表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

大変だった1日

目が覚めると、先程とは違う光景が視界全体に広がった。茶色の天井。どうやら、ベッドで寝ていたようだ。首を傾けると、異世界へ行くことに異論を出していた女子の1人が俺と同じようにベッドで横になっている。まだ目が覚めていないようだ。

「ここはどこだ。」

起き上がろうとすると、腕になにか巻きついている感覚があり見てみると、蛇がいた。ヘビガイタ。

別に蛇は苦手ってわけでもない。ただ、大きすぎるんだが。全長8mほどで、腕だけでなく、足にも巻きついていた。力強く巻き付けられ、血が止まりそうだ。どうしようか悩んでいると、ドアが勢いよく開いた。

「てめーらぁ!さっさと起きろやガキどもぉぉ!」

うるさい。誰もがそう思っただろう。

いつの間にか蛇がいなくなっている。

カンッカンッカンッカンッカンッカンッ!

甲高い音が部屋全体に響く。

最初は気づかなかったが、右手におたま、左手にフライパンを持っている。そして強く叩く。あまりにもうるさすぎ、他のみんなが目を覚ます。なかには、文句をいう人もいたが言うともっとうるさくなるため一人が言うと誰も言わなくなった。そして、強制連行された。

なんなんだコイツ、エプロン着やがって。アレですか、こちらの世界でのファッションなんですか。それとも、イクメンなんですか。どちらにしても似合わないな。あれ、秀義がいない。

そんなことを考えながら、連れてこられたのは食堂と思わしき場所だった。生徒全員分の椅子が並べられている。そして座らせられた。

全員が座ったことを確認すると、謎の男が喋り出す。

「いいか?よく聞けよ。俺の名前は、坂月 龍央(さかづきりお。女の子の名前みたーいとかガキくせぇこと言ったら殺すかんな?俺はこの館のオーナーだ。」

いや、オーナーが客に向かって殺すとか言っちゃダメでしょ。

「てめーらがギルドへ行って身分証をつくって旅に出る準備ができたらここを出ていけ。必ず今日中だからな。つか、今日はもう泊まれないと思え。」

そんな殺生な…………。絶対これ全員思ってるよ。

話が終わり、沈黙になったので質問してみた。

「エルバはいないんですか?」

龍央はため息をついて。

「エルバは国の重鎮や。もうここにはいない。そんなことも知らんのか。」

知るわけないでしょうよ。説明受けてませんし。

今更だが、異世界でも日本名なんだな。呼びやすくてなによりだ。

「そうだ。てめーらは世界救うために来たんだったな。エルバが特別なスキルを覚えるように仕組んだやつが3人いる。さっき質問してきたヤツは知っとるな。」

なんのことだ?

↺頭フル回転中 ・・・

あ。あの蛇だろうか。確か俺についていたな。隣の女子にはついていなかったからそれだろうな。

俺は龍央に向かって笑った。龍央も分かったようで頷き返してくれた。

「よし。さっさとギルド行ってこい!こちとら、商売なんで早く客呼びたいんでね。説明はギルド員がしてくれるから安心しろよ。」

何コイツ。乱暴なやつだと思っていたが、結構イイヤツだ。敵作らないタイプの人だ。

そして、ギルドへ案内人と一緒に行く。



ギルド到着。歩いて1時間。館の外に出た時、森が広がっていたから何時間も掛かるんだと思っていたが結構早く着いた。あ、ちゃんと秀義いた。さっきまでどこにいたんだろうか。

美人な店員らしき人がこちらを見るなり、

「こんにちは!ここはギルド!そして、私はオルナと言います!以後お見知りおきを。ご新規の方達ですね?」

お、ここで日本名じゃなくなった。

案内人がはい、と途切れのいい返事を返す。

「では、こちらへどうぞ。まずは、冒険者登録をしてもらいます。」

ゲームでいう所のプロフィール設定みたいな?ゲームよりも異世界系ラノベみたいだな。

「登録するには、血を採取しなければいけないのですが体調は大丈夫ですか?」

案内人がみんなの確認をし、またまた良い返事を返す。

名も知らぬ案内人...有能すぎやしませんか?

そして、次々と血を採取していく。俺の番も終わった。

「みなさんの登録、完了致しましたので貧血になりませんよう、クランベリー100%ジュースを差し上げますのでぜひ飲んでくださいね!」

とても気が利く。オルナって人、素直で優しくて好きだな。

「30分ほどしたらみなさんのも出来上がると思うので、それまでに簡単にこの世界について説明します。」

お、いよいよか。とても楽しみにしていたんだ。他の人も楽しみにしていたようで、注射の痛みが醸し出した暗い雰囲気がだんだん活気づいてきた。

「今回は30分ほどしかございませんので、あまり詳しくは話せません。ですので、こちらのパンフレットとマニュアル本をお配りします。」

オルナさんには悪いが、説明はいいから早く冒険したいと思ってしまう。オルナさんが静かな部屋へ案内する。

「まず、この世界はディアサフィードと呼ばれています。そして、魔物がいます。一昨年から魔王らしき生命体を目撃したという情報が増えてきています。このころから魔物が活発に活動し始めました。魔物のランクは、簡単に言うと、下級 中級 上級 BURST級 inferno級の5つにわかれます。もちろん数字でのランクもあります。下級は1~5、中級は6~15、上級は16~25、BURST級は26~40、inferno級は41~60と、幅広くなっていきます。魔王の級数は正確ではないですが、95ほどになっています。その強さを持つものは隠されたランク、Satan級になっております。ちなみに、これは他の一般人には口外しないでくださいね。」

