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第4話 攻撃魔法術

 ※主人公はこの回に出てきませんが、ここに登場しているのは大事なキャラとだけ言っておきます。

 今日から、ミファーネを含めて学生達は夏休みだ。

 特別にミファーネを連れて、会社関係者だけしか入ることが出来ない買い付け専用市(せんよういち)に2人で来ている。

 これは、冒険者ギルドの商館で開かれていて、入り口から見て一番奥にあるのが、魔法関連道具の商品類で商品の多さも相俟ってかなりの広さを占めていた。

「お父さん。早く行かないと商品が仕入れられなくなりますよ?」

「ちゃんと、付いてきてくれ」

「解かっています」

 館内には、人や商品が溢れていた。



「アスリット魔法鞄製作所。空間形成魔法60年発動型鞄の、入荷は25個だ! 250万セイルからの開始値(かいしね)になる」

 受付で受け取った、数10枚の封筒と紙に仕入れ者番号と商品番号を記入し購入金額を最後に書き加え封筒に紙を入れ、申し込み用の箱に投下した。

「移動する、付いて来いミファーネ」

「はい」

 魔法関連の武器類コーナーへ向かった。

 丁度、目玉商品がお披露目されていた。

「ウォールナット工房、製作。広刃剣(こうじんけん)、ブロードソードとも言うが、ひと昔前に出て来た広刃剣とは、一緒にするな。これは打ち付けて切るものではない」

「魔法術が使える冒険者の方は、居ませんか? 元冒険者でも大丈夫です」

「お父さん。誰も居ないようなら手を挙げたらどうですか?」

「そうだな」

 誰も手を挙げなかったので、冒険者だと申告した。


「力を入れるだけで、魔力が剣に流れて切れ味を上げたり耐久性を上昇させます」

「だから。魔力が必要ということか……で、何を切ればいい?」

「これです」

 差し出されたのは、数cm四方で正方形の金だった。

「製作者は、随分と自信があるんだな」

 広刃剣をじっくり観察して見る。

 今、握っているグリップは、なかなかの保持性(ほじせい)で軽い力でも手に乗ってくれた。

 (つば)の真ん中には、3cm程度のエメラルドが埋め込まれていて、金細工の小さい十字型装飾でがっちり固定されていた。

 弓形護拳も素晴らしい出来で、白く塗られているが「純金製だ」と言われた。

 男が使うには装飾過多だが女性なら、グリップを握ったとき指より細い三本の白い護拳が、持ち主を引き立ててくれる筈だ。

 これは、まさにミファーネの為に作られた剣だ。

「お父さん。変なこと考えていませんでしたか? 顔が緩んでましたよ」

「断じて、そのようなことはない」

「そろそろ実演の(ほう)。宜しいですか?」

「今直ぐ、行きます!」



「金さえ切断できるこの切れ味。2本の出品でまずは、女性用から1000万セイルが開始値です!」

『さっきのは女性用だったか、何としても仕入れねば!』

「いつか、あの剣が似合う冒険者になりたいな~」とミファーネ隣で小さく呟いた。

 周りでは、買うか買わないか、普通は起こらないのだが同業者同士で話し合っていた。

「王国銀行から。お金借りようかな……」

「去年の黒字より高い。そんな商品じゃ、仕入れられないよ」

「高すぎるだろ!」

「もし仕入れたも利益出せなかったら。母ちゃんに殺されっだ」

 金額に怖気ずいたのか、誰も値段を言わない。

「1005万セイル!」

 競売の沈黙を破ったのは、王国発表年間総売上高番付け。

 万年総売り上げ2位のリーズ・マサドリ総合貿易会社4代目社長、タコーレ・マサドリだった。

「1015万セイル」この勝負勝ったな、とおもったが。

「1029万セイルだ!」と上乗せしてきたタコーレ。

『なに! それなら』

「1052万セイル」

「これは、諦めるしかない……」

「誰も、居ないようなので、1052万セイル。クリヒヤ商会が1052万セイルで仕入れました!」

 近くに居た人たちが、1人また1人と拍手を始めた。

 この競売で今日準備した資金が、残り300万セイル程になってしまった。

「クリヒヤさん、代金と引き換えで今すぐ商品を渡すことが出来ますがどうされますか?」

「頼む」

「こちらへどうぞ」

 応接室に通され、一括の現金払いで広刃剣を手に入れる。

 魔法鞄も落札出来てたようなので一緒に会計を済ませたのだった。



