第五章 教皇親征(七)
「広いことはわかってたが、それにしても広すぎるぞ。帝都の住民すべて収容するつもりだったのか?」
先の蛇身の魔物を倒してから、おおよそ半刻(一時間)。延々と続く通路を歩きながら、俺は地下要塞のあまりの広さに辟易していた。
寒くて暗くて道が分からないというだけでも気が滅入るには十分すぎる。
これに魔物の襲撃が加われば、いいかげん嫌にもなってくるというものだ。
唯一の救いは、それほど強力な魔物は出て来ないということである。
だが、強力ではないから脅威ではないという図式は成り立たない。
この要塞には地上とは比べ物にならない数のスライムが生息しているのだが、これが実に厄介だった。暗闇にまぎれて接近する液体生物は天性の暗殺者であり、地面はもちろん壁や天井からも襲ってくるから気がぬけない。
おまけに、戦うたびに武器や防具を酸で溶かしてくるので、装備の耐久度も気にかけないといけなかった。スーシャの奇跡が付与されていなかったら、と思うと心底ぞっとする。
先刻の魔物と同種と思われる人間と魔物の融合体にも遭遇した。
これがまた厄介で、個としての強さは大したことないのだが、同じ姿形をしたものは一つとして存在しない。中には子供が融合している個体まであった。
こいつらと戦うたび、精神力がゴリゴリと削り取られていく。ときおりスライムに捕食されている融合体なんかもいて、本当に悪夢の中をさ迷っているようだった。
この二種類を除けば、他に出くわしたのは肉体を持たないゴーストくらいのもので、廃都の地下にしては魔物のラインナップが貧弱だった。魔物以外の生物、たとえばネズミとか虫とかも見かけない。
そこのところを不思議に思っていたのだが、今しがたスライムに食われていた融合体を見て理解した。
おそらく、元々生息していた生き物はすべて異常繁殖したスライムに捕食されてしまったのだろう。廃都の地下はかなり前からスライムの天下だったわけだ。
あまり考えたくないが、今の状況をつくった奴――十のうち十まで魔人に違いない――は、ここにいるスライムを用いて失敗作の融合体を処分しているのではないか、という気がした。
融合体を倒してまわっている俺はそれを手伝っているようなもの。その認識がまた俺を憂鬱にさせる。
いっそ融合体からは逃げ出すという選択肢もあった。
しかし、融合体がスライムに生きながら溶かされている姿を一度でも見てしまうと、それもできない。どのみち助けられないのなら、せめて苦痛を一瞬で終わらせる。今の俺にできるのはそれくらいしかなさそうであった。
「むう、いかんなあ。暗くなるばっかりだ」
軽く頭を叩いて、暗い方へ、暗い方へと傾いていく自分の意識を引き戻す。
ウィンディアでの戦いも大概きついものだったが、なんというか、向こうでは戦い一つ取ってみても活力があったように思う。生きている実感があった、というべきか。魔物たちでさえ生命力に溢れていた。
しかし、ここにはそれがない。それはもう、見事なくらいにまったくない。
どこかで見たような通路が延々と続き、襲撃は頻繁で、それでいて敵を退けても達成感はかけらもない。得られるのは徒労感くらいのものだ。
単純で、単調な時間経過。
それでいて焦燥感だけは着実に募っていくのだからたまらない。なにしろ、松明にしても、食糧にしても限りがあり、スーシャの奇跡もいつ効果が失われるか分からない。今こうしている瞬間にも、タイムリミットは確実に近づいている。
さらにもう一つ、俺の神経をささくれ立たせるものがある。
地の底から響いてくる悲鳴のような遠鳴りである。
地上では周囲に大勢の人がいたこともあってほとんど気にならなかったが、地下に落とされてからは無視できないくらいに音圧が高まっており、執拗に耳を刺してくる。
この都市で果てた者たちの声なき声というのが通説だが、それが正しいとすれば、彼らは地下をさまよう俺に何を訴えかけているのだろう?
