初恋サヨナラの危険…!?
次の日、咲陽たちは新入生の準備で学校に行くことになっていました。帰宅後、夜のメールのやり取りで理恵に「好きな人は誰か」としつこく聞かれ、寝不足だった咲陽。さらにはやり取りに疲労し、「好き」と自覚した気まずさもあってか翔からの「明日一緒に行こう」という連絡も無視して寝てしまいました。
自分の行動に後悔しながら家を出てとぼとぼ歩いていると、
「さーよー!」
私のことを呼ぶ声が聞こえた。サッと振り返ると、
「えっ翔…」
びっくりした。顔が赤くなってしまった。体が熱くなるのがわかる。
「俺と行こうよ!」
(やばい!これ以上一緒にいたら気持ちがバレちゃう…)
そんなふうに考えた私は、この場から離れようと咄嗟に
「い…いい!大丈夫!私、急いで行きたいから、、走っていくね!じゃあ、」
といって、走り出した。
同時に、後悔と悲しさで涙が溢れた。
(ごめんなさい、翔。絶対嫌われちゃった、、どうしよう、どうしよう、ごめんなさい。)
泣きながら走るのはなかなか体力が奪われたため、300mほど走ったところで立ち止まり、わああああと声を出しながら泣いてしまった。
(翔も追いかけてきてくれないや…そりゃそうだよね、、学校行くの、つらくなっちゃったな)
そう言って、スマホを取り出すと、大量の連絡がきていた。
「さよ、大丈夫?なんか変だった」「さよ、なんか俺わるいことした?ごめん」
翔は謝ってくれたが、翔が悪いことをしたのなら、「本当にごめんね」とか「ごめんなさい」とかもう少し丁寧に謝ってくれる。翔は怒っているのだ。
(違うんだよ、私が悪いんだよ、翔。ごめんね。もう…嫌われちゃったかな……)
「さよなら、私の初恋…」
ぽろぽろ涙をこぼしていたら、やがて雨が降ってきた。
ご覧いただきありがとうございました!
繊細で思いやりにあふれた咲陽。翔の気持ちを考えすぎたために自分を傷つけてしまいました。
このまま咲陽の初恋はサヨナラするのでしょうか。