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少年達  作者: 南波 晴夏
29/33

29. 落とされる少年

ぐるぐると目が回っている。


自分が回っているのか、周りが回っているのかすらわからない。

まるで洗濯機の中にいるみたいだ。


闇の中に、言葉と人影が交互に現れる。

息が乱れる。

あぁ、まただ。

気づくと僕はここにいる。


ここから抜け出すことはできない。

自分で自分を抑えられない程深く、力強い闇に吸い込まれる。

もはや諦めにも似た感情が胸に広がる。


もうどうでも良いや。

そんな考えが脳裏を掠めた刹那、再び強い力が僕を闇の中へ突き落とす。


『ゴンッ』


にぶい音があたりに響く。

同時に視界は開け、周りは明るくなる。

激しい動悸と額の痛みに顔をしかめる。

白く、靄のかかったようにぼうっとした頭のまま瞬きをする。


やがて聞こえてきた小さな笑い声に、少年は顔を上げた。

そこは5限の授業が始まっている教室だった。

周りの生徒は面白おかしく笑っている。


「中西ー。お腹いっぱいで眠いだろうけどもう少し頑張ろうなー」


ニヤニヤしながらそう言った教師に、少年はやっと状況を理解して激しく赤面する。

生徒たちは相変わらず笑っている。


少年の頬は、先程机にぶつけて赤くなった額以上に赤く、熱く赤面していた。

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