表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/28

 俺は宙を浮いていた。

 足は大地を離れ、完全に空中にとどまっている。

 おお、すごい。ただ念じただけなのにこれとは……やばいな、魔法ってこんなに簡単に使えるんだ。人は空を飛べないから自由になれないなどとといった寒いフレーズをよく聞いていたものだが、人間は飛べたんだ。ただし魔法付きで!


「これはもう行くしかないだろ」


 俺はそのまま旅をすることにした。

 まぁ旅とはいっても近くをちょっと散策してやるくらいの気持ちではあるが。

 俺は体を制御し、己の高度を上げていく。

 すごい、よくよく見てみれば少しだけ体が光ってるのか? なんか謎の力が体全体を覆っている感じ……なんとなくこの力を操れば自由に空中を移動できると思える。

 早くも魔法を使いこなしつつあるのかもしれない。


「おお、いい見晴らし」


 高度百メートルくらいになると、眼下が一望できた。

 草原のそばには森が広がっていて、遠くの方には山がある。

 そして俺からほど近いところに一本の道が通っていた。


「うーむ、適当にこの道でも進んでいけばいいのか、いいんだよな」


 道っていうのだからどこかには続いているのだろう。

 まさか誰か超暇な人が何の目的もなく時間を費やし作ったというわけでもあるまい。まぁ道とはいっても、草原がめくれて土が露出している程度の簡素なものなので、デブが転がればワンチャンあるのかもしれないが。


「まぁとりあえず辿るのは決定だな。でも右か左か」


 結局俺は右の道をいくことにした。

 理由は俺が右利きだからだ。

 あえて左にいってだめだった時に、なんで逆をいったんだと後悔しそうな気がした。あらかじめ右にいっておけば、まぁ右利きだからしょうがないよねとなれる。はず!



「ういいいいいいいいん」



 俺は体を横にし、手を前に突き出すというヒーロースタイルで飛ぶことにした。

 これにマントがあれば完璧なんだろうけどな。

 街かどこかについたらいずれ購入してみるのもありかもな。


 そんなこんなで道をなぞるように、上空を十五分ほど飛んだ時だった。


「うん?」


 ふと、道に何か障害物がある気がした。

 いや、まぁ俺は空を飛んでるわけだから障害にはなりえないのだが、道を塞ぐようにして何か物体が置かれていたのだ。


 よく見てみれば、それは物体ではなく馬車だった。

 そしてその周囲に人がうじゃうじゃ湧いているのも分かる。


「ああ、人はっけん!」


 異世界待望の初人間!

 嬉しくなり思わず叫んでしまうが、どうも様子がおかしい。

 地上まで距離があるので俺の視力ではあまり細かくは見えないが、立って何かしている者と、地面に伏してじっとしている者とに分かれているのがわかる。うーん、何してんだ、これじゃよくわからないな。


「うーんと、こういう魔法はどうだ_」


 もう少し細かく知りたかったので、レンズでズーム的な魔法を使って、視点を寄せて観察することにした。魔法はあっさり成功し、現場をよく見ることができた。


「あれ、戦ってるのか」


 早速確認してみると、鎧を着た男たちと、革鎧のような統一性のない服装を着た男たちがいるのが分かった。それぞれが剣のような武器を持って争っているようだ。


「えー、なんかいきなり物騒? この世界大丈夫なのか?」


 よくよく思い出してみると、神様も異世界は過酷どうのこうの言っていたような気もする。

 まぁどんな世界であれ生きていくしかないわけだけど……


 でもまさか最初に見る人達がまさか殺し合いをしているとは、こりゃびっくり。

 なるほど、倒れているのは死体だってわけか。いや、断言はできないが少なからず重症は負ってるっぽいよな。


「どうしようかな。鎧の方を助けてみたりしてみようかな」


 正直俺には預かり知らない戦闘だ。

 このまま高みの見物を決め込んでもいい。

 俺には街を探すという目標があるからだ。


 だが待てよと続けて考える。

 街を探すというのなら、この人達に聞いてみたほうが早いのではないかと。

 そうすればより確実に街の場所がわかり、よりスムーズに目標を達成できるのではないか。

 よし、いい作戦だ、それでいこう。



 そうと決めた俺は急降下で革鎧の男の元に突っ込んでいった。

 なんとなく鎧を着ている側のほうがいい人そうだし、革鎧の方がたぶん悪い奴らだろう。これでもし善悪が逆だったとしてもそれは俺は悪くないよな、紛らわしい服装をしているのが悪い。


 俺は手に槍を生成し、男の真上まできたところでその槍を放った。

 適当に想像したので、特に原型もないシンプルな光の槍になっている。

 まぁ形になっているだけいいよな、ていうかまたもや魔法発動成功だ、意外となんでもできたりする?


 俺が放った槍は、完全に不意打ち気味に男の頭部にヒットし、そのままの勢いで銅を貫き、地面に突き刺さった。焼き鳥かと勘違いしてしまった。


「&%■U※!?」


 その場にいた誰かが何かの言葉を発した。

 急な事態に驚いているのか。

 まぁ当たり前だよな、ていうかこれ異世界語ってことぉ? え、まさか勉強しないといけなかったり……?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