表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
海姫さまの冒険記  作者: 有寿
ー思い出編ー
1/8

1-1. 浜鍋。

セミの鳴き声で目が覚める夏休みの朝。



僕は早朝4時に起こされて、釣りへ行く。



「誠。優。時間よ、起きなさい。」


「zzz(眠り中)」


「まだ眠い。zZZ」


優は双子の妹で、僕も優も母似である。



「車でまた寝れるから我慢してね。遅れたらサンドイッチ父さんが全部食べちゃうわよ。」



母さんは愛する我が子達を上手く起こし、足を運ばせる。



「いそげ優!全部父さんに食べられちゃうぞ!」

「眠い。。。zzZ」



僕は半寝の優を抱えて、洗面所に行く。


「優。歯磨き粉。」

「それヤダ。フルーツ牛乳味がいい。」


「じゃあ、俺も久しぶりに…。」

僕は7歳の時にお子ちゃま歯磨き粉を卒業したが、優は10歳の現在も使用している。



身支度を済ませ、車に乗る僕たち。

父は車の中で今日の狙い目をペンでマークしている。



「行ってらっしゃい!!大漁期待してるわよ!!」

母が見送り、船の待つ港へ行く。



サンドイッチを食べながら父と会話をする。

「二人とも。今日は小アジの群れを狙うぞ。」

「おー!」



港に着いた僕たちは、父が離れた駐車場へ止めに行く数分の間に、慣れた手つきで船を準備していく。


父が船に到着する頃には、準備完了で漁師の父は喜ぶ。



父は尻ポケットに突っ込んである酒を手に持ち、一口・二口飲み船のエンジンを付ける。

「出港!!!」

父はこの習慣を10年以上続けている。



マークした穴場へ船を走らせ釣りをしていく僕たち三名。

楽しむ時間はあっという間に夜になり、夕食を作り出す。



「んー。小魚いっぱい釣れたし浜鍋にしようか。」


「わーい!ハマ鍋大好き!」


「酒足りるかなぁ……。」



夕食を作り終え、乾杯。


4人はハマ鍋をワイワイ食べている所、船に救難信号が入る。


山田「エ゛ビ゛が゛!゛助゛け゛て゛く゛れ゛!゛お゛?゛う゛お゛お゛お゛お゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!゛!゛泣」


この後、水に落ちる音が聞こえ、何も返答が無くなる。




僕たちは沈黙し、皆が嫌な想像をした。


父は沈黙を破り、僕たちに言う。




「本当はダメなんだが、お前ら連れて行くぞ。」


「ばれたら大変だよ!」


「でも元気のおじさん待ってそうだし。」


「んー。待ってそう。。。」




父は申し訳ないという面持ちで二人に言う。


「すまないな。万が一の時は父さんがかばうから、安心してほしい。」


「じゃあ行こう!!」




僕は碇を上げ、優は夕食をそそくさと片付け、父は操縦席で目的地への指針を把握。


不安がつきまとうまま、船を走り出す。




こうして、僕たち三人は洞窟へ向かうーーー






♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