表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
回復魔法使いアオイの転生記 ~お姉さん剣士を未来の勇者に育成しよう!~  作者: 月ノ宮マクラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/35

022・Bランク魔物

「なかなか順調だね」


 今日も『討伐クエスト』を終えて、冒険者ギルドへと帰ってきた僕は、満足そうに呟いた。


 ニアが加入してから1ヶ月。


 クエスト達成のペースは、今まで以上に跳ね上がっている。


(ニアのおかげだ)


 彼女は、Dランクの魔物レッドテイルですら、無傷で倒せるほどの強さだった。


 おかげで『討伐クエスト』で苦戦することもない。


 その強さには、アーディスカも触発されて、これまで以上にがんばって、どんどんと強くなっているみたいだった。


(ふふっ、いい傾向だね)


 このまま良い意味で対抗心を燃やして、もっともっと成長していって欲しいな。


 そして、世界を救ってもらいたい。


(うんうん)


 その未来を思って、僕は1人頷いた。


「さぁ、アオイ、ニア、食事にしよう」

「あ、うん」

「はい、なのです」


 アーディスカに声をかけられ、僕ら3人は食堂へと向かった。


 よし、明日もがんばるぞ~!



 ◇◇◇◇◇◇◇



 翌日、『深青の森』でのクエスト中、体長5メートルはある巨大カマキリに遭遇した。


 キラーマンティス。


 確か、Bランクの魔物だ。


 本来、この森の浅層部に現れるようなランクの魔物じゃない。


(これも『迷宮』の影響か)


 驚く僕ら3人に、キラーマンティスは容赦なく襲いかかってきた。


『キシャアア!』


「くっ!?」

「速い、なのです!」


 ガギィン ガヒュン


 振り下ろされた鎌に、アーディスカの盾が激しい火花を散らし、ニアは間一髪で後方へと避けた。


(あれは強いぞ……っ)


 素人目でも、それがわかる。 


 巨大なキラーマンティスに、アーディスカとニアは2人がかりで挑みかかっていく。


 けど、それでも押されている。


 さすが、Bランクの魔物。


 その時、キラーマンティスの鎌がパァッと光り輝いて、それが鋭く振り下ろされた。


「アオイ!」


 アーディスカの警告。


(!?)


 反射的に『金属の円形盾』を持ち上げたのは、偶然だった。


 ガギィイン


 凄まじい衝撃。


 気がついたら、僕の身体は、大きく弾き飛ばされていた。


(真空波か!)


 空中でそれを悟り、地面へと落ちる。


 ゴロゴロ


 数メートル転がって、ようやく止まった。 


(なんて奴だっ)


 そう思いながら立ち上がろうとして、自分の右足の膝から下がなくなっていることに気づいた。


 え?


「アオイ!?」

「アオイ様!?」


 アーディスカとニアの悲鳴のような声が聞こえる。


 うぐぐ……。


 やってしまったか。


 痛みを堪えながら、僕は、小さな両手を血を流している自分の足に向ける。


「癒しの光」


 ピカッ


 放たれた回復光の中で、失われた足が再生する。


(ふうっ)


 それを確認して、


「こっちは大丈夫! ちゃんと支援するから、アーデとニアは、キラーマンティスに集中して!」


 そう指示を出した。


 2人は頷いて、


「よくもアオイを!」

「もう許さない、なのです!」


 怒りの表情で、キラーマンティスへと襲いかかっていく。


(お?)


