SN ○○しないと出られない部屋
白。 目に入る全てが白。
その中に文字と音声がひとつ。
「では、始めてください。」
SN「「は?」」
閉じ込められた、白い箱。
中央には机がひとつ、そこにはタブレットと小瓶が五本。
S「ちょ、N先輩、状況説明」
N「いや、俺も知らんし、」
混乱する二人。
タブレットには、「媚薬を五本飲まないと出られない部屋」 と表示され、先程180分00秒からスタートした数字は、刻一刻とカウントダウンを刻んでいる。
N「落ち着こう、とりあえず」
S「そ、そっすね」
そうして二人は、ひとまず部屋の中を散策する。
確認できるのは、白い壁に扉がひとつ、鍵がかかっていること。真ん中に白い机、五本の小瓶、一枚のタブレット。
S「...ダメだ、扉には鍵がかかってる」
N「んー...でもそうなると指示に従うしか...」
Nは小瓶をカラカラと振る。
N「中身は、」
S「察しの通り、」
Nが小瓶の蓋を開ける。
N 「... 媚薬、っすね」
二人は大きくため息をつく。
S「扉、硬すぎて破壊できそうにない」
うーん、と悩み込むと。
N「提案しよう」
S「おっ」
Nが開封済みの瓶を机に置く。
N「ジャンケンで片方が五本飲むか、公平に2.5本飲むか」
お互いに、こいつ状況の飲み込み早いなと感じつつ、Sは提案を飲む。
S「ギャンブルしよう。ジャンケンで」
N「よし来た」
二人は拳を出す。
N「最初はグー...つ、」
S「ジャンケン...!」
「「ぽんっ」」
S「ま、てことで頑張って」
N「終わりだ...」
Nはチョキを出し、Sはグーを出した。Nが負けたのだ。
N「なんで瓶に成分書いとかない訳...?調べなきゃじゃんー」
S「調べるのw」
Nは、ガサゴソとポケットの中を漁る。
すると、魔法のポケットかのように実験器具が何個か出てきた。
N「紙類ならね、 折りたたんで入れて置けるから便利よ」
S「へぇ...」
そうして沢山の試験紙を並べ、瓶の中身をたらそうとすると。
アラームが鳴り響いた。
「残さず全て飲みきってください」
N「...ってことは無駄に消費するなと」
S「うわ残酷」
Nは少ししょんぼりしながら、試験紙たちをポケットの中にしまう。
N「でもさー、匂い的にこれ、##製薬の∀∀と∇∇使ってるよね」
S「...ごめんちょっと聞き取れなかった」
N「いやなんだよ、あれ強いから」
S「いやでも、Nなら大丈夫だって」
N「...じゃあいくわ、早く帰ろ」
そう言ってNは小瓶の中身を一気に五本、飲み干した。
S「お、おおぉすごい飲みっぷり...」
N「っおら、開けよ、っ」
ぐい、と腕で口を拭えば、カチリと扉の開く音が。
タブレットの数字は、169分18秒で止まっていた。
S「... おう。」
目が覚めると、自室の天井が目に飛び来んでくる。
そう、今までのは全て夢だったのだ。
S「え、続きは無いんですか自分よぉ」
とは言ったものの、その続きはMが歓喜するような事しか待っていないと思い、考えるのをやめたSでした。