そんなことを考えながら歩いていた俺は、ふと何かが聞こえた気がして足を止める。
聞こえてきたのは『歌』だった。
それまでの寒々しい遠鳴りとは根本的に異なる、暖かい響きが耳朶を揺らす。
『鳥は空に、魚は水に、在るべきものを在るべき場所に』
俺はそれが神性語の詠唱であることに気がついた。
威厳のこもった、それでいて柔らかい音の連なりは、不思議と耳によく馴染む。
『火輪は朝に、氷輪は夕に、輝く時は自ずと然り』
『御魂は天に、遺体は土に、尊き旅路に祝福を』
あらためて耳を澄ませてみれば、聞き覚えのある声である。
俺は足を速めて声が聞こえてきた方向に駆けだした。
断わっておくが、別に人恋しさに駆られたわけではない。ないったらない。
状況は不分明だが、少なくとも声の主が奇跡を使わねばならない状況に陥っていることは間違いない。
そう判断したのである。
◆◆
「遠征が終わるまでもなく、またお話しできましたね」
合流したスーシャは、そう言って俺の傷を手当してくれた。朝、別れ際に口にした台詞に引っかけているのだろう。
俺と同じ程度の時間、この地下要塞をさまよっていたはずなのだが、その表情からは疲労だの心細さだのはまったく感じとれない。
教皇の小さな身体には溢れんばかりの魔力とバイタリティが詰まっているようだった。
聞けば、俺が聞きつけた神性語は浄化の奇跡を願うものだったそうで、死霊魔術で生み出された本物のアンデッドモンスターを弔っていたそうな。具体的にはレイスを。
それを聞いて、ふと思う。
もしかしたら、俺がゴーストだと思って斬っていた魔物の中には、その手のアンデッドも含まれていたのかもしれない。やたらと気力の消耗が激しかったのは、連中に生気を吸われていたからだったりするのだろうか。
「そうかもしれません。レイスが糧とする生気とは『今日も頑張ろう!』という元気のことですから」
俺の話を聞いたスーシャは、そういうことなら、と賦活(精神付与)の奇跡まで使ってくれた。
さすがは教皇というべきか、胸奥からカッカと熱いものが湧き出てきて全身を満たしていく。先ほどまで感じていた徒労感も、焦燥感もいまいずこ。強く打ち付けた背中や、火傷の痛みも消えていた。
「助かった、ありがとう」
短く、しかし心から礼を述べる。
スーシャはにこりと微笑んだ。
「どういたしまして。他に痛むところはありませんか?」
「ああ、大丈夫だ。そっちこそ平気か?」
俺はそう言ってスーシャの全身を眺めた。
こうして見るかぎり、異常は見受けられない。
あの巨大グモを一撃で吹き飛ばすような使い手だ、俺の心配なぞ無用だとは思うが、強い術が使えるからといって何でもかでも出来るわけではあるまい。地下では使える術式も制限されるだろうし。
それに、怪我はしていなくても、腹は減っているということはありえる。教皇が保存食を絶えず道具袋に入れているとも思えない。
ちなみに俺の道具袋には例の甘粥を煮詰めた物が入っている。とりあえずおひとつどうぞ、と勧めると、スーシャは目をぱちくりとさせながら受け取った。
「あ、ありがとうございます」
「最初は飴のように舌で転がして、柔らかくなったらガリガリ噛み砕くといいぞ。いきなり噛み砕いてもいいが、はじめのうちは硬いから気をつけて」
「はい、わかりました――あの、テオ殿?」
「すまん。残念ながら蜂蜜までは持ち合わせてない」
「いえ、蜂蜜の催促をしたいわけではなくてですね、その……」
スーシャは何やら言いにくそうにもごもごと口を動かしていたが、やがて思い切ったように口を開いた。
「かわらないのですね、あなたは」
「ふむ?」
何のことか、と首をかしげる。
すると、スーシャは真剣な表情で続けた。
「わたしの力を知った方は、わたしと距離を設けます。先の魔物との戦いを見られた上は、あなたもそうするだろうと思っていました」
