雨降るなかでの楽しいひと時
初めまして、アラルと言います。処女作ですのでつたないと思いますが、もしよろしければお付き合いくださいませ。
「朝晴れてたのにメッチャ降ってきたな。今の俺なら雨をよけながら帰れる気がする。」
憂鬱な気分になりかけていたところ、祐樹のバカな発言で過去の記憶を振り切る。祐樹のあっけらかんとした言葉は、変に落ち込まずに済むからありがたい。これは感謝を伝えなければいけなかろう。
「祐樹を見ていると悩んでいることがバカバカしく思えてくるよ。ありがとう。」
「それ、ディスよね?ディスってるよね?」
「そんなことないよ。祐樹って悩んだことがなさそうだなんて。そんなこと思ってるだけで言わないよ。」
「慎太が冷たい・・・」
こいつは伊藤祐樹といって高校1年のころから同じクラスでよくつるんでいる。祐樹は本当にいい奴で、どんな時も変わらず周りを明るくしてくれる。
「やっほー、どしたの?祐樹、かすんでるよ」
「おお、吉田・・・・わかるか。慎太が冷たいんだ」
「それは祐樹が悪いね」
「なぜに!」
吉田詩織さん。祐樹と同中だったみたいで、よく祐樹をからかいにくる。かわいい顔立ちで男子からの人気も高く、女子からも親しまれている。俺と祐樹がよく一緒にいるというのもあって顔なじみだ。明るく気さくで勉強できてしかも美少女。まあ人気がでるのもわかるというものだ。
「お疲れ、吉田さん。今日も祐樹へ教育的指導をほどこしに?」
「出来の悪い子を持つと大変なのよ。慎太君」
「そうでしょうとも。吉田さんの愛の深さに感服です。」
「・・・いや、愛とかはない。」
マジトーンで返されてしまった。祐樹が胸の心臓あたりを抑えて「ぐっ」とか言ってる。祐樹、吉田さんの事たぶん好きだもんな。哀れなり。
いやでも、仲のよい二人だし、互いにパートナーもいないのだから付き合ってもよさそうなものだ。
俺自身は、恋愛に対してメリデメ考えると、明らかにデメリットのほうが多いよね!と思っている。
付き合ってもすぐ別れる人ばかりだし、ひどい時には浮気がどうだとか、気を持たせて相手を惚れさせて振るなんて奴までいる。そして今までの関係が壊れていく。恋愛をする意味ってあるのかね?いやほんとに。
あんな辛い想いをするくらいなら最初っからやめておけばいいのに、、、とは思う。
ただ、あくまでこれは自分の考えで、頑張る友人を否定するつもりはない。頑張れ、祐樹。
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授業が終わり今日は部活の日だ。
俺と祐樹は軽音楽部に入っている。軽音楽部と言いながらエレキギターやアコースティックギター、ベース、ドラムは当然としてジャンベやらボンゴといった普通の人が知らない民族打楽器や、トランペットやらトロンボーンなどなんでもござれで、部室はカオス状態だ。
そのカオスな部室の扉を開けると2年で美少女と言えばみたいな会話ででる吉田さんともう一人の存在、宮田涼音さんが・・・・・・着替えていた。
「・・・ふむ」
「・・・ほう」
「むぎゃー!!!」
事案である。うちの部室は体育館の隣にあって、体操着や制服に着替えるには位置的に便利なため部員によく使われる。基本、暗黙の了解で女子優先となっており、女子が着替える際は、男子は部室前の廊下に出される。もちろん鍵を閉めるため、このような事態には通常ならない。
正直に申しますと、いち男子学生としては宝物のような思い出をありがとうと言わざるを得ない。いかに女性諸君が最低と言おうが、やむを得まい。
美少女の着替えを不慮の事故で見る。夢のワンシーンである。
さて、心の中はさておき、表面上紳士を気取る俺と祐樹はそのまま廊下にUターンをし待機。
ほどなくして部室の扉が再度あき、体操着から制服姿に着替えた宮田さんから入室の許可を賜る。
「こちらの不手際だから、怒らないけれど記憶から抹消して」
無理難題である。正直に申しますと、いち男子学生としては・・・以下略
「それは無理です。」
「右に同じく。」
「頭をベースで殴ったら忘れられるかしら?」
「「善処します!!!」」
いけない。突然やってきた非日常に口の制御がおろそかになってしまった。紳士の心よ、戻りたまへ。
「宮田先輩、おつですー!佐藤先輩と伊藤先輩の頭をベースで殴るんですか?手伝いますよ!」
廊下を走ってやってきて開口一番に先輩に対する敬意を感じられない事を発するこやつは、三坂立夏。1年生で元気が服を着て歩いているような奴だ。
「りっちゃん、相手先輩、先輩だから。考えてからはなそ?いやマジで」
その後ろからついてきたのはちょっと身長低めの鈴木学。中学まで野球部だったみたいで上下関係を結構気にする。別にいいんだけれどもな。ちなみに三坂とは恋人同士というやつである。先週から付き合い始めたのだとか。
ゆっくりとではありますが、完結に向けて投稿してまいります。