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暑さと紳士力は比例する / 対バンに向けて

「暑い・・・・」


何という日差しだ。我らの高校は、都心からもほど近く、駅近のなんと徒歩10分!交通の便もよく、公園だって近くにある好立地!!さらにさらには、何と周りには太陽を遮る建物はなく、日当たりのいい東向き!お客さん!最高の物件ですよ!洗濯物も乾き放題!俺も乾き放題!!!


窓際、後ろから2番目という、本来なかなかのポジションのはずなのだけど・・・・くそう、こんな罠があったとは。梅雨明け前後でこうも変わるとは・・・不覚なり!


「干上がってんね。カーテン閉めればいいのに」

「ほう。よく言ったものだな祐樹。じゃあ聞くが、暑いのと校庭で戯れる(※一生懸命、体育の授業を受けている。)体操着姿の女子を見れないのと、どちらを選ぶんだい?」

「すまなかった!俺っちが間違っていた!!!!くそう、俺ってやつは!!!」


これが紳士力!


「ま、それはそうとして良かったじゃん。幼馴染の子と仲直りできて」


昨日の昼に祐樹と話してから、タイムリーに放課後、柚葉と話せた。祐樹がいなければ、あの話し合いで気持ち折れてたかもしれないから、なんつうか感謝のメッセージを昨晩送っておいた。ちなみに祐樹は


<え、超ファインプレーじゃん!いや、俺っち的には慎太が向き合って、ちゃんと自分の中で納得できる答え見つけられたら上々くらいに思ってたんだけど。頑張ったじゃん!>


と、俺の健闘を讃えてくれた。こいつメッチャ中身イケメンだよな。外見は・・・触れないでくれ!俺も祐樹も真のイケメン見ると目がしぱしぱしちゃうタイプだから。


「んでだね、慎太君よ。」

「なんだね?祐樹君?」

「夏なわけよ。」

「夏ですねぇ。」

「夏と言えば!!!」

「薄着」

「女子達の警戒心低下からのパンチラ(※最低)」

「祐樹、お前やるな・・・では俺のとっておき・・スケブラ!!(※最低)」

「なんのまだまだ・・・夏のプール・・・プールと言ったら水着・・・さらにはビキニ!!!(※最高)」


まあなんだ。


「だからあれだろ?プール行きたいって話だろ」

「あれ?急にテンション普通に戻しちゃう?俺だけ変態ワールドに取り残されちゃったよ?」

「まあ適当に声かけてみて行こうか。ま、夏休みのどっかでかな?」


プール行くっつったら小雪もついてきそうだな。祐樹の毒牙から守らねば。


「んだな。で、ちょっとプールに比べると、吹けば飛ぶレベルの情報共有をすると・・・俺ら夜空高校軽音楽部は7月31日に都内の高校とタイアップして、対バンをする事になりました!拍手っ!」

「飛ばねぇな?ちょっと胃に重い感じの料理出てきたじゃん。」


対バン(たいばん)とは、ライブイベントにおいて複数の出演者が入れ替わる形でステージに立ち、共演すること。wiki調べ


「いや、ちょっと待て、あと1ヵ月弱しかなくない?」

「そうなのです。ちょっとした手違いでお伝え漏れしてまして。ちなみに部員には昨日伝えてメンチ切られました。率直に怖かったです。」


ちなみに祐樹は軽音楽部の部長をやっている。面倒見いいから納得の人選だ。まーしゃぁない。普段色々調整とかして世話になってるしな。


「OK!全然大丈夫だろ!あー、メンバー決めないとな」


うちの軽音楽部はイベントごとにメンバー組む。もちろん、固定メンバー決めているやつもいるけど、そういうやつも部活としての公式イベントの時は他のやつと組んだりすることもある。


「そこは抜かりないです。昨日速攻で組みました。ドラム俺、ベース宮田さん、リードギター頑張れ鈴木、キーボード三坂、そしてボーカル&ギター期待の星!慎太君です!」


おまっ!