「なるほど。そういうことか」
相手の言わんとすることを察した俺は、腕組みをしてスーシャを見た。
人は、あまりにも自分とかけ離れた力を持つ他人を敬おうとする。
対等に付き合うには相手が遠すぎるから。自分の小ささを思い知らされるから。あの人は特別なんだと、自分とは違うのだと区分けして、心の平穏を得ようとする。
九歳で司教に、十一歳で教皇になった神童に対し、周囲の人々がどのように接してきたかは今のスーシャの言葉が物語っている。
しかも、スーシャはただ血筋や学業の成績だけで高位にいるわけではない。巨大グモを一撃で吹き飛ばした、人間離れした術式。十回戦えば十回負けるという勇者の言葉は、謙遜でも何でもなくただの事実だった。
わずか十一歳にして、人間として欠けるところのない全き璧。
対等に接するには遠すぎる。敵意を抱くには高すぎる。周囲の人間が距離を置くのも、正直わからないではない。
同時に、スーシャがイズに深く懐いていた理由もよくわかった。イズの竹を割ったような性格は、窮屈で息苦しい生活を送っていたスーシャにとって、何物にも代えがたい癒しであったに違いない。
そんな教皇に対して、俺はいかなる答えを返すべきかと自問する。
心にもないことを口にしても見透かされる。慰めを欲しているわけでもないだろう。
うん、飾ることなく正直に答えよう。
「慣れ、だな」
こちらの反応が予想外だったのか、スーシャが目を瞬かせる。同時に、硬く強張っていた顔がわずかに崩れた。
「慣れ、ですか?」
「ああ。俺はアスティア様の下で戦ってきたからな。人間離れした攻撃は見慣れてる」
ついこの間も、ウィンディアからセラに達する凄まじい投擲を目の当たりにしたばかりである。
スーシャの放った雷撃は確かにすごかったが、それだけで相手を遠ざけたりはしない。
「神と人を同列に語ることはできない、と思うのですが……」
スーシャはうつむきがちに言う。
神が人間離れした力を振るうのは当然のこと。それを理由に自分を恐れないというのはおかしいのではないか。スーシャの表情から内心を読み取った俺は、あえて曲解した。
「ふむ。つまりアスティア様のような年増と自分を一緒にするな、と。なんとも大胆な発言だな」
ぶふぉ、と教皇の口から教皇らしからぬ声が漏れる。
伏せていた目をあげたスーシャは、大慌てで手と首を同時に横に振った。ブンブンと、勢いよく。
「いえ! いえいえいえ、そんなこと言ってません! 一言たりとも言ってません!」
「む? 数百年を生きたアスティア様が強いのは当然だが、自分はそうではない――それはつまり、年の差に言及したということだろ?」
「異議あり、異議ありです! 言及したのは年齢差ではなくて、もっと別のところですッ!」
ご丁寧に手をあげて異議を述べるスーシャ。
こちらの冗談を冗談と思わず、真剣に応じる律儀さはどこかアスティア様を思わせる。戦神と教皇の意外な相似を見つけた俺がけらけらと笑うと、ようやくからかわれたことを悟ったスーシャは、顔を赤くしてぽかぽかと俺の胸を叩いてくる。
その可愛らしさに、また笑みがこぼれた。
真面目な話、俺を含めて百を超える将兵が苦戦していた巨大グモを、ただ一人、ただ一撃で葬った少女に対して虚心ではいられない。敬意だけではなく、畏怖の念も俺の中にはたしかに存在する。
しかし、である。
だからといって相手を遠ざけたり、距離を置くかといえば、それはまた別の話なのだ。
そのあたりを一言で説明しようとして出てきた言葉が、慣れ、であった。
それに、イズとスーシャのやりとりを見れば、この少女が話し相手にどういう態度を望んでいるかは察せられる。
察したなら、それを汲み取って行動するのが大人というものだろう。ぶっちゃけ、俺もそっちの方が話しやすいしな!