Satan級って...ダサいな

「Satan級のネーミングセンスについてはなにも言わないでくださいね?...私も正直ダサいと思っていますので。」

よかった、俺のセンスがおかしいのかと思った。

「次に属性についてです。属性は、炎、水、氷、自然、光、闇、無、雷の8種類です。」

ありきたりだな。そんなものだろうけど。

「炎は水に弱く氷に強い。

水は自然に弱く炎に強い。

氷は炎に弱く自然に強い。

自然は氷に弱く水に強い。

光は闇に弱く闇に強い。

闇は光に弱く光に強い。

雷は無に弱く無に強い。

無は雷に弱く雷に強い。です。とっても覚えにくいですが、覚えていただくとこれからの冒険に役立ちますので覚えてくださいね!」

大丈夫だ、もう覚えた。こういうことだけは記憶力が本気出すんでね。

「最後に戦い方です。戦い方は自由です。素手で戦ったり、武器を使ったり、魔法を使うことも出来ます。さらに、ジョブへつくこともできます。自分のジョブにあった戦い方をすることで特典も付いてきます。例えば、龍剣士。これは龍を使役して戦うことができます。その名の通り、龍を使役することで自分のステータスが上がったり、麻痺耐性などの特殊効果がつきます。効果は人それぞれですが。

それと、自分の強さにもランクがあります。強さの基準は極秘ですのでランクだけ言うと、下からF E D C B A S SS EX EXR、となります。最初はだいたいFかDですが、才能がある方ですと、CかBですね。稀にAがいるくらいです。ランクによって、ギルドウォッチの色が違います。」

だいぶ分かってきたぞ!

「そろそろですかね?」

そう言って奥へ行ってしまった。

すぐに戻ってきた。

「もう完成したようなので、ランクウォッチについては後ほど説明いたします。先程の部屋へご案内します!」


心臓の鼓動がとても早い。異世界転移のときと同じだ。今俺は、胸を大きく躍らせている。

ついに、この時が来た。

俺は、弱い状態からだんだん強くしていくゲームが好きだ。だから、期待を膨らませる。

ドアを開ける。閉める。

こんな些細な動作がとてもゆっくりに感じる。

そして、名前を呼ばれるのを待つ。少し待つだけでも苛立ちをおぼえてしまう。

「剣盃秀義様」

おっ、秀義だ。俺は秀義に駆け寄った。駆け寄った際に見えたのは、腕時計。黄金に輝くギルドウォッチだった。

「秀義は金かぁ。金は何ランクなんだろうな」

「海希か...。海希は何だったんだ?」

「俺はまだだ」

そうか、と言って部屋の隅へ移動した。

なんか雰囲気が暗い。秀義のこんな元気の無い姿はじめてだ。秀義のもとへ向かおうとすると、

「神谷海希様」

俺の番だ!期待のあまり、走って向かう。

けれど、職員の手にはなにもなかった。かわりに耳打ちされた。

「神谷様、すいません。なんらかの問題が発生したようなので、ギルドウォッチの説明を受けたあと私に付いてきてください。ギルド長室に向かいます。」

なんだ、何が起きたんだ...

この世界にいちゃいけない存在とかじゃないですよね?お兄さん不安でいっぱいです。

そしてどんどん呼ばれ、説明に入った。

「またまたオルナでーす!ギルドウォッチは、自分のプロフィールみたいなものです。他の国に入国する際などに必要なもので、ウォッチの色により兵士の態度が変わります。…………あっ。すいませんでした!聞かなかったことにしてください!」

...チラチラこっちをみてる。多分あの件だろうなー。気づかぬふりをしているが、結構辛い。

「気を取り直して…………ランクには10種類あります。覚えていない方はマニュアルを見てください。」

気を取り直して、って言ったあとの切り替えがとんでもなくはやかった。

「F~Dは鉄、C~Bは銀、Aは金、S~SSはプラチナ、EXはパライバトルマリン、EXRはベニトアイトと分けられています。現在、EXRの所持者はいません。ギルドウォッチは、他人に見られることなくメニュー画面を出すことができます。心で念じれば開くことができます。試しにやってみて下さい。できたら手を挙げてください。」

俺以外の全員が手を挙げる。なんだか恥ずかしい気持ちになる。

「これでいつでも確認できますよ。メニュー画面には自分の持つ、スキルや称号なども見れます。ギルドウォッチの説明はこれで終わりになります。」

ギルドの外に出ると、あたりはオレンジ色に染まっていた。いつの間にか夕方になっていたようだ。帰ろうとした時、オルナさんに呼び止められた。

「あ、えっと...オルナ…………さん」

いきなりで呼び捨てしようとしてしまった。

「なに帰ろうとしているんですか!私のことはオルナでいいです!早くギルド長のもとへ言ってきてください!」

オルナに背中を押されてギルド長室前まで来た。他のみんなには先に帰るようオルナが説得し、帰らせた。

俺はどう帰ればいいんだ!

