第8話 小学3年生
あれから、7ヶ月後。
新しい教室。新しい先生。
本格的な、魔法、魔法術の授業。
新学期の始まりだ。
西岩 逞、日本人で警備業務のアルバイターだった。
24歳になったばかりの俺は、給料を下ろす為。
銀行に行ったら、色色あって射殺されてしまった。
俺は、異世界に故意に転生させられた。
精神年齢、累計32歳。
茄子紺の髪色を持った。
可愛い少年だが、最近は可愛いと言われることに、対して。
この頃、恥ずかしくなってきていた。
「皆さん。自己紹介、ありがとうございました」
「私、シティア・セリールがこれから3年間。あなた達を担当する先生です」
「「『よろしくお願いします』」」
先生が一呼吸、置いた。
「2年生の時。担任の先生から、言われていると思いますが、これから行う魔法。魔法術の授業は、使い方を誤れば自分や周りに、危害を与えるものとなります。そのことだけは、絶対に忘れないでください」
「今から、校内演習場に移動します。私に付いて来てください」
教室にいた生徒たちが動き出す。
色取り取りの髪色。
橙色やグレーがかった、茶色。鳶色だ。
灰色の髪もある。
黄色!
赤色や桃色もあった。
「行こうぜ、レキス」
「解かった。ルック、行こう」
席を離れ、廊下の木枠の中にある。ガラス窓。
ガラス越しに空を見上げる。
今日は、1706年4月7日。
雲ひとつ無い、青空だった。
さっき、総魔力保有量を量られた。
形は、学校に置いてある。身長を測る器具に似ていた。
「52M」と言われたが、基準について聞こうとしたら。
別の先生が現れて、「20M以上の人は、こっちに集まってくれ」と言われた。
一応。言っておくが、魔力は見えない。
集まった、5人。
「自己紹介をしてくれ。皆が言い終わった後、私が最後に自己紹介したら早速。発動練習を始める」
自己紹介は一番、右から始めたほうが良いと言う。暗黙の了解がある。
「僕は、ラジレロワ・スリーボル。8さい」
「21エム」と言い、先生が頷く。
「マリトク・ラジメル」
「24エム」
灰色の髪をした少年。
次は、女の子。
「レシアー・カレリス。7歳です、光属性の魔法が得意です」
橙色の髪を持った、女の子。
「46エム。親の愛情を、ずいぶん受けているな」
俺の番だ。
「初めまして、レキス・アスリットです。年齢は8歳です」
「52エム、最優秀」
髪が鳶色のルックこと、ルッセントだ。
「俺は、ルッセント・ワークだ。超級魔法術師を目指しているから、以後。よろしく!」
「49エム、優秀」
茶色髪の先生が最後に、自己紹介をするようだ。
「このグループを受け持つことになった。見習い教師のグラオ・ガイナスだ」
「先生。このグループは、問題児のグループなのですか?」
ひ弱そうな、赤髪のラジレロワ少年が、ガイナス先生に質問した。
「確かに、レキスとルッセントは要注意人物と書かれているな」
紙を広げて言う。
「だが、さっき受けた検査と簡単な魔法術の発動試験。そのM指数検査、つまり。総魔力保有量を大まかに計測する量り台に乗ったと思うが、そのM指数。レキス君は52M、ルッセント君は49Mだった」
「これは中級魔法術使い、並みの総魔力保有量だ」
「1Mが大体、火炎を一度発動できる総魔力保有量だ。レキスとルッセントは、このグループの中で力も技術も1番と2番目なんだ」
「このグループは、特別教育枠であり、特別進学枠だ。今年から新3年生を対象に行う、新しい教育の為の実験なのだよ」
ひとつ気になったので、訊ねる。
「特別進学は、飛び級のことですか?」
「その通りだ。4つの特別教育枠から、累計8人まで飛び級を出来るようにした取り組みだ。その為、特別に中級の魔法術を教えるが、他の生徒に絶対。他言しないように!」
怖い、顔が怖いぞ。グラオ・ガイナス!
右掌の上に魔力を注いで行く。
1つの魔力を球体として作り上げる。
右掌の上で不規則な円を描いて行く。
光属性とは違う、熱を感じる。
イメージとしては、核融合炉。
4つ以上、球体を増やしながら作った円と円を重ねて行く。形成の仕方は、野球場。ドームの屋根を思い浮かべる感じだ。
円と円でドームの屋根だけを作る。
魔力が発動可能量を、超え過ぎないように調節する。魔力全体の形を変えながら球体をコントロールしないと、いけない。
球体を真ん中、天辺で球体が全て同時にぶつかるように調節して動かす。
真ん中で、魔力の球体がぶつかるような感覚を感じた。
よし、今だ。
「火炎!」
右掌の上に、火炎が出現した。
ルッセントとカレリスだけが拍手をした。
「これが『詠唱文無詠唱』。発動方法だ」
ガイナス先生が続けて一言。
「もう良いぞ。レキス君」
「ふー。消えろ」
火炎が散って消えた。
とんでもなく、疲れる発動方法だ。
これなら、普通に詠唱。そして、発動したほうが楽だと俺は、思うよ。
自己紹介後。
いきなり、先生から「無詠唱で発動してくれ」と注文された。
詠唱発動時に、言葉に乗って魔力が動いてくれていたのを再現してみたのだが……。
死にそう。体が、倦怠感に覆われている。
「本当は、頭の中で詠唱しながら魔力を注いで行くのだが……。レキス君は、意識の力で発動してくれたようです」
ガイナス先生が、両手を前に出して言った。
「そしてこれが『完全無詠唱』発動法だ」
目の前に、突如。火炎が出現した。
「うわ!」
ルッセントが驚く。
「勉強になります」とラジレロワ。
学校のチャイムが耳に届いて来た。
「よし、5分間の休憩後。次の魔法、魔法術の授業だ」
「解散、解散」
「「『ありがとうございました』」」
木の枝と葉っぱで、日陰になっている。
場所へ向かい、魔力操作の練習をすることにした。