まあ、あんまりフランクに接しすぎて、馴れ馴れしいと思われてしまっては本末転倒なので、そのあたりは注意しなければならんのだけど。
しばし後、呼吸を落ち着けたスーシャは、先のからかいに対する不満を示すように軽く頬を膨らませた。
「テオ殿、反省していますか? 山岳騎士であるあなたには言うまでもないと思いますが、シルル教団の長が戦神を年増扱いした、なんてことが知られたら、たとえそれが冗談であっても大事になってしまうんですよ?」
ただでさえ二つの陣営の間には火種がくすぶっているのだから、とスーシャが人差し指を立てて注意してくる。
これには俺も頭を下げるしかなかった。
「いや、ちょっと調子に乗ってしまった。申し訳ない」
「わかってもらえたのなら、これ以上は言いません。以後は気をつけてくださいね」
スーシャはそう言って追及の矛を収め、ついでに頬の膨らみも引っ込めた。
そして、あらためて俺の顔をじーっと見上げてくる。何やら珍獣を見つけたような眼差しに思えたのは、きっと気のせいだろう、うん。
と、スーシャがおもむろに口を開いた。
「テオ殿、あなたに一つお願いがあります」
「む、なんだ?」
「わたしのことはスーシャと呼んでくれませんか? 教皇になってからというもの、皆がわたしのことを聖下と呼ぶので、最近、自分の名前が『セーカ』なんじゃないかと思い始めているんです」
だから、一人くらいは本名を呼んでくれる人が欲しいのだ、と。
冗談なのか、本気なのか、わりと深刻な表情で訴えてくるスーシャに対し、俺は特に考えることもなくうなずいた。
「おやすい御用だ」
「いちおういっておきますが、名前の後に教皇とか様とか付けちゃダメですよ?」
「ようするに呼び捨てか。大司教とか聖騎士団長あたりに見つかったらエラいことになりそうだが、まあいいか。スーシャ、と。これでいいんだろ?」
さっそく呼びかけてみる。すると――
「あ……はい! それでお願いします!」
蕾が花開くような笑顔を浮かべて、スーシャはこくこくとうなずいた。
◆◆
こうしてスーシャと合流した俺は、幼い教皇と交流を深めつつ、地下要塞の探索を続行した。
魔物がうようよしている廃都の地下で、出口がわからずさまよっているという危機的状況は合流前とさして変わっていない。
しかし、心身にかかる負担は段違いに減っていた。
やはり話し相手がいるといないとでは大違いだ。なんてことのない会話の一つ一つが、苛立ちや焦燥を遠ざけてくれる。名高き聖女の護衛と思えば気合も倍増だ。
付け加えれば、この聖女様は奇跡による回復、浄化、雷撃、武具強化にくわえて錫杖による接近戦もいけるので、戦力的には五倍くらい増えた安心感があった。
もちろん、体力も気力も無限に湧き出すものではないから、あまりスーシャの奇跡に頼ることはできない。そもそも、いい年をした大人が、この状況で十近く年下の女の子に頼るという発想が間違っている。
ここは華麗に要塞を踏破して「テオってすごいですね!」と拍手の一つでももらいたいところだった。
まあ、それは冗談としても、なるべく早く出口を見つけたい。
イズたちのことも心配だし、教皇や聖騎士団長といった指揮官を失った遠征隊がどうなっているのかも気にかかる。地上に戻ったら遠征隊が壊滅していました、なんてことになったら洒落にもならん。
そんなわけで、俺はこれまでにも増して精力的に歩き回ったが、やはりというか、地下要塞の広さと魔物の襲撃が早期脱出を阻む障害となった。
特に後者とはうんざりするくらい遭遇した。
