表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/39

最終話 残響の記憶

長い時間をかけて、私は6人の女性たちと向き合った。笑顔に心を揺さぶられ、触れた瞬間に胸の奥が熱くなる日々。罪悪感に押し潰されそうになりながらも、手放すことのできない感情に身を任せた夜。どの瞬間も、どの関係も、私の中で鮮やかに色を帯びている。


あの人には守られたかった。あの人には刺激と快楽を求めた。あの人にはただ隣にいることの安心感を感じた。誰かを支配し、誰かに支配され、感情の渦に溺れながら、私は自分自身の心のありかを探していたのだろう。喜びと罪悪感、愛情と欲望──すべてが混ざり合い、整理のつかない感覚が私の内側を満たしていた。


しかし、幸福だけではなかった。無防備な笑顔に心が揺さぶられ、甘い夜に溺れた一方で、私は深い傷も抱え込んだ。裏切りの痛み、嫉妬の渦、罪悪感の重さ。誰かを愛することで生まれる喜びと、同時に突きつけられる痛みの記憶。それは簡単には消えず、今も胸の奥でざわつき、時折思い出しては私を揺さぶる。


振り返ると、6人の彼女たちはそれぞれ光と影を持っていた。触れれば触れるほどに深みを感じ、その全てが私を引き込み、抗えない魅力となった。傷つけ、傷つけられ、喜びと痛みを同時に味わう中で、私は自分が何を求め、何を恐れていたのかを少しずつ理解していった。


今、すべての関係は終わりを告げた。連絡も途絶え、夜の街に消えた笑い声はもう聞こえない。それでも、心の奥底に残るのは、温かくも危うい感情の残響と、拭いきれないトラウマだ。戻れない道を選び続けたからこそ見えた景色、手に入れることはできなかったけれど、確かに胸に刻まれた瞬間たち。あの熱、あの痛み、あの欲望──すべてが私の一部となって、これからも消えることはないだろう。


これから先、また新しい恋が訪れるかもしれない。けれど、記憶は、私の中で永遠に色を変えずに残る。欲望に翻弄された夜も、涙に沈んだ朝も、すべてが私を形作る礎だった。傷とトラウマを抱えながらも、私は静かに夜空を見上げ、深く息を吸った。戻れない道を歩いたからこそ見えた景色が、確かにここにある──そう、私は胸の奥で呟いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