その言葉を喉で抑え、言わないようにした。

コンッコンッ

扉を2回ノック。

部屋からどうぞ、と野太い声が聞こえた。

「失礼します」

恐る恐る部屋へと入る。そこには強面のギルド長らしき人がいた。

「ゴホッ...ヴ...ゲホッゴホッゴホッ...、あぁすまない。私はここのギルド長、ザレフ。君におりいって話がある。そこの椅子へ座ってくれたまえ。」

面接みたいで、緊張する。ただならぬ雰囲気を感じ、息苦しくなる。また日本名じゃない。

「今日呼び出したのは、君のプロフィールについてだ。先にギルドウォッチを渡そう。」

金色のギルドウォッチを渡された。

「俺はAか。」

あーよかった。

もし、鉄とかだったら発狂するとこだった。そういう人いたけど。

「メニュー画面を開いてみてくれ」

野太いからちょっとビックリしてしまう。なんか、すみません。

「分かり...ました」

少々怯みながらも念じる。

パッと浮かび上がる。


【name】 神谷海希


【種族】 人


【ジョブ】なし


【レベル】10


【称号】 神に託された者


【装備】なし(制服)


【固定スキル】 瞬眼

10回瞬きでレベルアップ!

進化4段階︰現1st

七変化

相手の有利な属性に変化する



【スキル】 剣術

格闘技


【アビリティ】 ダメージ軽減-20%




あれ、レベルが10になってる。

いつの間にあんなスキルとアビリティGETしたんだ?

称号とか意味わかんね。

「この固定スキルについて話してもらおうか。」

うぉぉー、こえーーーー!凄い顔で問いかけてきたァァァ!

「えっとー、これは、その…………いつの間にかあったもので僕も今気づきました!」

なんか小学生の言い訳みたいになったあぁぁぁ!!!

「...そうか」

なんか納得してもらえたよ!単純だな!意外と!

「心当たりもないか?」

そして、しつこい!心当たりなんてない...と思ったけど、あったわー

絶対あの蛇だー、エルバの仕業だー。

言っていいのか!?わかんねーからやめとくか。

「ないです」

焦りすぎて、逆に冷静になった。きっぱりと覚えがないことを伝えると、帰っていいと言われた。

だが、帰り方が分からない。

そう言おうとしたら。

「瞬間移動を使って帰るといい。ほれ、これがスキルを覚えるための秘伝書だ。既にあっちとギルドの位置設定はしてある。ほかの場所は、自分でするといい。」

「こんな良い物...いいんですか?」

「いいんだ。俺は、お前を気に入った!その謎の固有スキルがあるおかげでお前は無限に強くなれる。それを生かして魔王討伐に励むんだな!」

強面のスマイルを貰った!なかなかの迫力だ。

そして、俺は館へと帰った。気づけば8時を過ぎていた。


龍央に呼び止められた。

「なんですか、龍央さん」

「タメでいい。それより、なんでこんなに遅くなった」

ココニモコワモテガイタ

「顔、怖いですよ。ただ、エルバさんの残した仕組みが引っかかっただけ。」

「そうか。俺は人のことは詮索しねぇ。だが、他の人は気をつけておけ。もちろん、出雲の生徒もな。」

「ご忠告どうも。みんなはここを発ったのか?」

心配していたことを聞いてみた。

「いや、今日は泊まらせることにした。だから、お前もさっさと寝ろ。明日は朝早く発ってもらうからな。」

「了解」

内心、ヒヤヒヤしながら会話を終わらせ、風呂へ入る。静かにみんなのいる部屋に入る。またまた静かに音をたてないように用心深くベッドへ潜り込む。

大変な1日だったような気がする。

あの〔瞬眼〕というスキル。俺は何回、瞬きをしただろうか。

メニューを出してみることにした。


【レベル】64


ふぅ...。まぁ、こんなもんか。

で、済む話ではない!

俺はどこまでレベルが上がるんだ!?あのギルド長、無限とか言ってたよな...。

でも、レベルだけだよな、上がるのは。ということは、ステータスが上がるのか…。拳闘士にでもなろうかな。

まぁ、いいか。強くなれるのなら。

そうして、俺は眠りについた。


止まっていた災厄の物語が動き出したことも知らずに…………。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