2話 異世界転移と手紙
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あれ?
いくら時間が経っても痛みが来ない…。
それを不思議に思い、私は瞑っていた目を開けた。
目に映ったのは、綺麗な緑を纏った、木________________いや、森だった。
「助けてくれてありがとう!」
そんな言葉が空から聞こえた気がした。
声が聞こえてきた方を見上げると、一枚の紙?がひらひらと落ちてきた。
いや、紙じゃない。
一通の手紙が私のいる場所にまっすぐ落ちてきた。
何の汚れも知らないような真っ白な封筒に入った手紙。
手紙にはこう書かれていた。
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お姉ちゃんへ
助けてくれてありがとう!
本当は会って直接言いたかったんだけど、規則に反してしまうから、手紙を書きました。
いきなりのことで驚いてるかもしれないけど、お姉ちゃんが死ぬのを防ぐには、こうするしかなかったの。
出来れば元の世界で過ごせるようにしたかったんだけど、これもまた規則だからできないんだ。
僕のせいでこんな事になってごめんなさい!
お礼として、その世界で生きていくために必要なものとかは、用意して渡しておきました。
食料、衣服、お金、武器などを入れておいた指輪を、お姉ちゃんの右手の薬指にはめてあるので、後で確認してください。
あ、指輪には時間停止機能をつけておいたから、食料とかは腐らないよ!
因みに、その指輪はお姉ちゃん専用になってるから、他の人が盗って使おうとしてもただの指輪になるんだ〜。
もし盗られたとしても、時間経過または、お姉ちゃんから50m離れたら戻ってくるようになってるよ!
しかも、その指輪には秘密があって、お姉ちゃんが心から大事だと思う人を指輪に向かって思い浮かべると、もう一つだけ、指輪が現れるような仕様になってるよ!
いわゆる生涯の相手?に贈る指輪、みたいな感じ!
指輪の中身を確認するには、指輪についている魔石(宝石みたいなもの)に触れると確認できます。
後、お姉ちゃんにいくつかスキルを与えておきました。
それはステータス確認で、確認してね。
ステータスって唱えると確認できるから!
まぁ、もともとお姉ちゃんが持っているスキル(身体能力とか技能かな)とか、僕が与えたスキルは強力かつ強大なものだから、加減間違えたら、すごい事になるかも……。
悪い意味で。
頑張って使いこなせれば、被害はないから安心してね。
僕が与えたスキルやお姉ちゃんがもともと持っていたスキルは、LVの概念がないから、そのスキルに関しては可能性は無限大だよ!
あ、他の人に見えないようにできるから、そこはお姉ちゃん次第だよ!
今までお姉ちゃんはたくさん苦しんできたのに、こんなことしかできなくてごめんね……。
でも、この世界でなら、どんなことだってできる!
お姉ちゃんならきっとうまくやっていけると思うよ!
あ!大事なことを伝え忘れるところだった。
この世界についての知識とかは、お姉ちゃんの頭にあらかじめインプットしておきました。
勝手にいじっちゃってごめんね。
魔法や魔物、種族とかその他諸々……。
覚えることが多いうえに、この世界では当たり前のことだからそれについての本がないんだ。
僕が本にする時間もなかったから、できなくて……。
大事なことだから、直接頭に送り込んでおきました。
それじゃ、またね。
元気でこの世界で生きてけるって僕は信じてるよ!
アランより
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