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花嫁クエスト  作者: 玉兎
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幕間 スーシャ・リド①


 テオとスーシャが見つけた建物は、どうやら兵舎として利用されていた、あるいは利用する予定でつくったものであるらしく、井戸に台所に寝室と、一休みするために必要なものが一通りそろっていた。

 しかも、かなり最近までここを拠点にしていた冒険者がいたらしく、機能面、衛生面、いずれも使用に耐えうる状態である。決して小さくはない建物全体がそうであった。



 外を徘徊していた魔物たちも、兵舎の中には見当たらない。

 不思議とも不気味ともとれる状況だったが、別段、罠が張られていることもなく、二人が足を踏み入れても建物は静寂に包まれたまま。内部を確認した後もそれは変わらなかった。

 一攫千金を求めて廃都にやってきた冒険者が、わざわざ建物の清掃をしたとも思えないが、よほど綺麗好きな人間がいたのだろうか、と侵入者二人は首をひねる。



 ともあれ、使えるならば使ってしまえということで、テオたちは建物内でしばし休憩をとることにした。

 テオは井戸から汲んできた水を沸かして、そこに甘粥の元を放り込む。

 出来上がった甘く白い液体を渡されたスーシャは、礼を言ってから味わうようにゆっくりと飲み干した。



 小さな唇から自然と安堵の息がこぼれる。

 現在の状況が抜き差しならないものであるのは理解しているし、甘味を楽しんでいる場合ではないこともわかっている。が、数時間にわたって廃都の地下をさまよった後だ。好物を摂取した小さな心身が弛緩してしまうのは、やむをえないことであったろう。



 教皇親征という空前の大遠征。聖都エンテルキアから廃都コーラルまで、千人を超える将兵を率いての行軍。

 実際に細々とした指示や命令を出したのは大司教であり、聖騎士団長であるが、総帥であるスーシャにかかる負担も小さなものではない。

 それにくわえて、降って湧いた地下要塞の探索行。当人が気づかないうちに溜まっていた疲労も間違いなくあったと思われる。

 スーシャは自分のまぶたが重たくなっていくのを感じていた。




 そんなスーシャの前に新たな食器が置かれる。

「はい、おまち。いやぁ、廃都の地下で綺麗な水が汲めるとは思ってなかった。相当深くまで掘ったんだろうな、あの井戸……ん?」

 上機嫌でそこまで言ったテオは、ここで同行者が眠たげにしていることに気がついたらしい。わずかに首をかしげて優しげに問いかけてきた。

「少し横になるか? 幸い、寝台もあったし」



 時が時だけに本格的に寝入るわけにはいかないが、少し休む程度ならば問題あるまい、とテオは言った。

 対するスーシャは相手の心遣いに感謝しつつ、首を横に振る。

「わたしは大丈夫です。食事をいただいたら、また地上への出口を探しましょう」

「そうか、それならしっかり腹ごしらえをしないとな。ま、肝心の食事は保存食のごった煮なんだが」



 これでもか、とばかりに塩をきかせた干し肉のかたまりを沸かせた湯に放り込む。すると、塩が良い具合にとけ出して、あっという間に塩味の肉スープができあがる。

 ただ、これだけだとあんまりにも雑なので、香草をちらして味と見た目をととのえ、最後に、親の仇のごとくひたすら硬く焼き上げた保存用の黒パンを放り込む。そのまま食べると石のように硬いパンも、スープにひたせば食べやすくなるのだ。

