全寮制なのに部屋がいっぱいって・・・
自己紹介が終わると、みんな仲良くなれそうな人を見つけたのか休み時間はあっちこっちで
話が盛り上がっている。そんなクグレにも話しかけてくれる人が現れた。
「クグレさん、クグレって読んでいい?、私はミシル山脈の麓の村出身だけど、街の祭りとかよく行ってたし、
もしかしたらどこかで会ってるかも!」
「そうなの!、同じ地方の子がいると私も安心するよ」
クグレの安心した様子を見て彼女も嬉しい様子だ、彼女の名前はクリンスター・オニオ。黄緑に近い鮮やかな色をした髪の毛は高い位置で纏められたポニーテールの毛先がぴよんぴよんあっちこっちしている。背丈は170cmほどありそうだ、初見でも元気っ子と言うのがビンビン伝わる。
「私のことはオニオとでも呼んでくれていいからね」
そう言うと同時に授業開始の合図が鳴った、オニオはまたねと言い残し席に戻った、オニオも沢山カバンやケースを持ってきているようでそこもクグレにとって安心させてくれるポイントになった。
教室に入ってきたウーロンテアはオリエンテーションと言い、この学校の校則など話始めた。
パンプキンシルエットの敷地外では魔法は禁止、見つけた場合は罰則が沢山種類があり、許可を得れば使用可能になる場合もある事、入ってはいけない場所の確認、通年のイベントなど。
「・・・以上でオリエンテーションとなりますが、何かありますか?」
そう投げかけるが手が上がるはずもない。
次に寮の話になった。
「えー、今荷物がある人は自分の寮の部屋を割り振られていないと言うことになります。えーと、それでですね」
先生は何か言いにくそうに語尾を濁した。手元の紙を確認し、苦笑いをして続けた。
「寮の部屋がいっぱいで空き部屋がないので、今部屋が決まってない生徒は今夜は野宿してもらいます」