 帰り、カレリス総合病院に重要な用事があったので冒険者ギルドの中にある飲食店で昼ご飯を食べた後、自分の店に立ち寄って、病院に向かった。

「お帰りなさい。ベルフさん」

「経過は順調か、ファリル」

「今わね」

「お母さんただいま!」

 ミファーネがファリルの元に駆け寄ってお(なか)をさわらせてと、はしゃぐ。

「ベルフさん、予定より早い到着ですね」

「リシャナス院長」

 いつの間に背後を取られていたのだが全く気づかなかった。

『たぶん、ただの医者じゃあないんだろう』

「今のところ、母体への影響はないようです。診察しますね」

 リシャナス院長が椅子に座り、ファリルの脈拍や聴診器を使い。

 音を調べる。


 聴診器を耳から外してから話し出す。

「妊娠7ヶ月ですが場合に拠っては、母子共に危険な状態になる可能性があります。特別観察対象者と認定し数時間おきの定期で医師を出しているので大丈夫とは思いますが、万が一もありえますのでそこは、ご了承ください」

「あと魔力を使うようなことは、絶対しないでください。

 この部屋にある。

 妨魔障壁巻物魔法円(ぼうましょうへきまきものまほうえん)が反応して魔力が抜かれますよ」

 部屋の角に魔方円が書かれた巻物が4箇所に設置されていた。




 病院に4時まで居て、店に帰ってから。

「攻撃魔法術を教えて、お父さん」とミファーネにお願いされたので、上級冒険者と上級魔法術使い。

 王国に勤めている魔法術師しか知らない、冒険者ギルドアスリック魔法、魔法術演習場にミファーネを連れてきた。

 まだ教えていない魔法術を教えることにした。

「火属性の魔法は、魔力を加速させるように注いで行くんだ。

 火属性加速魔法術の意味が解った時。

 どんな火属性の魔法術でも使える。

 どんな時でも、詠唱したら絶対に発動するんだ。

 魔法発動失敗による反動を手や頭に受ければ。

 芋ずる式に状況が、危なくなると思え発動できそうになくても。

 絶対発動すると思い力で押しとうせ! 

 その方が失敗時に受ける反動も少ない」

 ミファーネが頷く。

「我が力を変換し、力となって。『火炎柵』発動せよ」

 ミファーネの体の前に先端が細い十字状で鋭利な尖がりがある三本の柵が出現した。

 数分で消失した。

「よし次! 今さっき説明した。魔法術順で、発動するんだ」

「はい! お父さん」

「我が力を変換し、力となって。『火炎流波(かえんりゅうなみ)』ここに発動せよ」

 四方数メートルを超える火炎の波がうねりながら進む。

「消えなさい」

 火炎が下に押しこまれたように消えた。

 ミファーネの息が荒くなっていることに気づいた。

「手本を見せるから、ミファーネ。休憩して良いよ」

「解かりました」

 繰り返し息をして、呼吸を整える。

「そうだな、遠くに見えるあの石造りの建物に魔法術を当てようか」


 手を前に出して詠唱を始める。

「我が力を変換せよ『塵旋風(じんせんぷう)』発動」

「連結強化魔法術、我が力と塵旋風を合わせ発動する『竜巻』」

 同時発動をしてみるか。

「我が力を変換し、発動せよ『火矢』連結強化魔法術、『火矢連弩』発動!」

 両手から秒、数十発の火矢が、竜巻に向かって飛び出して行く。

「凄い!」とミファーネ。

 この後も、ミファーネの魔法、魔法術発動に付き合い。

 親子で魔力総量が八割程無くなるまで続いた。

 ここに私達が、くる前と打って変わり。

 ぼろぼろになってしまった、建物が演習場に残されたのだった。

 アスリック王国統計局。第800号報告書より。


 魔力起動家具の相場は80万セイル~500万セイル程度。

 魔力が込められた媒体からの魔力供給を受け起動する。

 各王国研究機関で送魔導線(送電線に準じる)を利用した魔力伝達方法を研究をしているが、実用化には程遠いと思われる。

 一部、黒ゴブリンが性能の高い武器の装備を確認。王国調査局に伝達のこと。

 特別調査官名。極秘、開示不許可。

 

 

 異世界情報

 ベルフが購入したブロードソードは、魔剣です。

 現段階では、販売商品として店に展示されています。

 定価1100万セイル。

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