9話 目標?
なーんて、かっこよく決めて見せたけど、能力をもらったばかりの私にできることなんて何もない。
だから、今は自分の能力を使いこなしたい。
幸い私は物覚えがいい方だから、頑張ればすぐに使いこなせるだろうしね。
それに、頭にインプットされた知識によってあらかじめスキルの使い方はわかっているから使いこなすのも時間の問題だろう(自分で言うのもあれだけど………)。
魔法の使い方、どうすれば威力が上がるのか、効率のいい魔法の発動の仕方など、基本の知識から高度な知識までが頭の中にインプットされている。
刀術は、日本で剣道を習っていた時期があったため、大体の使い方はわかるし、スキルの使い方は頭にあるためこちらも数をこなせば簡単に使えるようになるだろう。
スキルについては何も問題ない。
だが、一つ重要な問題がある。
今日の寝る場所だ。
こんな森の中に寝場所なんてないし、魔物がいるとわかればどこも安全とは言い難い。
だから安心して眠れる場所がほしい。
魔法で作ればいいのだけれどMP上限があるし、まだLV1なのに迂闊にMPを消費して死にかけたくないし、ポーションが1,000個あっても侮れない。
だって、どんな強敵に出会うかわからないんだから。
運が0の私は、自分より強い相手にバンバンあってしまうかもしれないから。
逆に合わないというのはないだろう。
私みたいな弱いやつを狙わないなんて馬鹿はいないだろうしね。
スキルとかはたくさん?あるし、能力的には強いけど一度も使ったことがない、もはや赤子のようなやつ。
それに、何よりLV1だ。
そんな抵抗できない女を襲わないやつがいると思う?
断言しよう、そんなヤツいないね。
私なら迷わず襲って殺すよ。
後々力をつけて、向かってこられたら勝てないしね。
そんなわけだから、寝る場所を探しながら、スキルを使って慣れよう。
後、手ごろな人間、又は異種族を捕まえよう。
あ、もちろん殺さないし、血も吸わないよ?
必要ないことはしない主義だから。
じゃあなんで手ごろな人間を探すのかというと、案内役みたいな感じかな。
この世界に来たばかりの私にはわからないことがたくさんあるから。
知識として、知っていることはあるけど、その知識をどやって生かすのか、一般常識が私にはないからね。
そう言うことが知りたいの。
だってそういうのって大切でしょう?
常識がなかったら。もし何かあった時に対処がしにくくなってしまうから。
そのためにも私にいろいろ教えてくれる便利な人が必要なわけだ。
まぁ、まずはこの森から抜け出せない限りは無理な話なのだけど。
よし、やりますか!