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第1話 貸金庫強盗

 今、俺は目の前で銀行に強盗を働いている。

 3人組の外国人らしき男達の行動を見ていた。

「知総銀行西北支店にお越し頂き誠にありがとう御座います。本日は、2036年1月31日。現在の時刻は、午前12時00分」

 銀行のスピーカーから合成音声が、流れてきた。

 三人の中で一番身体がでかく。髪は茶褐色で短髪の男は、自分の腕時計を一瞥(いちべつ)する。

「B、客と行員の見張りを頼む」

「了解」

 彼らの話す日本語は、流暢で完璧だった。

『物語は、突然始まる』

 好きな異世界転生小説の主人公が、言った言葉だ。

「貸金庫内での作業を25分以内に。完了しだい撤収する」

 Bが軽く頷く。

 そう言って立ち去ったボスらしき男ともう一人の男が大きいバックを持って後を追いかけて行った。

 目の前に居るのが、他称Bだけになる。

 これからどうするか、考えてみた。

 このままだと多分。特殊()急襲()部隊()は、おろか警察すら来ないかもしれないそれには、理由がある。

 オンライン自動監視警報システムが作動した気配が無いこと。

 昨日俺が勤めている警備会社の社内データベースサーバーにDDoS(ディードス)攻撃をされたこと。

 どこかの小説みたいに進行してるのが、考えすぎなら良いのだが……。

 DDoS攻撃。

 セキュリテーの甘いサーバーの中に、予め仕込んで置いたハンドラー。

 これも仕込みウイルスプログラムみたいなものだ。

 サーバー内に仕込まれたハンドラーを、利用し更に多数の既にサイバー攻撃用のウイルスを仕込んで置いたパソコンを使い。

 一斉に大量のアクセスを行い目標のサーバーやWebなどに攻撃を加えるものだ。

 これをされるとシステム障害、データの破損、アクセス障害等、もしインフラに攻撃されたらどうなることやら。

 警備業務のアルバイトをしているけど。

 この程度の知識では正社員には、なれそうも無いな。

 アキュシステム警備株式会社製、オンライン自動監視警報システム。

 確か、多数の監視カメラで人物照会や人の動きを把握し犯罪等を行っていないか専用のAIが様々なパターンに照らし合わせる。

 もし犯罪行動パターンに適合した場合、警察に直接知らせるような機能を持っていたと思う。

 他に直接銀行員が操作する。

 警報装置も在るがそちらも作動しては居ないようだ。

 そろそろ本題に入ろう。

 もう一度言うが警察は、来ない。

 絶対。

 ここで取れる選択肢。どこにでも居る。

 普通顔、代表の俺がこいつ等を、制圧するただ1つのみ。

 それとも何だ。

 このまま見過ごすのか、そんなことは嫌だね。

 別に正義感ではない。

 ただ、俺の今までに身に着けた格闘技術を試したいだけだ。

 と言っても、ただのオタクだけどな!