 これでテオ言うところの「保存食のごった煮」の完成である。



 お世辞にも手をかけているとはいえない代物だったが、口をつけたスーシャの顔はたちまち満面の笑みで彩られた。

「温かくて、美味しいです」

 スープをゆっくりと飲み、次いで具をはむはむと頬張る。その楽しげな表情を見れば、今の言葉がお世辞でないことは誰にでもわかる。

 瞬く間に出されたものを平らげたスーシャは、ごちそうさまでした、と丁寧に頭を下げた後、申し訳なさそうに眉を八の字にした。



「何から何まで任せてしまってすみません……」

 火をおこすことから始まり、井戸の水汲みも、食事の準備も、スーシャは何一つ手伝っていない。

 言い訳をするならば、手伝おうという気はあったのだ。

 しかし、戦闘や教会業務はともかく、日常生活における家事経験が著しく不足しているスーシャに、すべてをテキパキと進めるテオを手伝えるだけのスキルはなかった。



 恐縮する教皇を見て、テオはからからと笑う。

「スーシャの意外な弱点を発見できたな。家事が苦手、と」

「むぅ。経験の不足による未熟は否定しませんが、それを苦手というのは違うと思います、テオ」

 スーシャは不服そうに口をとがらせる。教皇といえども十一歳の女の子だ、家事が苦手という評価は好ましいものではなかったらしい。



 同行者のふくれっつらに気づいたテオは、すまんすまんと謝罪する。

「ま、俺だって言うほど得意じゃないしな。家ではシュナ――ああ、俺の弟のことだけど、あいつに頼りっぱなしだった」

「弟さん……どんな方なんですか?」

 もともと本気で気分を害していたわけではなかったスーシャは、すぐに表情をあらため、目に興味を宿して問いかける。

 この場において弟の話題は不要不急であったが、気晴らしにはいいかと考えたテオは、自分も甘粥をすすりながら、ウィンディア王国に残してきた家族について話し始めた。



◆◆



 暖炉におこした火に当たりながら、しばしの間、とりとめもない会話をかわす。

 家族のことを話すテオは楽しげで、こういう表情もする人なのだな、とスーシャは新鮮な驚きを感じていた。

 同時に、うらやましい、とも思う。

 スーシャにはこんな温かい顔で語る家族はいない。兄弟姉妹はなく、母親はスーシャが生まれて間もなく亡くなったと聞いている。



 父親はいない。死んだのではなく、はじめからいない。

 スーシャ・リドはシルル教団の秘蔵っ子。それは文字通りの意味であり、ゆえに教団そのものが父であった。

 この父はたいへんな厳父で、とかく娘を縛りつけようとする。そればかりか将来のことも事細かく定めてしまい、娘の自由意思を認めない。これまでスーシャは父に反抗したことはないが、仮にそれを試みたならば、容赦のない折檻が待っているに違いなかった。



 ――ふと思う。

 もし今、その事実を口にしたら、眼前の青年はどういう反応を返してくるだろう、と。

 教皇の力を目の当たりにしても態度をかえなかった人物が、教皇の出生を知った時にどのような態度をとるのか。

 それはなかなかに興味深い想像だった。少なくともスーシャにとっては。



 もちろん実際にそれをする気はなかったが。

 それは勇者であるイズさえ知らない教団の秘事であって、外部の人間に口外してよいことではない。明かされた側にも迷惑がかかってしまう。

 なによりスーシャ自身、自分が父と母の愛情によって生まれた者ではない、という事実をすすんで他者に語りたいとは思っていなかった。

 もし語るとすれば、それは一時の気の迷いにかられてのことではなく、我が身を捧げる覚悟を固めてからでなくてはならない――




「どうした、スーシャ?」

「……え?」

 不意に名前を呼ばれたスーシャは、驚いてテオの方を見やる。

 スーシャの視界にテオの黒い瞳がうつっている。そこには少女を気遣う色がはっきりと見て取れた。



「浮かない顔だが、気がかりなことでもある――いや、こんな状況だから気がかりがあるのは分かってるんだが、そういうのとは少し違うように見えた」

「そう、ですか?」

「ああ、俺にはそう見えたが……む、待て、もしや俺の話が長すぎたか? だとしたらすまん。山岳騎士団の連中にも弟自慢がしつこいぞってよく文句を言われるんだが、これがなかなか直らなくて――」



 そう言って頭をかくテオの顔を、スーシャは少しの間だまって見つめていた。そして、くすりと柔らかく微笑む。

「いえ、それはまったく思っていませんから安心してください。むしろ逆です」

「逆?」

「はい、仲の良いご兄弟がいて羨ましいな、と思ってました」

 スーシャはそう言ったが、テオの怪訝そうな表情は消えなかった。

「それにしては、哀しそうに見えたんだが?」

「……実は、わたしにも妹か弟がいたはずだったんです。ですが、母様と一緒にシルル様の御許に赴いてしまいました。そのことを思い出してしまって……」



 事情を察したテオは、ばつが悪そうに頭を下げる。

「すまない、余計なことを訊いた」

「あ、気にしないでください。私が勝手に話しただけですから。念願だった呼び捨てしてくれる方に出会えて、少し口が軽くなっていたようです」

 もしかしたら、少しでも自分のことを知ってほしいという気持ちもあったかもしれない。

 スーシャはそんな言葉を付け加える。



 ここでスーシャが言う「自分」とは「シルル教皇」のことではなく「スーシャ・リド」という個人のこと。

 それを読み取ったテオは眼前の少女に気遣う眼差しを向けた。



「やっぱり教皇ともなると、色々大変なんだろうな」

「テオも一度教皇になってみれば――いえ、これは例えにしても無理がありますね。うーん……そうだ! 花嫁令で国王になればきっと分かります。誰も彼もがかしこまる立場っていうのは本当に窮屈なんですから!」



