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第2話:第1部 出会いと順風満帆(2人目の彼女・会社での出会い)

会社の休憩室で彼女を初めて見たとき、僕は思わず息を呑んだ。

落ち着いた雰囲気と大人の余裕。笑顔には柔らかさがありながらも、どこか人を惹きつける強さを感じた。


作業の合間に交わす会話はさりげないのに心地よく、いつしか僕は休憩時間が待ち遠しくなっていた。

同僚を通じて会話が増え、自然と飲みに行く機会も増えていく。

彼女は気さくで明るく、気配りもできる人だった。僕は次第に「もっと知りたい」と思うようになっていった。


そんなある日、ふとしたタイミングで彼女は打ち明けてきた。


「……実は、旦那とはうまくいってなくて……」


その言葉を聞いた瞬間、少しだけ安心した自分に気づいた。

もちろん、旦那がいることに変わりはない。

でも、孤独や不満を抱えている彼女が、僕に微笑みかけてくれる――そのことに、少しだけ希望のようなものを感じた。


気づけば僕たちは、お互いの家を行き来するようになっていた。

彼女の部屋にある小さな観葉植物、僕の部屋に置いたままになった彼女のマグカップ。

日常のあちこちに「彼女」が入り込み、気がつけば一緒に寝ることも当たり前になっていた。


最初はソファで並んでテレビを見ていただけなのに、いつの間にかベッドで隣同士に眠る夜が増えていった。

そしてある夜、自然な流れで唇が触れ合った。

付き合っているわけじゃない――けれど、もうただの同僚ではなかった。


そんな曖昧な関係のまま、時間は過ぎていった。

彼女は僕に優しく笑いかけ、僕はその笑顔に胸を熱くしながらも、踏み出す言葉を持たなかった。


転機は、共通の友人たちと集まった夜だった。

酒が進み、場が賑わう中で、誰かが冗談めかして言った。


「お前ら、もう付き合っちゃえよ!」


その場の空気に押されるように、僕は思わず口を開いた。


「……俺と付き合ってくれへん?」


一瞬の沈黙。彼女は少し照れくさそうに視線を逸らし、それから小さく頷いた。


「……うん、いいよ」


こうして僕たちは、曖昧な関係から「恋人」へと踏み出したのだった。


休日には一緒に散歩し、映画を観に行き、友人たちと飲み会で笑い合った。

日常の一つひとつが、どこか特別に感じられた。

彼女がそばにいる――ただそれだけで、僕の世界は少しずつ色づいていった。

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