 そんな感じで闘志を燃やしていた。

 それに気づいたのか目の前に居るBが、口を開く。

「そこの青年。お前は今、幾つだ」

 取り敢えず、後ろを振り返って見る。

 見えたのは、頭を抱えてしゃがみ込んでいる。

 銀行の利用客と、女性銀行員だけだった。

 前を向き直し、Bと呼ばれていた男の目を直視する。

「24歳だ」

 その答えを聞いて、こちらに近づいてきた。

「まだ、未成年かと思ったぜ」

 Bが、そう話ながらゆっくり歩き続け。

 (つい)にどちらかが、足を伸ばせば当たる範囲まで。

 俺の近くに、接近して来た。

 視界に、Bの全体像を捉える。

 こいつが右手に保持している、アサルトライフルに目を取られた。

「何だ。この自動小銃の事が気になってたのか、これはな」

 弾倉を外しながら、口を開く。

「玩具じゃないぜ名前はな。ブッシュマスターACR、俺の相棒だ」

 見せられた弾倉には、照明に照らされた本物の銃弾が詰まっていた。

 ACR(初めて聞く銃名だ)に弾倉を取り付け。

 何を思ったのか、俺に対して銃口を向けた。

 危ないだろ。

 そんなことを思いながら握り締めた掌には、汗が浮かんでいた。

 汗が湧いた左手を、体の前に持って行き広げる。

「まあ、それが銀行強盗に遭遇した人間の心理だな」

 お前に言われたくない。

 俺と同じ、服を着ていた。

 国内スポーツブランド。

 似たような。トレーニングTシャツを、着ている。

 お前に、言われたくない!

