1-3. 巨大エビ釣り
「ここが、人魚の祠…。」
「どうだ〜。宮司のお前らが20歳から管理することになる神聖な祠だ〜。」
「ねえねえ。あれは何?」
「あれはお供え物。人魚さん達への供物を置くんだ。。」
「じゃあ、あれは?あれは?」
「ああ。あれは、生贄の祭壇だ。禁忌を犯したうりなり住民はあそこで生贄になって免罪になるんだよ。」
「ねえねえ!あれが軽石?」
「ああそうだ。地球上で最も希少で高価な半重力物質。100g=200億するうみなりの国宝だ。」
「父さん。あの渦の下の底の見えない深淵はどこに繋がってんの?」
「いやあ。父さんにも分からん笑落ちたら死ぬだろうな笑笑」
「魚釣れるかなあ。」
「おいおい誠。ダメだぞ!絶対釣りなんてしたらダメ!笑」
祠に来た本来の目的を忘れ、僕達は父さんに質問を続け10分ほど話した頃、何か声がする。
「オーーーイ!!大和ーーーー!!(父の名)」
山田のおじさんの声だ!!
「おー!おー!生きてて良かった。怪我はないな。」
「はー…やっぱ誠と優連れてきたのか…バレたら俺たち祭壇行きだぞ…。」
父さんは「大丈夫大丈夫!」と相変わらず楽観的に山田のおじさんを励ます。
「で?お前エビってなんだよ。エビ。」
「ああ…あああ。エビ…。見たんだよ俺。俺と同じくらいのデカさしたエビを。」
山田のおじさんは真剣な顔で言う。
「おいおい。勘弁してくれよ。夢でも見たんじゃねえのか?」
「本当なんだ!!ほら!あそこの岩割れてんだろ!!おれあそこで立ちションしてたんだ!そしたら深淵からエビが飛んできたんだよ!!俺!ハサミでジャキーン!って死ぬところだったんだよ!!」
「お前…ここで立ちションなんてするなよ…。俺も今度するか…。」
山田のおじさんは嘘なんて吐く人じゃない。
僕は山田のおじさんが指差す所へ行き、岩にヒビや何か臭い液体を発見する。
「父さん!たしかに何かの生物がいたみたいだよ。エビかどうか分からないけど。」
「こりゃ胃酸だなあ。俺が逆流性食道炎だから分かるぞ。たしかに何かいたみたいだ。」
「だから言ってるじゃないか!本当なんだ!!エビが深淵からここに飛び跳ねて来たんだよ!!」
「うーん。とりあえず、落ち着けよ。飯でも食うか?浜鍋。」
山田のおじさんに残った浜鍋を振る舞う。
食事中、僕はうずうずして言う。
「本当にエビが深淵の中にいるんだったら、確かめてみない?釣りしようよ。」
「誠…!お前本当釣り好きだな…。」
「でも人魚さんエサに掛かったら大変。」
「大丈夫だよ。ほらっ!!僕が自由研究で作った巨大ルアー。秋のカジキ釣りに使おうと思って。」
「おお。いい出来だ。さすが俺の息子。」
「父さんも山田のおじさんも、これから巨大エビと鉢合わせしたら大変だよ。駆除しようよ。」
「うーん。それもそうだな。モリでサクッと仕留めるか。」
「おお!それでいこう!あの化け物エビ!!あんなのいたら、俺もう宮司なんてやりたくない!」
ーーーかくして僕達ご一行は人魚の祠で釣りをすることになる。
なお、
・祠にて宮司ではない者を連れる事は禁忌。
・祠にて排泄物を流すことは禁忌。
・祠にて釣りをする事は禁忌か不明。
車海老って美味しいですよね。