追試の結果
本日2回目の投稿となります。
難しい顔をしている私に向かってユーベル伯爵は、
「試験は合格です。私は第一騎士団副団長のユーベルです。今後もよろしくお願いします」
文官様ではなく、第一騎士団副団長だったのね!
私はそれにも驚いた。
「はい、、よろしくお願いします」
なんだか混乱しているけど挨拶は忘れなかった。
「10日後の騎士団入団式にもその格好で来てください。よろしくお願いします」
私に向かって言った後に、オリアーナの方に向いた。
「申し訳ありませんが、グリーグ子爵令嬢のお手伝いをお願いいたします」
「かしこまりました。お任せください」
オリアーナの返事を聞いたユーベル伯爵はホッとした表情を
した。
「貴方に任せておけば安心です」
そう言ってユーベル伯爵はオリアーナに微笑み掛けた。
破壊力抜群の笑顔だったけど、オリアーナは相変わらず無表情だ。
「お褒めに預かり光栄です」
オリアーナの返事は相変わらず硬い。
馬車の中はなんとも言えない空気になりかけたところで屋敷に着いた。
「では、入団までの流れを書いた書類をお渡しします」
とこれからの事が書かれた書類を受け取り、追加の試験は終わった。
書類には、今度大量の書類が届く事や、制服の採寸がある事など、いろいろな事が書かれていた。
その翌日、副団長様から聞いていた通り、制服の採寸のためにお針子の女性が2人訪ねてきて、身体中のサイズを測っていった。いつもよりもかなり細かい採寸で驚いた。
騎士団は動き回るから、制服のサイズも細かいかな?と疑問に思うくらいに細かな採寸だった。
それから、入寮の書類や秘密保持の誓約書など沢山の書類が早馬で届いた。
『当日中に返信が必要』とメモが付いていたので、書類の束にサインをしていった。秘密保持の誓約書の多い事!
署名には半日以上かかって、返信した。
そしてあっという間に入団式の日になった。
届いたばかりの騎士団の制服に身を包み、三つ編みに地味メイク。そして伊達メガネという指定された格好をした。
これをすると、銀髪は灰色にしか見えないし、メガネの彩光のせいで、淡いブルーの瞳も灰色にしか見えない。
しかも、騎士団の制服はグレーの騎士服の上着に、同色のパンツスーツなので、鏡に映った自分はネズミのようだ……。
なんだかおかしくて鏡を見て笑った。
それから気持ちを落ち着けてオリアーナの方を向いた。
「オリアーナに護衛されるのも今日で最後ね。今日から寮に入るからもう安心。これまでありがとう。また会いましょうね」
私の言葉にオリアーナは笑った。
「そうですね、アンネッテ様。またお会いできるのを楽しみにしております」
そう言って、小さな旅行鞄に詰めた荷物を渡された。
「寮は全て揃っていますから、本当に身の回りの物だけ入れました」
オリアーナから鞄を受け取って、両親とハグをした。
「お休みの時は帰ってくるわ」
そう言って思わず涙ぐみそうになってしまった。
「楽しみに待っているよ、アンネッテ」
お父様とお母様はちょっぴり寂しそうだ。弟は騎士団に入団する私を羨望の眼差しで見ている。
家族とお別れをしてから、馬車で会場に向かった。
一人で乗る馬車はちょっぴり寂しかった。
今から寮での生活になる。一人前の騎士になるために頑張るぞ!だからホームシックになんかならずに頑張ってみせる!
私は馬車の中で一人、気合を入れた。
そして今日のカリキュラムの書いてある書類を確認した。
今日の入団式は迎賓館で行われるそうだ。騎士団はエリートの精鋭部隊。
合格しなかった一部の人は軍部に流れたりもする。
そこで結果を出すと、騎士団に途中入団できるケースもあるからだ。
そんな狭き門に合格したんだ!
私はウキウキしながら馬車を降りると会場に入るための列に並んだ。
入団式は皇太子殿下が参列くださるそうだ。
だから厳しい警備体制が敷かれていた。
そのため、入り口で手荷物検査があり、所定の場所で入寮の荷物を預けた。
後で、所属部署に届けられて、部署毎に入寮の説明を聞くそうだ。
ホールには椅子が並べられており、入団試験の合格番号順に座る事になっていた。
私の受験番号は後ろの方だったので座る位置も後ろの方だった。
席を確認して座ると、通路を挟んで右に3人の女性が座っていた。
「ねぇ、あなたグリーグ子爵令嬢でしょ?私はラパロ伯爵家のシーラよ。あなたの事、この前ローズガーデンで見たわ」
ブルネットの巻毛をハーフアップにして、バッチリフルメイクをした女性が話しかけてきた。
騎士団の制服を着てるけど、彼女達の制服はボタンの色が違う上に、スカートを履いている。
何故3人だけデザインが違うんだろう?
質問しようとしたが別の女性の方が声を出すのが早かった。
「私も見たわ!あなた、アンデル侯爵令息にずっと最悪な噂流されてたでしょ?私たち、実はそれを信じていたの。でも、あの時のアンデル侯爵令息を見て嘘だとわかったわ!あの人、最低ね。」
ラパロ伯爵令嬢の横に座っている、高い位置で髪を結った女性がすかさず話に割り込んできた。
「あの時、ユーベル副団長様がやってきてレオン様を取り押さえていたけど。グリーグ子爵令嬢とユーベル副団長は遠縁にあたるって社交界で聞いたわ。いいわね、あんな素敵な親戚がいて」
ラパロ伯爵令嬢の言葉に耳を疑った。
私はユーベル副団長様と、初めて会ったのは騎士団の試験会場だ。
一体何がどうなっているの???
いよいよと次の展開に移ってきました。
楽しんで読んでいただけると嬉しいです!