 深い深い実感を込めて現教皇に語られてしまえば、テオはかしこまって頷くことしかできない。

 いささか強引な形でテオが感じた気まずさを打ち消したスーシャは、それと同時に、発端となった表情の変化に対する詮索も拒んだ。

 食事の準備を手伝うことはできないが、こういうことには頭がまわる。我が事ながらひねくれているなぁ、と小さな教皇は内心でため息を吐いた。






「花嫁令といえば、テオのお嫁さん探しは順調なのですか?」

 ややあってスーシャがそう問いかけたのは話題をかえるためであったが、これについて純粋に興味があったからでもある。

 問われたテオはあごに手をあて、どこか遠くを見る眼差しで応じた。



「順調といえば順調だな。順調に停滞中、という意味で」

「そうなんですか? はじめてベルリーズで会ったとき、ウルクさんとすごく親しげに見えましたけど」

「んー、ウルクは俺に恩を感じてくれているからな。そういう意味では一番近しい異性ということになるんだが……」

 だからといって花嫁候補かと問われると難しい、とテオは言う。



 ウルクの人柄に文句があるわけではない。むしろ単純な好みを言えば、エルフの王女はテオにとって「ど」がつくストライクである。

 相手が異種族である事実も、王女という地位も特に気にならない。ウルクの方から信頼の念を伝えられていることもあり、本来ならば真っ先に口説きたい――もっといえば、花嫁令をクリアするために口説かなければならない相手であった。



 そのことはテオも重々承知している。そもそも魔物の姿だったウルクを助けようと考えたのも、そういう下心あってのことだ。

 しかし、ウルクと行動を共にして親しく言葉を交わしていくうちに、非の打ち所がない相手の人柄が、かえってテオの行動を押しとどめるようになっていた。

 助けられたことを素直に感謝し、率直に好意を伝えてくれる。そんなウルクに対して欲得ずくの婚姻を申し込むのは、ある意味、魔人と戦うよりも勇気がいることだった。



 スーシャは、ふむ、と腕を組んで考え込んだ。

「つまり、こういうことでしょうか。テオは王になりたいという私利私欲で動いている。だから、素直にテオを好いてくれるウルクさんを口説くのは、真心に打算で応じるようで気がひける、と」

「うん、そんなところだ」

「ふむふむ。ということは、結婚に打算を持ち込む相手の方がかえって気楽だ、ということになりますね」

「うん? まあ、そういうことになると思うが……それは何の確認だ?」



 妙に食いついてくるスーシャの反応を見て、テオが怪訝そうな顔をする。

 スーシャは澄ました顔で応じた。

「わたしも女の子なので、色恋沙汰には関心があるんです」

「さいですか」

 はたして今の会話に色恋の要素はあったろうか、とテオは疑問に思ったが、それを口には出さなかった。

 別段、深く考察するような話題でもなかったので。




 その後、休憩を終えたテオとスーシャは本格的に周囲の探索をはじめた。

 兵舎の清掃をしたのが誰であるにせよ、ここを拠点にする何らかのメリットがあったはずだ。地上につながるルートが近くにあることは十分に考えられる。

 仮にそれがなかったとしても、他の場所とは違う『何か』が存在する可能性は高い。このあたり一帯に魔物の数が少ないという事実も推測の根拠になっている。



 松明を掲げたテオが先を歩き、錫杖を抱えたスーシャが後ろに続く。

 途中、テオが思い出したように同行者に声をかけた。

「よく考えたら、スーシャに花嫁うんぬんの話をした覚えはないんだが、やっぱりイズ経由で伝わっているのか? アスティア様や山岳騎士のことはともかく、花嫁令のことは別に報告せんでもいいと思うんだが」

「イズ姉様は真面目な方ですからね。いつも報告書はこれでもかっていうくらい丁寧ですよ」

「ああ、なるほど。たしかにイズはそういう感じがす、る――」



 テオの言葉が尻つぼみになって途切れる。次いで足も止まった。

 不思議に思って先行する青年の顔を見上げたスーシャは、松明を掲げたテオが通路の一角に視線を固定していることに気がついた。

 かすかな松明の火に照らされたその場所は、一見したところ何もないように見える。凹凸がついた壁面が延々と続く、これまで通り過ぎてきた通路と何も変わらない光景。

 だが、よくよく見れば、壁と壁の間に人ひとりがかろうじて通れるくらいの隙間ができていた。



 それは地下へと続く階段の入り口であった。

 おそらくスーシャひとりであれば見過ごしていただろう。テオが気づいたのも偶然に近い。

 階段の横を通り過ぎようとしたとき、一瞬だけ風を感じた。それがなければ、そのまま通り過ぎていたに違いない。



 二人は階段の前に立って奥をうかがってみたが、黒々とした闇は松明の明かりを拒み、先を見通すことを許さない。わかったのは、この階段がかなり深いということくらい。

 テオたちが探しているのは地上への出口であって、地下の探索に費やす時間も余力もない――ないのだが、しかし、明らかにこの階段は要塞の設計思想とは異なっている。それが気になった。



