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 異世界に転生しどうしようか困っていた俺。

 ひとまず魔法で空を飛び街を探すことにしたのだが、その先で道で立ち往生している馬車を見つけた。


 そしてよく見てみれば何やら殺し合い中のようだ。


 流石に無視しようとした俺だったが、街の場所を訪ねたいと思い、接触することにしたのだった。



「やばいな、結構ど真ん中に降りちゃったかも」


 あまり後先考えずに行動したので、戦の中心地に降りてしまったようだった。

 周囲を見てみれば、鎧側の人間も革鎧側の人間も、戦いをやめ俺の方に注目している。

 まぁといっても数人ずつくらいしか残っていないようだったが。


「Hgc※&l@@!!」


「cv@glGG!?」


 そして口々に何かを叫んでいた。

 やばい、マジで何言ってるのかわかんない。異世界語なのかな? すごい不思議な響きだ。

 これどうにかならないだろうか。


 俺はそう思い翻訳魔法的なのを思い浮かべてみた。

 相手が日本語を喋っているように聞こえる魔法をだ。


「な、何もんだテメェ!!」


 あ、聞こえた。汚い革鎧を着た男が怒鳴ってきている。

 何者か、まぁ答えるまでもないけどね。俺はただの一般人だ。


「なんですかその台詞? 噛ませ犬感がすごいですけど……」


「しねよッ!」


 そしてなぜかは知らないが、その男が俺に向かって剣を振りかぶってきた。

 え!? いきなり攻撃? せっかちがすぎるんじゃないかな。でも現在進行形で死と隣合わせの戦闘を繰り広げてるわけで、アドレナリンがでまくっちゃってるのかな。多少攻撃的になるのも仕方ないのかもしれない。


 相手は俺に接近してきたが、俺を瞬殺するほどの速度はなかった。

 俺は完全になれて手際で目の前に光の槍を生成、男に向かって水平に飛ばす。

 槍は男の口を突き抜け、奥へと抜けていった。


「ぐが」


 それだけ言葉を発し、仰向けに倒れていった。

 いいところを貫いたのか、ほぼ即死だったようだ。


「な、なに者!?」


「化け物……」


 そんな俺を見て、色々リアクションしている。

 革鎧サイドも、鎧サイドも驚いている感じだった。


 少し間ができたので、人間の数を数えてみる。

 見える限りでは、鎧サイドが三人、革鎧サイドが四人ほど残ってるのかな?


「て、てったい!」


 そうこうしてる内に革鎧サイドの人間たちが後ずさりしながら引いていき、次の瞬間バッと後ろを振り返り逃げていった。


 俺の中に眠る熊の習性が働き、つい追いかけてしまいそうになってしまったが、もういいかと思い自重しておいた。

 俺は何も殺戮を楽しみに来たわけではない、それ以外の目的があったはずだ。



「あ、あなたは……」



 俺を警戒しながら、鎧サイドの生き残りたちが話しかけてくる。

 実際話しかけてきたのは、ブロンドの髪が似合う青少年だ。

 ごっつい体つきなのは、鎧を着込んでいるからだろうか。


「ああ、たまたま通りかかっただけの者です」


 俺はしれっと答えた。

 まぁ本当にその通りなので、しれっとする意味もないのかもしれないが。しれっとってなんだ?


「えっと……」


「いえ、何やら悪者に襲われているご様子でしたので、少しでも力添えできればと思いましてね。ご迷惑でしたか?」


 青少年に対抗して、イケメン風に答えてみた。

 因みに俺は全然イケメンではない。もしイケメンだとしたら、こんな落ちぶれたような日常は送っていなかっただろう。イケメンは得てして何かしら上手くいくものだからだ。ああ、まぁでももうここは異世界だから地球の頃の日常なんては関係ないのか。新たな日常がスタートしてるんだもんな。過去にとらわれるのはもうやめよう。


「い、いえ、滅相もござません! そ、そうですか我々に助太刀を……本当に助かりました」


 どこか安堵した表情で男は言った。

 多少警戒も解けたのかもしれない。それはとてもいいことだ。


「それよりも何をされていたんです?」


 俺は流れで尋ねてみる。


「ああ、実は我々はとある任務で移動していたのですが……それよりも仲間の介護を優先したいのですが……よろしいですか?」


 申し訳無さそうな顔で尋ねてくる。


「いいですよ。ただし一分以内でな」


「え? あ、はい、ありがとうございます」


 首をかしげながら、仲間の元に駆け寄っていった。



 その後、倒れていた者の中にはどうやら生き残りがいたということで、傷の手当を受けていた。

 生き残りは二人だった。

 両者ともかなり辛そうな表情をしていて、片方は手を切断させれているようだ。

 そうしてもう一人に至っては横たわったまま起き上がれそうにない。

 おいおい、ほぼ死にかけじゃんか。なんだったら俺がトドメをさしてやろうか? その方が安らかにいけると思うんだけどな。でもそんなことを提案したら怒られそうというのは分かるから、絶対に言わないけどな。


「アレモグ! しっかりしろ!」


「…………」


 倒れている男はうめき声を上げることすらしんどそうだった。

 もう、何やってんだよ。ああ、なんかもう看病してる男たちも泣いちゃってるし、もうお別れって感じの雰囲気だな。でもさ、もしかしてこれって俺の魔法で治せたりしないのかな? もしできたとしたらやった方がいいよな。でもなんで? 俺にそんなことをする義理があるのか? 見ず知らずに他人が倒れていて、それを助けなければならないという決まりなんてどこにもないはずだ。でも流石にそんなことを言ってても仕方ないか、ほれ。


 俺が魔法を使うと、寝込んでいた男が僅かに発光した。

 体中の傷がどんどんなくなっていくのが分かった。



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