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少年達  作者: 南波 晴夏
14/33

14. 夢見る少年

夢を見ていた。

あり得ないくらいの快晴の朝に、僕は風に吹かれて眠っていた。


河原を吹き抜ける風は別格だ。

ここは僕のお気に入りの場所で、僕以外誰もこの場所を知らない。


ただ、一人を除いては。


高校生になってからできた初めての恋人。

彼女だけは、この場所を知っていた。

最も、この場所へよく二人でやってきていたので、思い出の場所でもあるのだ。


そんな河原に、僕は今一人で寝転がっている。

彼女は今日は隣にいない。

僕はそれでもここへ来た。


この場所が好きなのだ。

誰にも邪魔されない。


まぁ、それ以前に、クラスメイト達は今頃学校にいるだろうし、大人たちは仕事に行っている。

僕は独りでここにいる。


……夢を見ている。

ずっと、同じ夢を、飽きもせず。


彼女のいる夢だ。

彼女が、なんの変哲もない話で、僕に笑いかけてくれる夢だ。


僕は、それだけでいつも幸せだった。


空を見上げる。

あそこで彼女は、今も笑っているのだろうか。


突然の事故で亡くなった彼女の葬式は、先日行われた。


僕は、ずっと夢を見ている。

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