 ありきたりな、鍛え方なのでアスリートほどの体じゃないが結構、体に自信がある。

 その右胸を撫で下ろし、汗をふき取る。

 深呼吸。

 気持ちの高ぶりは、ミスを誘発するからな。

 もう一度目の前に居る男の全体像を、把握しておくか。

 その為にまず、顔を上げる。

 反撃する暇を与えずに、倒すとするかな。

 右足を前に、少し滑らせる。 

 右手を向けられた銃に対して、左から払うように掴む。

 左手を出そうとしたら行き成り。Bがアサルトライフルを手前に倒し、押し込んで来る。

 不意を突かれた。と感じたときには力を直接、受け止めてしまっていた。

 だが、バランスを崩すことは無かった。

 背中が後ろに少し、反ってしまう。

 この状態で押さえつけられたままだと力を発揮出来ない。

 このままでは、(くみ)されてしまう。

 左足を、後ろに滑らせ。

 バランスを、取り直す。

 攻撃ぐらい出来る距離を取る。

 体勢が、安定したことを確認する。

 右手を握り締める。

 力を抜く。そして当てる瞬間に力を込めた正拳突きを鳩尾に叩き込んだ。

 手応えを感じた後。

 左右に何かを打ち付けるような音の後に、両足の太股が燃える様な痛みを感じ突然。

 脚の力が抜け地面に膝を付けてしまう。

『異世界に転生させてやる』

 突如。

 頭の中に語り掛ける様に枯れた低い声が、響いて来た。

 何か、身体全体を黒い底無し沼に飲まれるような、感覚に襲われる。

「誰だ!」

 こんなことは、初めてだ。

 声に恐怖してしまったのは。

 いつの間にか俺は、歯を鳴らして震えていた。

 さっき迄、戦って居た男は地面にうつ伏せで倒れて気絶しているようだ。

「どうした。何かあったのか?」

 残りの銀行強盗が、居た方から声がする。

 そしてあることに気づく。

 目先、数メートルも無い至近距離で、自分に拳銃を向けられていたことに気づく。

 だがそこには、誰も居ない。

 なにも無い筈の空間に浮いている。

 否、見えない何かが拳銃を構えて居るようだが。

 姿を目で、捉えることが出来無かった。

『中途半端になってしまうが、利益を優先するとしよう』

『魔力を減らすがこいつの人格を先に送ってやる。これは、サービスだ』

 また、頭に響いてくる。

 時を同じく貸金庫の方から2人がやってきた。

「リチャードがやられてやがる」とさっきボスらしき男の後を付いて行った手下らしき奴が言う。

「おい。リチャードの持ってたグロックが浮いてないか?」

 なぜかこの2人だけ、顔を隠している。

 そのボスらしき男が拳銃の浮いた方に、Bと同じ種類の自分で持っていたアサルトライフルを構える。

 今頃になってあることに、気づく。

 喋る事が出来ない。

 自分の体が、一切動かせないことにも気づく。

 手足は、おろか顔や目蓋。どれ1つと動かなかった。

 身体と意識が離されたのではないかと、思う程に体は反応しない。

 訳の解からない奴にこのまま射殺されるのが俺の、運命なのか。

 今までの人生。

 普通だったけど。

 1つだけ、後悔見たいなのがあって来世でも忘れたくないことは。

 不意に目の前で轟音とフラッシュが(またた)く。


 結婚して、普通の人生を送りたい、夢でも良い。


 突如訪れた。

 感じたことのない痛みによって意識が薄れていった。




「我が力を変換し『冷気』発動せよ」

 右側から冷気がやってくる。

『聞きなれた、言語が聞こえた気がする……』

 額に冷たいものを載せられた。

 意識は、今ひとつはっきりしない。

 目蓋(まぶた)を開こうとするが疲れているのか、体に力が入らなかった。

「ただの魔力当たりのようですね、この年齢で魔力当たりの診断を下すのは私も初めてです」と魔法を唱えたらしき人物とは違う声の女性が話す。

「リシャナスさん。診てくださってありがとう」

 右の方で誰かが、立ち上がる。

「レサーナ奥様。クラスさん、失礼します」

 遠くから、扉を閉じる音が耳に届いた。

 

「明日の約束試合どうする?」

「お父さん、レキスの事なら心配ないですよ。明日は数日前より元気になっていますから」

「そうだな。朝食を食べてから約束試合で良いな」

「ええ」

「6時、朝食で大丈夫ですか?」

「頼む」

 不意に眠気に襲われたので眠ることにした。




『異世界へようこそ、本当の俺』

 目の前に居る自分から、話掛けられる。

 俺も話そうとするが、話せなかった。

『ここでは話すことが出来ない。お前に魔力が無いからだ』

『だからお前は、聞くことしかできない』

 なんだそれ。

『話を続ける、精神支配魔法は消費魔力が多いから優先順位の高い話からしていく』

『まずここは異世界だが、普通の異世界じゃないようだ。なぜか日本語が世界的な公用語で精霊大陸では英語が使われているもしかしたらこの世界は転生者の為に創られたのかも……』

 説明から入るところなんか、いつか見た景色。

『一応。この惑星の名前を教えておこう名称は』

『カンフェンシブ惑星。と言う名前らしい』

『今の暦は、精暦1702年だ』

『俺の今住んでいる場所は中央大陸内。アスリック王国ラナカトーサ市フォスターマウント村ライツ区詳しくは自分で調べろ』

『俺が言うのも何だが自分の人生に後悔するな。やりたいことをやれ』

 若しかして、本当に……。

『思ってたより時間が無かったな。最後に1つ、机の一番下の引き出しの中にある本とノートを見ろ』

『魔力は俺。即ち今までに俺が溜めた自分の魔力を使っているから、今から半年ほど魔力が溜まらない状態になっている。力の限度を超えた無茶な魔法術を使うと暫らく魔法術が使えない状態に陥る。これを限界制御というらしい、忘れるなよ』

 この状況を歓迎する。

『あと俺のことは、気にする必要は無い。お前を元にして創られた、ただの精神体だ』

『だから主役はお前なんだよ』

『1番大事なことを忘れていた。俺が生まれて来てから、今まで体験した。4年5ヶ月分の記憶が入っている筈だ。最初は変な感じかもしれないが、慣れることだな』

『お前の名前は。レキス・アスリットだ』

 夢にまで見た異世界生活の始まりだ。

『結婚できるると良いな、じゃあな』

 説明ありがとう。

 目の前から一瞬にして消えた。



 意識がだんだん、はっきりしてくる。

 記憶にある木の天井と布団。

 体に違和感を感じが取り敢えず、床に敷いてある布団を捲り床に立つ。

 そこから見て左側に木で出来た、机が在った。

 立ち上がる。

 体に力を感じない。

 視界も何だか低い。

 取り敢えず机に向かう。

 言われたとうりに引き出しを引く。

 一番最初に本の表紙が、目に入る。

【初級魔法・魔法術教本~魔法術を使うに辺り必要なこと~。

 著者ライモスタ・アスリット】

 本を取り出す。

 その下にノートらしき冊子が現れた。

 パラァッと捲るが、何も書いていない。

 その二冊を地面に置いて三冊目を取り出す。

【剣術・階版~アスリット流とクレアス流の全てと秘奥義】

 何か突っ込みどころ満載の本が出て来やがった!?

