第十章 喰らうモノ(六)
どこまでも、どこまでも落ちていく感覚。冬の井戸水を頭からかぶったときのような冷感が全身を包み、肌が粟立つ。
魔人によって祭壇から蹴り落とされた俺は、遮るものもないままにひたすら落下していた。あと数秒と経たないうちに地面に叩きつけられてしまうだろう。そこで死ぬか、あるいは魔人に手足をもぎとられて無理やり生かされるかはわからないが、絶望的という意味ではどちらも大差ない。
そんな絶体絶命の窮地にあって、俺は口許に笑みを浮かべていた。
別に気が狂ったわけではない。自分のあまりのおバカっぷりに、笑わずにはいられなかったのである。
大言を吐いて敵を挑発した挙句、一方的に叩きのめされるとか、無様ここにきわまれり。
フッキにやられた傷も痛むが、それ以上に心が痛い。身体と心の傷があいまって、身体中の穴という穴から、汁という汁があふれ出てしまいそうだった。
敵を侮っているつもりはなかった。
いつ殺されてもおかしくはない。その覚悟で戦っていたと断言できる。
だがその一方で、フッキが俺に向けた言葉もたしかに正鵠を射ていた。
聖剣があれば戦える。竜形でなければ勝機がある。少なくとも、ユーベルを相手にしたときのように、敵に食い下がることくらいはできるはず――魔人の強大さを認識しつつも、俺はそう考えていたのである。
ところが、いざフタをあけてみれば、力の差はあまりにも歴然としていて。
ユーベルなどとは次元が違う。まさか、ろくに剣を振るうこともできずにズタボロにされてしまうとは思わなかった。
いっそ清々しいまでの実力差。
魔人の強さはわかっているつもりだったが、それがしょせん「つもり」に過ぎなかったことを、俺は痛切なまでに感じ取っていた。
『魔人が待ち受けていると知り、それでもなお挑まんとするは無謀。神鋼を持ち出せば魔人を退けられると考えるは傲慢。無謀と傲慢をあわせもつは愚者に他ならぬ』
先ほどのフッキの言葉が脳裏をよぎり、口許の笑みがひときわ深くなる。
魔人のいうとおり、俺はまさしく愚者だった。何が愚かといって、魔人相手に『切り札』を温存していたあたりが特に愚かしい。
敵の注意を聖剣に引き付けた上で切るつもりだったが……もうそんなことは言っていられない。
偃月刀で右肩を切り刻まれたせいか、右腕はろくにうごかない。
だから、俺は左腕を突き出して『切り札』の名前を口にした。
月喰。遠くコーラルの廃墟で手に入れた魔剣の名前を。
ただ銘を口にするだけの簡易召喚。
俺が口を動かしてから魔剣が現出するまで、時間にして秒の差さえなかったろう。
というか、たぶん「いくり――」と口にしたあたりで召喚は完成していた気がする。まるで、おのが名を呼ばれるのを待ち焦がれていたかのように、魔剣は一瞬で俺の手の中に収まっていた。
『一つ、賭けをしてみない?』
しばらくぶりに魔剣を手にした俺の脳裏に銀髪の魔人の姿がよぎる。
教皇親征の帰途、俺の前に姿を現したベアトリスは、可能石の力を引き出す幾つかの方法を口にした。召喚もその一つで、ようするに俺は蓬莱に来る以前から、いつなりと魔剣を召喚できる状態にあったのである。
青岳での逃亡の最中、九郎に口にした切り札の正体はこれであった。
廃都の魔物を寄せ付けなかったほどの巨大な魔力を秘めた剣。
もっと早くに召喚していれば、蓬莱での戦いはずいぶんと楽なものになっていたであろう。
それを知りながら、俺が今日まで月喰を召喚しなかったのは、第一にベアトリスの思惑がまったくわからなかったため。第二に、これほどあからさまに『持ち手』であることを証明してしまうと、シルル教団、なかんずく聖賢会議との確執が決定的なものになってしまう予感があったからである。
