仲直りのパウンドケーキ
前回好きな人への態度を理恵に指摘された咲陽。
翔とは仲直りできるのでしょうか!?
「よしっ準備おーけー!」
翔と仲直りするため、翔の大好物「パウンドケーキ」を焼いて持っていくことにした。
突撃して謝って驚かれても困るので、翔の家に行く口実が欲しかったのだ。
(作りすぎちゃって、とか言えばいけるかな)
事前に理恵にも味見をしてもらい、OKをもらっている。我ながら自信作だ。
服も、持っているもののなかで1番可愛いのを選んだ。髪を結びながら、翔に告白されているシーンを妄想する。
(きゃー!恥ずかしい…こんなの、誰にも言えないよぅ…)
理恵だったら「すっかり乙女だね」とか言うのかなーからかわれそう…
と色々なことが頭をめぐり、だんだん緊張してくる。
玄関を出て翔の家に着くまで、ドキドキしすぎて心音が誰か他の人に聞こえるのではと心配しながら歩いていたくらいだ。
ぴんぽーん
震える手が、翔の家のインターホンを押す。
「はーい」
元気な翔の声が聞こえ、数秒後に扉が開く。
「おっ!さよじゃーん、どしたの?」
いつも通りの声だった。前のことを怒っていると思っていたのに。
そんな翔の態度に驚きつつ、メインのパウンドケーキを渡す。
「あ、あのさ、これ、作りすぎちゃって」
「あー!これかあ!これだったのか!」
といってにやにやしながらケーキを受け取る。
予想外の反応だった。
(え?「これだったのか」って何?何かと勘違いしてる?)
しかし翔は笑いながら、
「嘘つき」
と言ってきた。
(え、まだ怒ってるんだ、、油断するんじゃなかった。謝らないと…)
一気に不安が押し寄せ、自分でも血の気が引いていくのがわかる。
青白いであろう自分の顔を翔に向けると
「本当は俺のためにわざわざ作ってくれたんだろ?作りすぎちゃって、なんて言うなよ〜」
だって。どういうことかわからず、動揺する私を宥めるように翔は言った。
「理恵がさ、教えてくれたんだよ。」
え…理恵!?!?!?!?あいつ裏切り者だったのか…!
どうしよう、好きバレしたかも…と考えていると、
「でも、ありがとう」
温かい声が耳に響いた。優しい翔の声。ずっと変わってないなあと思わず泣きそうになってしまう。
「うん」
泣きそうな顔を無理矢理笑顔にして頷いた。
ふと、パウンドケーキに目をやると、翔が大事そうに抱えて、何かを言いたそうにしている。
何を言い出すかと思ったら、
「それと…今日の服と髪、かわいい」
という、まるでお世辞で塗り固められたような発言があった。
「ふぇ」
思わず変な声を出してしまった。先程まで青白買った顔が、熱を帯びていく。
(もう…翔。こんなドキドキさせられたら謝れないよ…しかもお世辞かもしれないのに、すごくときめいちゃって…もっと好きになっちゃう!!)
私の恋は、まだ始まったばかりのはずなのに…
中3になるまであと1週間。私たちにはどんな未来が待ち受けているのだろう。
ご覧いただきありがとうございました!
無事、仲直りできたみたいで良かったですね!次回、中3に進級した咲陽たちが見られる(?)と思います!
お楽しみに〜