 2人の戦い方が変化した。


 さっきまでは個別に挑みかかっていたのに、今は、連携しながら攻撃を仕掛けている。


 なかなか良い感じだ。


『キシャアア!』


 それでもキラーマンティスは手強くて、2人には合計30回以上、僕自身にも7回も『回復魔法』を使うことになった。


 …………。


 …………。


 …………。


 ズズゥウン


 やがて、1時間の激闘の果て、僕ら3人はBランクの魔物キラーマンティスを倒した。



 ◇◇◇◇◇◇◇ 



(……やばかったな、今回は)


 冒険者ギルドに帰った僕は、長い吐息をこぼした。


 キラーマンティス。


 Bランクの魔物は、本当に手強かった。


 これほどの魔物とランダムエンカウントしてしまう現状は、今のアーディスカの実力では、かなり危険だと思える。


 いや、それ以前に、


(ぶっちゃけ、僕の方が死にそう……)


 正直、事故のように即死してしまう確率は、かなり高そうだった。


 やはり『迷宮』か。


 根本となるこの原因を取り除かない限り、この問題は解決しないだろう。


 迷宮発見から2ヶ月。


 内部で取れるという貴重な素材を求めて、腕に覚えのある冒険者たちが『迷宮攻略隊』として日々、挑んでいる。


 けれど、いまだ攻略はされていない。


(やはり、アーディスカがやらないと駄目なのかな?) 


 そう悩む。


 もしも迷宮攻略が『勇者の試練』だとすれば、彼女が挑むしかないのかもしれない。


「癒しの光」


 ピカッ


「ありがとよ、アオイ」


 チャリン


 考えながら、『小遣い稼ぎ』に精を出す。


 最近は『迷宮』の影響で魔物が増えたせいか、怪我をする『冒険者』も多くなった。


 稼げるのは嬉しい。


 けど、酷い怪我をしている『冒険者』もいて、このままだと、いつか死人が出てしまいそうだ。


(う~ん)


 ピカッ チャリン


 ピカッ チャリン


 そうして怪我人を全員、治して、アーディスカの元へと戻る。


「お疲れ様、アオイ」


 そう笑顔で迎えられる。


 僕は「ううん」と首を振った。


 それからアーディスカに『迷宮』についての話題を、さりげなく振ってみた。


「あぁ。確かに、これほど攻略が長引くのは珍しいな」


 との返事。


(そっか)


 ニアは、僕らの話には興味を示さず、魚料理に夢中になっていた。


 そんな話をしていると、


「あら、アーデ、アオイ君」


 ちょうど休憩に入ったらしい受付嬢フランが、食堂へとやって来た。


「ご一緒してもいい?」

「あぁ」

「うん」


 笑顔の彼女も、そのまま僕らと同席する。


(ちょうどいいや)


 せっかくなので、僕は、フラン嬢にも『迷宮』の攻略状況を聞いてみた。 


 すると、


「あまり進展はないみたいね」


 と難しい顔だった。


 そうか。


 でも彼女は、


「まだ内密なんだけど……」


 と声を潜めて、


「実は、あまりに『迷宮』の攻略が長引いているから、レイモンドの町議会の方で、聖王都から『聖王騎士団』を派遣してもらうことになったらしいわ」


 と、こっそり教えてくれた。


(へぇ、騎士団か)


 だいぶ大事になってきたみたいだね。


 そう思って、ふと隣を見ると、


「…………」


 なぜかアーディスカの顔色が青くなっていた。


 ……はて?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちら、作者の書籍化作品です。

書籍1巻
i000000

書籍2巻
i000000

もしよかったら、こちらも、どうかよろしくお願いしますね♪

『小説家になろう 勝手にランキング』に参加しています。もしよかったら、クリックして下さいね。
『小説家になろう 勝手にランキング』
― 新着の感想 ―
[気になる点] この作品は、アーディスカを応援する作品ですね。 それを考えると、アオイよりも、アーディスカの心情がもっと見たい所です。 [一言] とはいえ、もう書き終わってるんだったかな? とりあえず…
[良い点] 更新お疲れ様ですヽ(´▽`)/ 実力も付いてきてランクの高い相手とも戦う機会が増えてきましたね。 相応にリスクも増えてきたのが難点ですが……( ˘ω˘ ) [一言] アオイは溢れたモンスタ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