切り札は切り札でも、できれば切りたくない切り札だった。
だが、事ここにいたっては是非もない。
俺は生還した後に降りかかってくるであろう山のような難事から目を背け、眼前の戦いに集中する。
最初にとった行動は、手にした剣を壁面に突き立てることだった。こうすれば、少しは落下の勢いをそぐことができるだろう。
魔剣は恐ろしい切れ味を発揮して、あっさりと壁に突き刺さり――直後、俺の重量と落下の衝撃がかけあわさった凄まじい衝撃が左腕を襲った。
「があッ!?」
もう何度目のことか、俺の口から悲鳴がこぼれ落ちる。予想もし、覚悟もしていたが、それでも耐え切れない激痛。
一瞬、本気で左肩が付け根からもぎ取られたかと思った。柄から手を離さなかったのは、ほとんど運の領域だ。
ガガゴギャ、ゴゴガギャと耳に痛い音を発しながら魔剣が壁を切り裂き、それにともなって俺の落下速度も落ちていく。
アイデアはうまくいったかに思えたが、このとき、一つだけ俺にとって計算外のことがあった。
魔剣の切れ味が良すぎたのである。
ナイフでチーズを割くように、といえば少しばかりおおげさだが、実際に魔剣はそれくらい軽々と壁面を切り裂いていく。つまりは、思ったほど落下の勢いが落ちなかったのだ。見る見るうちに迫ってくる地面を見て、俺の額に玉のような汗が浮かんだ。
……幸い、最終的にはなんとか地面に降り立つことができたものの、同じことはもう二度とするまいと、俺は荒い息を吐きながら心に刻みこんだ。
しばし後。
人型のまま空間転移で姿を現したフッキは、二本の足で立つ俺を見て、意外そうに目を細めた。
「ほう? 両の足で立っておるのかえ」
理由を捜し求めるように視線をさまよわせた魔人の両の目が、吸い付くように月喰に向けられる。 その後、頭上を振り仰いで壁面に刻まれた断裂痕に目をとめた魔人は、どこか呆れたような声を発した。
「剣を壁に突き立てて落下の勢いを殺したか。無茶をするのう。そのようなことをすれば、刀身も身体もただでは済むまいに。そこまでせずとも回復魔法ならばいくらでもかけてやったぞえ。早々に死なれては妾も面白くないゆえなあ」
「それはありがたいな。今からでもぜひ頼む。ユーベルみたいな三下魔人とは器が違うところを見せてくれ」
相手の戯言に戯言で応じる。
もう慢心はしていないし、相手をむやみやたらと挑発する愚も承知していたが……できるかぎり時間を稼いでおきたい。
理由は二つあるが、そのうちの一つは、月喰を手にしてからこちら、身体の傷が徐々に回復している気がするからだった。事実、つい先ほどまでろくに動かせなかった右腕が少しずつ動くようになっている。
ベアトリスの情報の中に、持っているだけで身体の傷を回復してくれるなどという便利機能は入っていなかったが、まあプラスの効果はいくつあっても問題ない。なのであまり気にしないようにしよう。
そんな俺の姿を余裕ありと見なしたのか、フッキは両眼を鈍く光らせながら、油断なく俺を探っていた。
いや、正確にいえば、魔人が凝視しているのは俺ではなく剣の方。
月喰を見やるフッキの顔には、先刻には浮かんでいなかった表情が浮かんでいる。
「……ほんに、そちは妙な人間よな。その剣、いったいどこから取り出した? 隠しておく余地などなかったはずじゃが」
「なんでもこの月喰とやらいう剣は特別製らしくてな。持ち主が呼べば、いつでも、どこでも召喚することができるそうだ」
