加者とは少し立場が違いますから、あまり目立たないドレスにいたしましょうかね」
とグラファント夫人が言いながら先程の手紙を手に取って声を出して読んだ。
『従来の毒見係は解雇せずに今まで通り勤めてもらう。そのため、シェリル・コーラブル嬢には、他者から見て毒見係だと悟られないように行動してもらう事を望む。
差し当たって今回は明日の植樹祭と、その後の記念パーティーへの出席を要請する。
開催の30分前にこの招待状を持って控え室まで来てほしい』
グラファント夫人はここまで読むと顔を上げた。
「植樹祭は何も口にしません。毒見係が必要なのは記念パーティーくらいなのに…。皇太子殿下はシェリルを偽恋人役に選んだという事ね」
ビアンカ様はフフフと笑った。そして、グラファント夫人から手紙を受け取ると、残りの文章を目で追った。
「偽の恋人役になってほしいとは書かない辺りが、皇太子殿下らしいわ。つまり、シェリルには妃候補だとは誤解してほしくないけど、今後の行事は付き合ってもらいますよ、ということよ。やったわね!」
こうして、違う形ではあるが皇太子殿下の警護が始まった。
諸事情で投稿は2週間ほどお休みとなります。
ここまでいかがでしたでしょうか?
2週間後もまたお付き合い頂けると嬉しいです!
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それでは2週間後よろしくお願いします!




