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黙ったままなのに話が進む・・・

 魔王様の「私を捨てないよね?」よりすでに3日。

 俺は魔王が座っていた玉座に座っている。

 逃げ出したい、村に帰りたい、銃の手入れしたい。


 俺はあの後、恐怖で断る事が出来ず魔王城まで連れてこられてしまった。

 肩書きは仮魔王となっているらしい。

 各地に散っている魔王軍の幹部達と顔合わせしてから正式に魔王となるらしい。

 魔王なりたくない、逃げだしたい、村に帰りたい、銃の手入れしたい。


「魔王様、クシュルー様が・・・、そのいつものをやって欲しいと」


 クシュルーは魔王の名だ。

 頭が痛い。仮なのにすでに魔王扱いか。

 ちなみに、いつものとは銃で撃ってほしいという意味だ。

 ヘンタイめ!


「次の予定が迫っているので無理です。今しばらくクシュルー様には待ってもらいなさい」

「は、はい・・・」


 牛耳メイドがガックリしている(胸のサイズは普通)。

 きっと、クシュルーのやつが癇癪でも起こして周囲を困らせてるのだろう。

 力じゃ誰も勝てないしなだめるのも命がけだ。

 少し親近感を感じる。

 とは言ったものの、このメイドも俺より圧倒的に強い。

 食材だろうか?体長8mはあろうかというワニを一人で軽々運んでいたのを見た事がある。


「魔王さまぁ。魔界の『煌めきの風』の当主が残念ながらきましたぁ」

「あんなぁ、残念てなんやの。胸だけは立派やのに中身がちぃさいわ~」

「自分の悪行の数々わすれたとでもぉ!」

「あはは、心当たりが多すぎて忘れたわぁ」

「がるㇽゥゥゥ!」


 『煌めきの風』とは魔界の物流を仕切ってる商会。

 俺が魔王になるにあたり、顔合わせの為に商会のトップであるメイルー・メフィスが来ることになっていた。

 白い髪に強めのウェーブ。目はパッチリしてて大きめの丸メガネをかけていて時折見える八重歯が悪賢い印象を与える女性だ。


「その辺にしておきなさい。魔王様の前ですよ」

「はぁぃ」

「ああ、ごめんなぁ。ついついはしゃいでもうて。ルグルグも元気そうで何よりや」

「ルグッ・・・。そのような呼び方はやめて頂きたい。私にも立場がありますので」

「ん~。確かに魔王様の前やし仕方ないなぁ。ルグルスやったな次から気ぃつけるわ」


 先程からずっといたこの執事風の男。

 実はも何も普通に執事で、その本名ルグルス・ルシファー。

 初代魔王ルシファーの子孫で力も相当な物らしくクシュルーの次の次の次くらいの強さらしい。

 ついでにメイルー・メフィスは3代目魔王メフィストの子孫。

 強さ的には程々といった所だが、その分頭が良く回るらしく敵に回すとクシュルーよりも厄介らしい。


「魔王様。彼女がメイルー・メフィス。『煌めきの風』の現当主です」

「でもってぇ。私達ルシファー家とは昔からの親交があって色々とヒドイ目にぃ・・・。魔王さまぁも注意してくださいぃ」

「もぅ!交渉する前から悪印象植え付けんといて!後々印象操作するんも大変なんやから」


 このロリ巨乳ルグルスの孫で、2人共々魔王に使えていた。

 もうロリ巨乳でいいとも思うのだが、本名リーザス・ルシファーという。


「ああ!クシュルー様ダメですってぇ!」

「どうしてダーリン来てくれないの!!ずっと待ってたのに!」


 ああ、魔王まで来ちゃったよ。

 ついでに言っておくけどまだ俺は魔王になってないからな!

 できれば辞退したいが周りが強すぎて言うに言えないだけだからな!

 あとダーリン言うな!お断りだ!


「うげぇ」

「うげぇ」

「クシュルー様。あまり騒ぎを起こされないようにお願いしますよ」


 あからさまに嫌な顔をするロリ巨乳とメイルー。


「私がいつも騒ぎを起こしてるような事言わないで!事実だけど」


 事実なのか。なんとなく分かってたけど。


「ならぁ、少しは自重してくださぃ」

「自重してます!ただ、ダーリンの前で印象悪くするような事言わないで!後々印象操作するの大変なんだから」

「それ、うちの台詞や」



 ああ、



 魔王なりたくない、逃げだしたい、村に帰りたい、銃の手入れしたい。



 あと、



 トイレ、行きたい・・・。

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