表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
回復魔法使いアオイの転生記 ~お姉さん剣士を未来の勇者に育成しよう!~  作者: 月ノ宮マクラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/35

004・アオイ

「癒しの光」


 ピカッ ピカッ


 倒れていた斧と弓矢の冒険者2人にも、僕は『回復魔法』をかけてあげた。


 2人はすぐに動き出す。


「う……?」

「あれ……俺たちは?」


 頭を振りながら、呆然と体を起こした2人に、アーディスカと名乗った女冒険者は、赤毛の髪をなびかせて抱きつく。


「よかった、ジャン、リジット!」


 そう安心したように吐息をこぼした。


(ふむ?)


 戦闘中で考えていなったけれど、どうやら僕は『異世界言語』がわかるみたいだ。


 まぁ、この子供の身体は異世界の生まれみたいだし、あの幼女神様が気を利かせてくれたのかもしれない。見た目に反して、いい神様じゃないか。


 そんなことを考えていると、


「ありがとな、坊や」


 アーディスカがそう声をかけてきた。


 僕は「ううん」と答える。


 だって、2人を治したのは、僕自身のため。


 自分の安全のために、僕を守ってくれる人数を増やしたかっただけだからね。


(この森は危険みたいだから)


 視線の先には、倒れた角の生えた狼の死体がある。


 気づいたアーディスカは、


「ライトニング・ウルフだ」


 と、名前を教えてくれた。


「本来なら、もっと森の深層部にいるCランクの魔物なんだ。こんな浅層の森に出てくるのは、珍しいんだがな」


 ふ~ん?


 彼女の後ろのジャンとリジットも、


「最近、この森、魔物が多くなったよな?」

「本当……なんでだろうな?」


 そう首をかしげている。


「何にしても、坊やのおかげで助かった」


 アーディスカは笑う。


 なんだか、魅力的な笑顔をする人だなと思えた。


 キョロキョロ


 そんな彼女は周囲を見回し、それから、改めて僕を見て、


「坊やは、ここに1人なのか?」


 と聞かれた。


 僕は「うん」と答えた。


「親は?」

「いないよ」

「いない?」

「うん。というか、生まれてこの方、一度も会ったことないから」

「…………」


 アーディスカは黙り込んでしまった。


(嘘は言ってないぞ)


 彼女は少し考え、


「坊やは、なぜこの森に?」

「迷子」

「迷子?」

「うん。自分のいる場所がわからなくて、ウロウロしてたら、3人を見つけた」

「……そうか」


 彼女は、少し困惑しているようだ。


 こういう時、子供だと便利だな……と思う。


 曖昧なことを言っても、それは子供だからと思ってもらえるし、勝手な解釈もしてもらえる。だから、深く追及もされない。


 アーディスカは迷うように口を開く。


「坊やは、回復魔法が使えるんだな。それは誰に教わった?」


 僕は答えた。


「神様にもらった」

「…………」

「…………」

「…………」


 アーディスカはまた困った顔をして、ジャンとリジットは顔を見合わせている。


「……まぁいい」


 彼女は息を吐く。


「助けてもらった事実に変わりはないんだ。それより、森で子供を1人にしておくわけにもいかない。どうだろう、私たちと一緒にレイモンドの町へと行かないか?」

「うん、行く」


 僕は即答した。


(渡りに船だね)


 アーディスカも「そうか」と安心したように微笑んだ。


 ジャンとリジットも、反対する気はなさそうだ。


 と、


「そういえば、坊やの名前は?」


 と聞かれた。


(あ)


 そういえば、まだ名前がなかったね。


 転生した以上、もう前世の名前なんて使う気もない。


(どうしようかな?)


 僕は、なんとなく頭上の空を見上げる。


「アオイ」


 その色を見て、そう答えた。


 アーディスカは頷き、笑った。


「アオイか、いい名前だ。それでは行こうか、アオイ」

「うん」


 僕も頷き、歩きだした赤毛の冒険者の背中を追いかける。


 他の2人の冒険者もあとに続いた。


 アオイ。


 その名前を、心の中で繰り返す。


 名前がついたことで、僕は、ようやく転生した自分の新しい人生を歩みだした気がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちら、作者の書籍化作品です。

書籍1巻
i000000

書籍2巻
i000000

もしよかったら、こちらも、どうかよろしくお願いしますね♪

『小説家になろう 勝手にランキング』に参加しています。もしよかったら、クリックして下さいね。
『小説家になろう 勝手にランキング』
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