 秘奥義って何! 教えちゃって良いのかよ!

 興奮冷め遣らぬ中、四冊目を取り出した。

 最後のは、普通。

 否、面白そうとは思うんだ。

 でも、さっきのが俺にとってど真ん中だった本だからつい……。

【初心者冒険者へ送る心構えと知識。監修、全国冒険者ギルド】

 少し頭を使ったら、お腹が空いてきた。

 俺は、ドアの無い吹き抜けを通り過ぎながら久しぶりに、嗅ぐ味噌の香りがする方に向かいながらこう思うのだった。

 味噌!?

 なぜ異世界に味噌があるのか気になるが、優先順位は低いので深く考えるのは止めた。 

 今度こそやりたかったことをやって、夢も実現させる。今度こそ!

 不意に後ろから男性から挨拶される。

「お早うレキス」

「お、お父さん」

 なんで解かる? これがさっき言っていた記憶のことか、成る程。

 日本人では、あり得ない骨格と顔つき。

 髪の色は、赤に茶系の色が入っいた。

 確か、この色はレンガに近いから。

 煉瓦色だ。

 名前は、クラス・アスリット。

 この世界でもなぜか、前の世界と同じ。

 メートル法が使われているから身長は、約184cmだ。

 胸囲は、驚愕の136cm。

「うん? 今日は、剣術教えてとは言わないのか?」

「へ? え。えっとそうだ! 時間が出来たら剣術を見せてください」

 クラス・アスリット(俺のこの世界での父親)が、俺の顔を凝視する。

「お父さん。僕の顔に何か付いてますか?」

「いや、なんでもない」

 訝しい表情をしてしまった。

「食事! その前に顔でも洗ってきたらどうだ!」

 クラスが足早に台所に向かった。

(何だったんだ?)

 入れ替わったことがばれたとか? 一番子どもの事を知っているのは親だって言うしな、まさか?

 考えすぎか……。

 それ以前に。親子関係が、余りよくないとか?

「(先が思いやられるぜ)」と独り言を呟いた。

 目をしっかりと覚ましたかったので、記憶にある。

 水が、使える場所へと向かった。

 それにしても記憶が、これまでの分。

 全部あるのか確認しようと思ったのだが、確認出来ないかな?

 所々、抜けている気がするのだが……。



 台所に行くと、レサーナ・アスリットが調理していた。

 赤紫色の髪。

 牡丹色(ぼたんいろ)とも言う。

 髪の毛を首の付け根ぐらいまで、伸ばしている。

 年は24歳だ。

 母親と父親の年齢は同じだ。

 俺の記憶が言うには。どちらも剣術階級は、上級らしい。

 剣術階級とは、まず3の流派に分かれ独立した熟練度のことだ。

 1つ目は、アスリット流。

 対人、対モンスターと幅広く使える。

 2つ目は、クレアス流。

 対人特化型だがモンスターにもそこそこ使える。

 最後は、ラナカトーサ流。

 完全対人特化型、だけしか俺には解からない。

 それぞれ階級が超、上、中、下、初級となる。

 それらの階級の試験を行っているのが、冒険者ギルドだ。

 まだまだ、この世界について解からないことだらけだ。

 それは、これから学んでいけば良いことだ。

 さっきの、状況。

 俺が透明な奴に殺されて異世界に転生してしまったのだが、本当は転生させるために射殺されたと考える方が理にかなっていた。

 訳が解からない。

 なぜ俺なのか?

 考えても、解からないし時間の無駄だ。

 取り敢えず今日から、知識を増やして行こう。

 そう思いながら、椅子によじ登りテーブルの全体を目で捉える。

 テーブルの上には、ナスとホウレン草と鶏肉の塩炒め。

 白ご飯、大根が入った味噌汁が3人分並べられていた。

(うまそ~だな!)