あたかも空間転移をする魔人のごとく、とは俺にそれを伝えたベアトリスの言葉である。
「――ほう? 今、聞き捨てならないことをぬかしおったなあ」
俺が月喰の名を口にした瞬間、フッキの表情から余裕めいた態度が削げ落ちていく。
蛇のように縦長の瞳孔が、ねめつけるように俺を見据えた。
「可能石を柄に埋め込んだ剣。そのような代物、人界はおろか魔人領域を見渡しても二つとない。それは月の姫王を討った竜王様が自ら鍛え、我が同胞に下賜した剣じゃ。同胞が滅びた後は、東の大地を覆う呪いの源となっておった。廃都が落ちたことは存じておる。剣を持ち出す程度のことは人間でもできるであろう。じゃが――」
地の底を這うような低い声が耳朶を震わせる。
フッキの唇から細長い舌が伸び、ちろちろと上下に揺れた。
「じゃが、その剣の銘を知り、力を引き出すことは人間にはできぬはず。その銘は彼の地を守護していた鬼女でさえ知らぬこと。妾を裏切ったユーベルはもちろん、シルルの眷属とて探り得ない事柄じゃ。そちはいったい誰からその銘を聞いたのじゃ……?」
今やフッキの表情は能面さながらだった。
先刻までの態度を「余裕」と見るならば、今の態度は「警戒」にあたる。
俺が月喰の銘を知っていることは、フッキにとって看過できないことであったらしい。
豹変といって差し支えない魔人の変化を目の当たりにした俺は、ここであることを思いつく。
今、ベアトリスの名前を出せば、魔人同士の争いを引き起こすことができるかもしれない。
仮にここで俺が殺されたとしても、俺の死後、魔人同士が相打ってくれるのならば無駄死ににはならないだろう。
ただ、この策には問題もあった。
魔人同士が潰しあうなら人間にとって万々歳のように思えるが、それが必ずしも良い方向に作用するとはかぎらない。
たとえば戦う場所。魔人領域でやりあってくれるならいいのだが、戦いがシルリス大陸で行われた場合、巻き添えをくって国の一つ二つ滅びてしまいかねない。
俺はその可能性をおもんぱかって答えに迷ったが、結論からいえば、この逡巡は無用のものだった。
こちらが口に出すまでもなく、フッキが自力で答えにたどり着いたからである。
「――そうか。今、人界には妾以外に銘を知る者が一人だけおったな。ベアトリス、月の小娘め、何を考えておる? 同族の心臓を人間に委ねるなぞ、正気とは思えぬが…………ぬ?」
訝しそうに眉をひそめていたフッキが、不意に何かに気づいたように目をみはった。
「もしや彼奴、人間に血を分け与えて眷属としたのかや? 小娘のお手つきとあらば、なるほど、ここまでのそちの奇妙な振る舞いも得心がいくというもの」
そう口にするやいなや、魔人は持っていた長大な偃月刀を頭上で一回転させた。
フッキの顔に張り付いているのは落胆。せっかく手に入れた貴重品が贋作だと知った収集家のような顔。
どうやら俺はひどく魔人を失望させてしまったらしい。
その推測を肯定するように、次に魔人が発した声は砂漠の砂のように乾ききっていた。
「すまぬが前言は撤回させてもらうぞえ。そちをなぶるのはやめじゃ。今すぐその首掻き切って、はらわたを一片も余さず喰らい尽くしてくれよう。むろん、あらがうのは自由ゆえ、死にたくなくば精々足掻くがよい」
そのフッキの言葉に、俺は短く応じる。
「言われずともそうするつもりだ」
余力を残して魔人と戦う愚かしさは、先刻思い知ったばかりだ。
俺は魔剣の柄を両手で握り締めると、あの夜のベアトリスの言葉を思い浮かべた。
『一つ、賭けをしてみない?』
