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第3話 新築の学校

 この世界に転生してから1番。

 衝撃的だった出来事は、3000万セイル事件だ。

「今から、出席を取ります」

 生徒の名前が次々、呼ばれていった。

 26人分の名前が出る。

「マキトス・タフラスくん」

「はい」

「ルッセント・ワークくん」

「はい!」

 前にいる、ルッセント・ワークがかなり大きな声で返事をする。

 この世界に転生してから、2年と9ヶ月が過ぎた。

 そして今は、小学2年生だ。

「レキス・アスリットくん」

 俺は、未来の事まで考えて今を、生きているのだ。

「あ、はい」

『危うく、返事を忘れる所だった』

「以上で、出席の確認を終わります。今日は、ルッセント・ワークくんが朝の挨拶を行います」

「えっと、皆さんおはようございます」


「「『おはようございます』」」


「はい、ノートと2年生のための新魔法術教科書。パート1を机の上に出してください」

「5分後に魔法、魔術の授業を行います」

「ワークくん。授業を始めるための挨拶も、お願いします」

 30代位の男性教諭が、杉の香りが心地よい新しい教室。

 後ろ壁に掛けてある、壁時計を見る。

「魔法、魔法術の授業を始めます、起立。礼」


「「『よろしくお願いします』」」


「今日の授業を始めます。32ページ、自然流通魔力についてを開いてください」

 1年前に読んだ【初級魔法・魔法術教本】に書かれてある内容を小出しにした授業は、俺に対してなんの知識も与えては、くれない。

 家から持ってきた【中級魔法・魔法術教本】をこっそり、授業中に読むことが最近の楽しみだ。



 魔法術の授業が10時5分に終わり、次の授業が10時15分に始まった。

 内容は、冒険学だった。

 その次が、数学で小学2年生の内容にしては難しいテストだと思う二桁の掛け算だ。

 12時5分に授業が終わり給食が出るのだが、給食準備は総て。

「給食の先生」と生徒に、呼ばれている人達が行う。

 後は、自分たちで机より小さい木製のトレーを自分の席まで運ぶだけだ。


 給食を食べた後、昼休みを読書で満喫していたら。

「いつも、本読んでるけどそれ面白いの?」

 前の席にいるルッセント・ワークが話しかけてきた。

「面白いよ、魔法、魔法術はとんでもなく奥が深いんだ!」と俺なりの子どもっぽさで言ってみた。

「僕ね、実は火炎を使えるようになったんだ!」

『なに!』

 そんな話は、初めて知った。

 ルッセント・ワークとは、1年のころから学校の組が、同じでいつもこいつが前にいるから、ちょくちょく話しかけていたら。

 いつの間にか親しくなっていたのだ。

「そうなんだ……火炎の次の魔法術は、解かるかな?」

「火炎の次は、第3階級で火矢(かや)だよ。その次が、中級魔法術の第4階級で火炎柵(かえんざく)だって。レキスが言ってて、それを覚えたんだよ」

『そういえば、調子にのって中学生レベルの話を得意げにレッセント含む数人にしていたんだった』

「じゃあ、この魔法は知らないはずだ」

 俺は、右手を広げて中指と親指をくっつけた。

 最近、コツが掴めてきた魔力の流し方。

 くっつけた指の上で魔力を使って円を描く。

 この行為は「(そそ)ぐ」と言われている。

 魔力で描いた円に魔力を込めさらに円の数を増やす。

『魔力は基本、見えないので意思(いし)の力で行っているのだ!』

 徐々に魔力で描いたであろう、円を圧縮して行く。

 右掌が、じわじわ熱を帯びてくる。

「我が力を変換し、照らせ」

灯火(とうか)

 くっつけた指の上に、辺りを照らす明かりが灯った。

「きれい……」

「初めて見た!」

「魔法を使うと、反省文だぞ」

 教室にいる生徒の誰かが、口々に言った。


 誰かが、こっちに来る。

『まずい!』

 左手で光を押さえつけると、簡単に魔法が消えた。

 やって来たのは、担任の教師だった。

「なんだ? また、レキスの周りに集まって……教室の中で魔法や魔法術を発動してないだろうな!」

「もし見つけたら。反省文、書かせるからな!」

 教諭が来たと言うことは、昼休み後の4時限目がそろそろ始まるはずだ。

 授業が1回、終わると5分間程度の休憩後。

 次の授業が、始まる。

 家に帰れるのは、6時限目の授業後。

 帰りの挨拶と明日の日程を説明してからだ。

 だから、ざっと数10分かかるから帰れる時間はいつも、5時過ぎだ。


 今日の学校での勉強が、終わった。

 家に帰ったら、修行をしなければ。

 格闘技に護身術や剣術。

 魔法、魔法術の練習。

 家に帰ったらいつも忙しい。

 俺は、家まで走って帰るのだった。

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