 涎が止まらん!

 元1人暮らしの俺にとって。

 1汁と数種類の野菜が、どれ程ありがたいことか。

 あの懐かしき手を合わせる動作を両親がする。

 これは、どっちだ。ただの食べる前の挨拶か、それともお祈り?

 手を合わせて、次の言葉待つ。


「「『いただきます』」」


 食事の前に行う、日本風の挨拶。

 この世界はたぶん。最高の異世界だ!




 美味しかった食事から約3時間後。

 家族全員で外。

 玄関前の敷地に居る。

 砂地の上でクラスとレサーナが、会話をしていた。

「21撃目は、俺が左から右に剣を払う。レサが右に踏み込んで、急所に対する寸止めで終わりだ」

「認識しました」

 二人が同時に正反対に歩き出し、遠ざかった。

 クラスが声を発する。

「片手半剣の点検が終わったら始める!」

「解かっています」



 俺は、玄関口の近くにある椅子に座り。

 戦いが始まるのを待った。

 この異世界おいて剣同士の戦いと言うものが、どの程度なのか。

 俺は、初めて目にすることなる。

 数10m先で二人の男女が対峙していた。

「よろしくたのむ」

「こちらこそ、よろしくおねがいします」

 さっき迄「ザワザワ」と、風に揺らされていた木の枝と葉っぱが擦れる音が不意に、消える。

 静寂、無音。

 先に動いたのは、クラス。

 クラスが一度、地面を蹴る。

 同時に、右腰のベルトにかけた鞘から抜剣(ばっけん)した。

 (およ)そ10m以上あったレサーナとの距離を、一気に詰める。

「私が、最初ですよ」

 共に、攻撃圏内に入った。

 レサーナが素早く抜剣、したと思ったらレサーナの頭の上に振り上げられていた剣が消えた。

 剣がどこにあるか認識出来ない。

 解かったのは、振り下ろされた風圧で砂埃が立った後だった。

 すべての動きが早い。

 そして無駄が一切ない!

 ついに、目で剣の動きが追えなくなった。

 1つ言い忘れていたが、この約束試合で使っている剣。

 ちゃんと、刃が付いている。

(とんでもないな! これ)

 目の前で繰り広げられている剣の打ち合い?

 これは、剣の躱し合いだ。

 そんな事を思っている間に、数10回以上剣が空を切って動く。

 これは、俺が追い求めて来た。

 最強の戦い方だ。


 流れるよう、右に躱したクラスが、剣を左側に刃を傾けた。

 払いのスピードが速すぎて一瞬、剣に残像を(とも)わなせる。

 当たるかと思われた払いは、レサーナの踏み込みで空気を削った、だけで終わる。

 クラスの後ろを取ったレサーナが、自分の剣をクラスの左首筋辺りに静止させた。

「はい、終了」

 レサーナが最後に見せた動き、あれは確か合気道の()()じゃないか?

 瞬発性だけなら、縮地(しゅくち)を凌駕すると思うあの、入り身だ!

「結構本気で、来たんじゃないか?」

(負け惜しみか、クラス。それにしても日本テイストが所々に見られる。変な異世界だ)

 剣を鞘へ収める。

「7割ぐらい。本気だったわ」

 とんでもない武闘派の家庭に生まれてしまったと、喜びと共に恐れも心の中で感じた。

「勘弁してくれよ~、レサ」 

 目を輝かせて、タオルと水筒を二人に手渡す。

「レキス。せっかくだから町まで走りましょう」

「嘘だろ~」とクラス。

「ついでに、好きなもの買って良いわよ」

「やったー」これは、本心の一言だ。

(それにしても体力バカなのかな、お母さんは)

 一ヶ月に一度の掲載です。

 ※架空の警報監視システムを使ってます。

 

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