『剣の銘と一緒に、力を解き放つ言葉も教えてあげる。並の人間なら意識どころか魂ごと喰いつくされるでしょうけれど』
『もし、それでもあなたが人としての器を保っていられたなら――』
一度は耐えられた。ならば、二度目も大丈夫だろう。
俺はあえて楽観に身を委ね『力を解き放つ言葉』を口にする。剣を召喚した時と同様、複雑な言語や術式は必要ない。たった一言で済む。
目覚めよ
直後、魔剣の柄にはめ込まれている可能石から爆発的な魔力がほとばしり、刀身を漆黒の炎が覆っていった。
◆◆◆
精々足掻け。
テオに対してそう言いはしたものの、フッキは相手に反撃を許すつもりはなかった。
可能石の剣を見たときは確かに驚いたが、だからといって相手に脅威を覚えたわけではない。魔剣はたしかに強力な武器であるが、切れ味、威力は先にテオが持っていた聖剣と大差はないのである。
むろん、可能石の力を完全に引き出すことができれば話は別である。
だが、魔人以外の存在にとって無限の魔力は毒に等しい。一時的に力を引き出すことはできても、それを長続きさせることは決してできない。無理やりにそれをすれば、フッキが手を下すまでもなく自滅する。
これはたとえ魔人の眷属であってもかわらなかった。フッキは配下の竜種に己の血肉を与えて眷属としているが、与える力の総量はきちんと計算している。もし、フッキが何も考えずに眷属に魔力を垂れ流せば、竜たちは早晩耐え切れずに命を落とすだろう。
最強種たる竜でもそうなのだ。体力、魔力、いずれも竜種に劣る人間が、可能石の力を御しえるはずがなかった。
そのことを知っていたフッキは、テオが魔剣の力を解放しても驚かなかった。
むしろ、愚かなことをしている、と内心で冷笑したくらいである。
おそらくはベアトリスに唆されるまま、力を引き出す代償が何なのかも知らずに行動しているのだろう。
当然、そんな相手を恐れる気にはならぬ。宣言どおり、一撃で首を刈り取って終わりにしようと思っていた。
――思っていた、のだが。
ズダンッッ、と地面を踏み砕くような勁烈な音が周囲に轟く。
とたん、フッキの視界の中でテオの姿がわずかにかすみ……気が付いたときには視界全体を覆うように剣光がきらめいた。
「――ッ!?」
魔人の目から見ても、テオの踏み込みと斬撃は同時だとしか思えなかった。
驚きの声をあげる暇もなく、フッキは反射的に後方へ飛びすさる。
間一髪の差さえなかっただろう。それまでフッキがいた空間を魔剣が斜めに切り裂き、剣風がフッキの前髪をかきあげた。
右肩から左腰までを一気に断ち切らんとした袈裟懸けの斬撃。
視界を切り裂く刀身を見たとき、フッキは不覚にも背筋に冷たいものを感じた。
死んでもおかしくないほどに痛めつけた相手がこれほどの攻撃を放ってくるとは、さすがにフッキも予測していなかった。
くわえて、人界に来てからのフッキは敵が自分を殺し得る『戦闘』を経験しておらず、敵対者と対峙するときは必ず『蹂躙』に終始していた。
ユーベルだけではない。フッキもまた鈍っていたのである。
その自覚が、動揺とは呼べないほどにかすかな心の軋みを生んだ。それは小さな水滴となってフッキの内面に落ちていき、鏡のように凪いでいた魔人の心を波立たせる。
それは針の穴ほどに小さな、けれど確かな隙。
テオはそれを見逃さなかった。
魔剣の剣先が鋭く弧をえがく。その動きを見たフッキは、テオが再度斬撃を繰り出すつもりだと見て取ったが、テオの行動は魔人の推測を上回った。
――いや、この場合、推測を下回った、というべきかもしれない。
テオは切り札であるはずの魔剣をフッキに向けて投げつけたのである。いとも軽々と。いっそ無造作に。
