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コメディー短編(ファンタジー)

なぜか、俺の回復魔法だけ「ウ○コ色」なのだが…… 2

作者: 多田 笑

一昨日、投稿したものの続編です。

前作はこちら↓

https://ncode.syosetu.com/n6978kh/

(くっ…… やってしまった…… 欲望に負けて、肉や魚を大量に食べてしまった……)


昨日は高難度のクエストに成功したため、かなりの額の賞金が手に入った。だから、パーティーのみんなで祝宴を行った。大量のお酒を飲み大量の肉料理や魚料理を食べた。勿論、野菜も食べたが、それの2倍以上肉を食べた……。


(ど、どうしよう…… このままでは、俺の『ヒール』が『ウ○コ』色だと、バレてしまう……)


俺は、昨夜の暴飲暴食を後悔した。




回復魔法といえば、緑色の光を発するのが一般的だ。しかし、元々、俺の「ヒール」は薄い茶色のような…… くすんだ黄色のような光を発していた。そう、「ウ○コ」のような色をしていたのだ。


ある時、俺は気付いた……。

食べた物によって、俺のヒールの色が影響されることを……。


みんなと同じ緑色のヒールに憧れていた俺は、それから葉物野菜しか食べないようにした。


その努力の甲斐があって、俺のヒールは緑色の光を発するようになった。同時に、俺のウ○コも緑色になったが……。




しかし…… 今日のヒールは、どす黒い邪悪なオーラを放つ「悪魔の色」をしているだろう……。


なぜなら、たった今、便器の中に「悪魔の色」をしたそいつ(・・・)が誕生したからだ。


毎朝の便の色を見れば、その日のヒールの色がわかる。


(き、今日のは……さすがにヤバい…… ヒールがこの色の光を発したら、暗黒魔法だと思われる! 魔王に操られてると思われる! どうしよう…… 今から野菜を食べても効果はないだろう……)


その時


コンコン……


トイレのドアをノックする音が聞こえた。


「おい、早くしろよ! そろそろ、今日のクエストに出発するぞ!」

戦士が声をかけてきた。


「う、うん……ごめん。今、出るよ」

俺がそう答えたとき、便器の中の悪魔が囁いた。


『今日は、体調が悪いって言って、ズル休みしたら良いんじゃない?』


(で、デビル…… さすがはデビル!!)


俺は、便器の中の悪魔……デビルの提案にのることにした。


「ちょっと、お腹の調子が悪いんだ……。今日は、俺抜きでクエストに行ってくれないかな?」

俺は扉の向こうの戦士に、そう言った。


「……お前、ヒーラーなんだから、『キュア』で状態異常を治したら良いだろ?」

戦士が言った。


(た、確かに…… いや、諦めるな! 俺はデビルに魂を売ったんだ……)


「あ、やっぱり…… 頭が痛くて、気持ちも悪いんだった……」

俺が言った。


「だから、それも『キュア』で……」

戦士が言った。


「あ、いやいや、違った…… 虫歯が痛むんだった」

俺が言った。


「……だからぁ!! それも『キュア』で何とかなるだろ!!」

戦士が言った。


(は、八方塞がり…… ヒーラーって、仮病を使えないじゃん……)


俺は、クエストに参加することを覚悟した。しかし、このまま出て行くと、仮病を疑われるので、「キュア」を唱えることにした。


すると、トイレの個室の中に轟音が鳴り響いた。腹をくだしているときの便ような、あの轟音が……。


(え、なんで? 『キュア』の効果音って、『テロリリンッ』みたいな爽やかな音だったのに…… しかも、放った光がどす黒い……)


「お、おい…… 大丈夫か……? 凄い音がしたけど……」

戦士が心配そうに尋ねてきた。


(こ、これは…… もしかしたら、いけるかもしれない!)


「ああ……何とかな。しかし、この腹痛は、やはり『キュア』では治せないようだ……。今日のクエストは休ませてくれ」


「腹痛……? 虫歯じゃなかったっけ?」


(ぎ、ギクッ)


「すまん、すまん…… 痛すぎて混乱していたんだ……。腹痛だ」

俺は苦し紛れに言ったが、戦士は納得してくれたようだ。


「どうすれば治るんだ? 神父様を呼んで来ようか?」

戦士が尋ねてきた。


(い、いや、それは大事(おおごと)になり過ぎる……)


「だ、大丈夫だ。今日1日寝て、夜に葉物野菜をたくさん食べれば、いつも通りになる」


「そっか…… 昨日は珍しく肉とか魚とか食べていたからな。それで体調がおかしくなったのかもしれないな……。分かった。今日は俺たちだけで、クエストに参加してくるよ。簡単なクエストだから、お前がいなくても、問題ないだろう……」

戦士はそう言うと、トイレから出ていった。


(ふぅ~ 危なかったぁ~ これからは気をつけないと……)





俺は、その日の昼食も夕食も葉物野菜しか食べず、青汁しか飲まなかった。


その結果、パーティーの皆が帰ってくる頃には緑色の光を放つようになっていた。


「すまん。軽くやられてしまった。ヒールを頼む」

戦士が傷を見せながら、言った。


大した傷では無いが放っておけば、化膿してしまうだろう。


俺は「ヒール」を唱えた。

「ヒール」は緑色の光を放ったが、その効果音はトイレの時と同じ轟音だった。


固まるパーティーメンバー達……

俺がウ○コを漏らしたような雰囲気になっている……

みんなは何も言わず、各自の部屋に戻って行った。



翌日


俺はパーティーから追放された……

「ウ○コヒーラー」という不名誉な称号とともに……

下品で申し訳ない……。

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― 新着の感想 ―
みんな大好きうんこネタ!(笑) 爽快に笑わせて頂きました!! 仮病使えないヒーラー、かわいそうでかわいい。
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