 繰り返すが、ここは何の変哲もない通路の一角であり、地下への階段をつくるのに適した場所ではない。階段の幅もせまく、これでは重武装をした騎士は通ることもできないだろう。軍事施設の建造物としては致命的な欠陥だ。

 いざという時、お偉方が逃げ出すための隠し通路――にしては、つくられた場所がおかしい。こんな通路のど真ん中に逃げ道をつくっても役に立つまい。なにより、隠し通路にしては隠蔽の努力がまったく見て取れない。



 整然と並べられた白い食器の中に、一つだけ黒い食器が混じっているような違和感がある。

 テオとスーシャはそれぞれに推測し、ほどなくして答えにたどりついた。

 おそらくこの階段は、地下要塞をつくったコーラル帝国とは別の何者かが、必要に応じて設けたものなのだろう、と。そう考えれば違和感の説明はつく。



 問題は、魔人の呪いに飲み込まれた廃都の地下深くで、そんな真似ができる者とは誰なのかということ。

 そして、この階段をつくった理由、すなわち地下要塞のさらに地下に何があるのかということ。



 この二つの問いの答えを得るためには、実際に足を運んでみるしかない。

 青年と少女は顔を見合わせ、ほとんど同時にうなずいた。



◆◆◆



「聖下! いずこにおわしますか、聖下!」



 同時刻。

 エンテルキア聖教国にて聖騎士団長を務めるエロイス・ディストは、ひとり廃都の地下要塞を闊歩しながらスーシャの姿を捜し求めていた。

 靴音を響かせ、声を張り上げる自らの行動が魔物を呼び集めることは承知していたが、エロイスにとって最優先事項はスーシャの保護であり、己の安全は二の次三の次。また、仮に自分の声が教皇に届かなくとも、地下要塞をさ迷う魔物を自分に引き付けることで教皇が襲われる危険を減らす、という計算もあった。



 実際、エロイスは先刻から十を超える回数の襲撃を受けており、そのすべてを退けている。

 スライム、キメラ、アンデッドモンスター、いずれも聖騎士の頂点に立つエロイスにとって敵ではなく、撃退に要した時間もほんのわずか。

 ――そこに油断があった、と言われればエロイスは否定したであろう。

 事実として、このときのエロイスは大胆に振舞いながらも周囲への警戒は怠っておらず、奇襲に対する備えは万全といってよかった。



 そんなエロイスの背後に『それ』は唐突に姿を現す。



 一言でいえば、それは鉄の仮面をかぶった騎士だった。

 仮面は顔全体を覆うもので、顔の造作はもちろん髪の色さえわからない。闇と同化するような黒衣をまとった姿は亡霊のようで、突然に宙から沸いて出た様も命なき存在を想起させる。

 しかし、次に鉄化面がとった行動――猛然とエロイスに斬りかかる姿はおぞましいほどの力感に満ちており、虚ろな亡霊とは明確に一線を画していた。



 気配を感じ取ったエロイスが反射的に振り返ったときには、すでに剣刃は聖騎士団長の眼前まで迫っている。

 とっさに右腕で顔をかばうエロイス。

 鉄仮面の剣は容赦なくその右腕に食い込み、切り裂き、断ち斬ってエロイスの甲冑に到達する。

 エロイスが着ている甲冑は奇跡が付与された逸品であったが、右手を切り落としても勢いの衰えない斬撃は、そのまま甲冑を切り裂いてエロイスの胸郭を深々と断ち割っていた。



 肩口から斜めに、袈裟懸けに切って落とされた傷口から鮮血が溢れ出る。

 それは常人ならばその場で気絶してもおかしくない重傷であった。

 しかし。



「ぬんッ!!」

 驚愕も苦痛も押し殺し、エロイスは振り向きざま即座に反撃に転じる。

 左利きのエロイスは常に剣を左手で持つ。このときも同様であり、横なぎの一撃が正確に敵の右側頭部を襲った。

 この痛烈な反撃に対して鉄仮面の反応が一瞬遅れる。



 致命的な深傷を与えた、という確信がほんのわずかな油断につながったのだろう。

 それでも鉄仮面はとっさに身体をのけぞらせ、なんとかエロイスの一撃をかわそうと試みるものの、教会騎士の頂点に立つ男の剣は閃光のごとき速さで敵の回避を許さない。

 一拍の間をおいて、あたりに仮面が砕ける音が響き渡った。



 意地の反撃を成功させたエロイスだったが、しかし、それが限界だった。

 みずからの攻撃がどれほどの傷を負わせたかも確かめられないまま、力なくその場に崩れ落ちる。

 その途中、一瞬だがエロイスの視線は敵の顔を捉えていた。

 霞む視界に、松明の明かりに照らされた金色の髪が映し出される。そして、その髪と対をなすように輝く碧眼。



 その二つを確認した直後、エロイスの意識は闇に落ちていった。



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