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森に通うのが任務になりました

本日2回目の投稿となります

次の日から、可愛らしいヒールではなくてブーツに変えてもらった。

馬のためにもそれがいいに決まっている。


それから、目立つために日向に出ていた私は、初日に日焼けをしてしまったので大きな帽子と日傘を持って出かける事にした。


二日目は、コバルトブルーのワンピースを着て、昨日と同じようにサンドイッチと紅茶の入ったタンブラーを持ち、オヤツにクッキーを持った。


そして、今日はサマーニットを編むための毛糸を持った。


騎士の練習ばかりしてきた私は女性らしい事が苦手なので、一人で編み物や縫い物を練習しようと思っている。



今日も横座りで馬に乗り、昨日と同じように湖のほとりに向かった。

ビアンカ様いわく、ここが1番出合う確率が高いらしい。


私は設置してもらった足場を使い、上手に馬を降りた。

そして、今日は湖が見渡せる場所で、木に寄りかかれる場所を探すと、ブランケットを広げた。


その時、視界の隅っこに煙が見えた!


対岸で火事??


湖沿いを歩いて煙が見える方向に近づいていくと、大きな木に隠れるようにして小さな小屋を見つけた。


狩猟小屋かしら?

小屋の前に焚き火の跡があった。

大きな薪などは無かったが、小さな破片からまだ煙が上がっている。


まだそんなに時間は経っていないけど、ちゃんと消えてないから煙が上がっていた。


山火事になったらどうするのよ!

水を汲んで来る道具は紅茶が入ったタンブラーしかない。


私は仕方なくタンブラーの紅茶で火を消し、湖に行って水を汲み再度同じところに水を掛けるという行為を何往復もした。




煙が出なくなった事を確認してから、仕方なく飲み物を取りに荘園に戻る事にした。


馬のところまで戻り、ブランケットや編み道具を片付けずに荘園に戻って、もう一度タンブラーに紅茶を入れて戻ってきた。


そしてブランケットのところに戻ると、周囲を確認しながら編み物を始めた。

真っ直ぐに編もうとしているのに、編み目が揃わずにポコポコになる。


解いては編み、解いては編み、何度も繰り返したけどうまくいかずに、気がつくと夕方になっていた。

「今日は帰ろう」

独り言を呟いて、馬に横座りに乗ると荘園に戻った。


火事未遂の事を報告したが、人影を見ていないのなら、なんともいえないとオリアーナが言っていた。

この森に入るには、必ずどこかの高位貴族の土地を通過しなければいけないから、外部の人という可能性はないと、断言された。



何の成果もなく3日目になった。

今日はライトグリーンのドレスを着て、昨日と同じ編み物の道具と、サンドイッチ、クッキー、それから念のため紅茶のタンブラーを2つ入れてもらった。


昨日見つけた小屋がこっそり見える位置で、周囲が見渡せる場所を探してブランケットを敷いた。


今日は煙が上がっていない。


安心して編み物の準備を始めて、お昼過ぎの事だった。

紐で繋いだ馬が、ソワソワとし出した。

すると、どこかでカサカサと、下草の擦れる音がする。


何かが近くにいる??


音のする方を警戒してみているとウサギが飛び出してきた!

そのウサギを犬が追っている。


野犬にしては手入れされた犬だ。

もしかして今日はこの近くで皇太子殿下が狩猟をしているのかしら?


そう思ったけど、犬の後を追ってくる人はいなかった。


犬はしばらくウサギを追いかけ回した後、私に気がついて近寄ってきた。

お腹が空いているのかな?


よく見ると、ブラッシングされておらず、泥汚れがある。

最近、捨てられたか、迷子になったのかもしれない。


「おいで」

私はランチボックスのサラダに入っている蒸し鶏を出して見せた。


「いい子ね」

犬は私の前に来て尻尾を振っている。


「あなた、どこの子?」

犬は返事する事なく、私を見た。


「伏せ」

その言葉に従い、伏せをした。意外と訓練された犬だ。

目の前にチキンを置いて「食べていいよ」

と言うと犬は勢いよく蒸し鶏を食べた。


そして食べ終わるとまた私を見た。


「困ったわね。お腹空いてるの?」

犬は、ワン!と鳴いた。


「そっかぁ。うーん。もうすぐ2時くらいかな?仕方ないから帰ろうか?お腹空いてるんでしょ?」

犬はもう一度ワンと鳴いたが、楽しそうにどこかに行ってしまった。


私はまた一人になった。

犬と遊びたかったなぁと、湖を見ながら編み物の練習を再開した。

何回やっても上手くいかない。


どれくらいの間だろうか。周囲の警戒を忘れて編み物に没頭していたら、湖の上にボートが浮かんでいる事に気がついた。

ボートに乗っている人は、帽子を被り魚釣りをしていた。


帽子のせいで年齢はわからないが、座っている姿は猫背だ。


編み物をしながら眺めていたが、男性は釣り糸を垂らしたままでほとんど身動きせずに長い時間いた。


夕刻、私が帰る支度をしても男性は動かなかった。

数時間、全く動かなかったけどもしや人形かな?


そう思いながら帰って報告をすると、それは森の管理人のバース夫妻のご主人ではないかと言われた。


確認しようかと思ったけど、次の日、湖沿いに人影は見つけられなかった。

ボートが係留してあるのは確認したけど、それだけだった。


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