「いやいや何してくれてんねん!俺がボーカルとかないでしょ!?そこは宮田さんでしょ!ビジュアル的にも、ビジュアル的にも!」

「宮田さんサブボーカルやってくれるから!いや、違うんよ!『あれ?これ予定調和的な?』レベルで慎太ボーカルありきで話進んでたのよ!慎太がいない今がチャンス的な?」


いや、ボーカルが不人気職なわけではないんだけれど、ボーカルが一番注目されるし、そもそも普段はリードギター担当なんすけど。


「ち、女子のあられもない姿想像させてサクッと応諾させる作戦、失敗か。手ごわいじゃねぇか。」

「手ごわいじゃねぇか・・・じゃないわ。」

「いや、そこでいうと悪かったって。俺っちもだけど皆、慎太のボーカル見たかったんだよ。あ、でも気が進まなければちゃんと話そうぜ?」


ボーカルかー、そうだなぁ。まぁ、これもチャレンジか。自分からだと率先してやらないしな。


「いや、ごねといて何だけど、いい機会だと思って引き受けるわ。曲とかはこれから決める感じ?」

「お、助かるわ。そそ、今日放課後にメンバーで決めようぜー」


-----------------


「佐藤先輩っ!!!バンド、よろしくお願いします!」


放課後、部室に入ると開口一番、三坂が声をかけてきた。しかし本当に元気だな。三坂が元気なくなる事あるのかな?


「・・・今、失礼なこと、考えませんでした?」

「三坂が元気なくなることってあるのかな?と世論を代表して考えてた。」

「ありますよ!!!私を何だと思ってるんですか!!」

「はいダウト」


三坂がムッキーとか言いながら鈴木に助けを求めている。ん?鈴木も俺と同じこと考えてたって?すげぇな三坂。彼氏すら三坂の元気ないモード見た事ないのか。


「先輩、お疲れ様です!俺・・・リードギターやる事になって・・・昨日からマジ焦ってます。」

「大丈夫だって!俺も練習付き合うし、本当に難しいそうなところは俺のサブギターと部分的に交換して演奏できるよう調整もできるから。」


あれだな、あんまりエフェクター、ガシガシ弄るやつ選曲しないどこ。お、祐樹と宮田さんもそろったか。


「おつかれー!そろってるな。そいじゃま、色々決めるか。」

「えーっと?決める事は、グループ名、曲、それと・・・どっかスタジオとって事前にリハやったほうがいいよな?ちなみに祐樹、何曲くらいやるん?」

「時間30分だから4曲から5曲かな。事前リハはやったほうがいいな。」


気心の知れた仲間という事もあって、スムーズに話が進んでいく。


「あとはグループ名か、これはあれだな。すぐ決まらなそうだから各自考えてくるか。」

「それと各種手配だな。楽譜とスタジオ予約・・・スタジオは小さめでいいから早めにとっておいたほうがいいかも。いつもんとこ、夏休み入ると埋まりがちだから。」


ええっと、どうすっかな。適当に割り振るか。


「佐藤先輩!自分スタジオ、予約しておくっす!」

「じゃあ立夏も学と一緒にスタジオ予約するー!」

「いや?りっかちゃん。予約は一人で出来るよ?むしろ二人では出来ないよ?」


うん。バカップルがいる。


「おっけ。祐樹は他校との調整やってくれてるから、楽譜は俺が買ってくるわ」

「・・・あ、あの!佐藤君、私も行こうかな?ピックとか買い足したくて」

「おっけ、じゃあ行こうか!楽譜ないと練習進まないから今から行こうと思ってるけど、大丈夫か?」

「ええ!大丈夫よ。ちょっと待ってね、用意してくるから」


ん?用意?鞄を持つ以外に・・・あ、トイレか?いかんいかん、踏み込むところだった。セクハラで訴えられるところだ。あぶねぇあぶねぇ。もう、随所に罠が張り巡らされてるんだから。

ここまでお読みいただいてありがとうございます!

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