スーシャの方も俺と合流する前に何度も戦っていたそうで、とくに融合体と対峙するつど、少女の顔には悲しげな表情が浮かぶ。俺と合流する前、浄化の奇跡を使ってみたのだが、まったく効き目がなかったそうだ。
これで、融合体が廃都に生息する新種のアンデッドだったという可能性も消えたことになる。
「……この者たちの正体がテオの予想どおりだとすると――」
何度目かの遭遇戦の後、スーシャは倒れた融合体の一つを悲しげに見下ろしながら口を開いた。
「ランゴバルド王国では、相当数の人間が魔人に捕らえられていたことになりますね」
「ああ。十や二十ではないのは分かっていたが、ヘタをすると百や二百でもなかったのかもな。あのときはセラに急いでいたから、結局、詳しいことは分からずじまいだったが」
うがった見方をすれば、捕まったのがランゴバルド人だけであるとは限らない。魔人はどこにでも現れる。それはつまり、どこの国の人間が犠牲者になってもおかしくないということだ。
ただ、一国を覆し得る力を持った魔人が、こんなことをする理由はよく分からないままである。
人界で活動する魔人の目的はシルル神の霊廟にあると思われるが、この融合体と女神の墓所に関わりがあるとは考えにくい。
いや、あるいはどこかでつながっているのだろうか?
ここでどれだけ考えても答えが出ないことはわかっているが、それでもついつい考えてしまう。
その後もあちこち歩き回ったが、一向に出口は見つからない。
今さらだが、この地下要塞は攻めてきた魔物を迷わせるべく、わざと通路を迷路状につくってあると思われる。国境付近に位置する城塞都市なんかでは珍しくない造りだが、いざ自分たちがそこを歩くとなると、面倒なことこの上なかった。
それでも諦めることなく、さらに四半刻ばかり歩き続けた結果、俺たちはようやく「通路」ではなく「施設」らしい場所を発見することができた。おそらく防衛拠点のひとつとして建てられた場所だろう。
「ちょっと中を確かめてくるから――」
ここにいてくれ、と続けようとした俺の言葉をさえぎるように、スーシャはしれっと言った。
「まさかとは思いますが、いつ魔物が襲ってくるとも知れない場所に、かよわい女の子を一人で残していくつもりじゃないですよね、テオ?」
まさしくそう言おうとしていた俺は、思わず言葉に詰まった。
「いや、しかし、中が魔物の巣窟になっている可能性もあるわけで、ここは慎重を期す場面ではなかろうか?」
「ようやく頼りになる方と出会えてほっとしているわたしに、また一人になれと、そういうんですか?」
つま先立ちになって、ぐいっと顔を寄せてくるスーシャ。責めるような上目遣いに、うるうると目を潤ませるおまけ付き。
今のスーシャは、融合体について語っていたときの真剣さとはうってかわって、いかにも悪戯っぽい雰囲気をかもし出している。
これまでも何度か感じていたが、スーシャは教皇としての振る舞いと、年相応の少女としての振る舞いに差があって、いきなり態度を変えられるとどうしても困惑してしまう。
見るかぎり、それを意識的にやっている場合と無意識にやっている場合があるが、今のはどう考えても前者だった。先刻の俺のからかい(女神との年齢云々)に対する反撃のつもりなのだろう。
――はいはい、降参降参。こんなん勝ち目ないっすわ。誰だ、スーシャにこんな仕草教えたやつは。
俺が両手をあげて降伏を宣言すると、スーシャは嬉しそうにぱちんと手を叩く。
ある確信を覚えながら、俺は教皇に問いかけた。
「一つ聞くが、今のはイズに教わったか? 奥義とか何とかいって」
「はい!」
輝くような笑顔でうなずかれてしまっては、それ以上文句も言えなかった。