魔力の炎に覆われた刀身が矢のように宙を駆け、フッキの顔面を襲う。
「ぬッ!?」
まさか敵が虎の子の魔剣を手放すとは思っていなかったフッキの口から、唸るような声が漏れる。
だが、フッキは驚きはしても、冷静さを欠いてはいなかった。素早く偃月刀をひるがえし、下から上へ、跳ね上げるような斬撃を繰り出す。
魔人の放った一撃は精確に月喰を捉え、魔剣は音高く宙に弾き飛ばされた。
フッキの両眼がぎらりと輝く。
自ら切り札を手放した以上、今のテオは丸腰も同然だ。空間転移を行うまでもなく、正面から斬り伏せることができる。
魔人は素早く前に出た。
危険を感じ取ったのか、テオは先ほどのフッキのように後方に飛びすさる。
しかし。
「遅いわえ」
人間の姿をしているとはいえ、フッキは竜の魔人。転移など使わずとも、身体能力は人間を大きく上回る。
踏み込みから跳躍へ。魔人の身体は獲物を襲う猛禽のように宙を舞い、瞬く間にテオとの距離を詰めてのける。
大きく振りかぶった偃月刀は、今や完璧にテオを間合いにとらえていた。
それは後ろにも、左右にも、前にも逃げられない回避不可能な一撃だった。
そのことを悟ったのか、テオは逃げようとはせず、諦めたようにその場から動かない。
見る者によっては死を覚悟した態度に思えただろう。だが、テオの両眼に浮かぶ激しい熱はフッキのそれに劣るものではなく、口許に浮かんだ笑みは獲物を罠にはめた狩人のそれだった。
ぞくり、と魔人の背に悪寒がはしる。
「――月喰」
テオが再び魔剣の銘を口にする。その瞬間、フッキに弾き飛ばされたはずの魔剣が、持ち手のもとに舞い戻った。
ベルリーズと霊山洞穴の距離をゼロにできる魔剣が、この至近距離で持ち手の声に反応しないわけがない。
そして。
テオを間合いに捉えていたフッキは、この瞬間、自らもテオの間合いに捉えられていた。
このままでは両者の攻撃は相打ちに終わる。フッキはそう見てとった。
テオに深傷を負わせることはできるが、自分も相応の傷を負ってしまうだろう。むろん、命の削りあいならば人間よりも竜種、しかも魔人であるフッキが優るので、最終的に勝つのは間違いなくフッキである。が、人間相手にそんな無様な戦いを繰り広げるつもりは、フッキにはなかった。
そも、そんな危険を冒す必要はどこにもない。
フッキは偃月刀を振り下ろす寸前、テオの背後に転移する。これで自分は傷つかず、相手には致命傷を負わせられる。
これで終わりだ、とフッキは確信した。
だが、その直後、フッキは身体に異変を感じて動きを止める。
ぞぶり、と異物が胸を貫く感覚。
それは、フッキがここ数十――いや、数百年の間、一度として経験してこなかったものだった。
月喰の刀身がみずからの胸を穿っている。その光景を見下ろした魔人の目が驚愕に見開かれる。
「な……ん……?」
「そうくると思ったよ」
魔剣を逆手に持ちかえて背後の空間を突き刺したテオは、確かな手ごたえを感じながら静かに言った。
「便利な力も良し悪しだな。魔人は、何かあるとすぐに敵の後ろを取りたがる」
月喰を呼べば魔人が転移で背後をとることはわかっていた。
後ろからの斬撃をかわすだけでは、先刻のように魔法が飛んでくる。だから、逆撃を仕掛けた。
もしフッキが転移を行わず、相打ち覚悟で正面から斬りかかってきていたら、為す術なく斬り殺されていただろう。
一か八かの賭けだったが、結果としてテオは賭けに勝った。
さらに深く魔剣の柄を押し込むテオ。
苦悶と憤怒が渾然となったフッキの咆哮が洞穴を揺るがした。




