第3話:第1部 年下彼女と揺れる心(3人目の彼女・婚活での出会い)
前の恋が終わった後、私はしばらく女性に心を開くことができなかった。信じることの怖さ、依存することの不安が、胸の奥で静かに膨らんでいた。しかし、孤独な日々が続くうちに、心の片隅に小さな欲求が芽生えた。「また誰かと笑いたい、話したい」という気持ちだ。
だが、日常には出会いがなかった。会社以外に顔を出す場所はなく、趣味も習い事もしていない。生活は仕事と帰宅の往復だけで、異性との接点はほとんどない。そんな時、ふと婚活パーティーに参加してみることにした。少し気恥ずかしく、半ば半信半疑だったが、どこかで新しい出会いへの期待もあった。
そのパーティーで、京都に住む年下の女性と出会った。明るい笑顔と、少しあどけない雰囲気。だが、話してみると、音楽という共通の趣味で意気投合し、笑いながら話すその姿に、私は自然と引き込まれていた。
「年下だし、軽い恋だろう」と自分に言い聞かせながらも、胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じていた。初めて年下の女性とこんなに心を通わせている自分に、少し驚きもあった。
その日を境に、私たちは何度も遊ぶようになった。街を歩き、カフェで音楽の話に花を咲かせ、彼女の笑顔をただ眺める時間もあった。過去の恋で負った傷はまだ癒えていない。それでも、彼女と過ごすひとときは、少しずつ心の重みを和らげていった。
警戒心と期待、戸惑いと好奇心が交錯する中で、私は初めて「この人ともっと話したい」と思う自分に気づいた。年下の彼女は、私にとって新しい世界の扉をそっと開けてくれたのだった。