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少年達  作者: 南波 晴夏
12/33

12. 太陽を願う少年

俺は太陽になりたかった。

太陽になれればそれで良かった。


いつまでも照らされてばかりじゃあたまらない。

助けられてばかりじゃあ気が済まない。


「大丈夫だよ」と囁いて、いつも俺を救ってくれていた存在に、恩返しをしたいんだ。


……そうだ、そう思うなら、協力するんだ。

あの人の言葉が聞きたいだろう。

「ありがとう」と笑う顔が見たいだろう。


そうなら、行動しなくてはならない。

俺の感情なんてものは、放っておいて良いのだ。


窓の桟に手をかけ、遠くを見つめる。

笑い合う、二人の影。


少年は強く唇を噛んだ。

幼い頃から恋焦がれていた少女には、想い人がいた。

その恋に協力してほしいと、少女は言ったのだ。

少年は願いを聞き入れ、恋のキューピッドとなった。


少年は太陽になりたかった。

太陽になれればそれで良かった。


少年は、一粒の涙を零した。


……君の。


君の太陽に、なりたかった。


「……これで、良かったんだ」


少女の笑顔を見つめ、涙を飲み込んだ少年は、酷く愛おしそうに微笑んだ。

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