表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

密室殺人事件

小説を書くのは初めてですが、がんばります!

速水陽介は悩んでいた。元来陽気であまり悩まないこの男にしては、珍しく本気で悩んでいた。

「ああ…どうしよう」

見ているこちらの気分が滅入ってしまいそうなほどの悩みっぷりである。

速水陽介は刑事である。茶髪にピアスの外見からはとても分からないが、正真正銘警視庁捜査一課の刑事なのである。

陽介の悩みの原因は、幼なじみの教師にする頼みごとである。

「いくら俺が能無しだからって、あいつに頼みに行かせるかよ…ったく、あの鬼警部!」

随分な言いようだが、とにかく陽介は目的地―聖蘭学園に向かった。聖蘭学園のドアを開けて、陽介は中の人物に声をかけた。

「雅人!起きろ!」 ソファで寝息をたてていた黒瀬雅人は機嫌悪げに陽介を睨んだ。

「…何しにきた…」 寝起きでかすれた声には、迷惑だという色がこめられていたが、陽介は気にせず続けた。

「頼みがある。とにかく起きて話を聞けよ。」

雅人はソファから起きて軽く欠伸を漏らした。そして藍色の瞳を陽介に向け、続きを促した。

「一週間前に推理作家が自殺したっていうのは知ってるか?」

「知ってる。ガキどもが騒いでいやがったからな。」

瞳と同じ藍色の髪を掻き回しながら、面倒くさげに答えた。 「…で?俺に頼みたいことってのは何だ?まさか世間話しにきた訳じゃねぇだろう。」

「ああ…警部がさ、またお前の力を借りたいんだってよ。」 雅人は訝しげに瞳を細めると、意味が分からないと言うように、疑問を言った。 「自殺なんだろ?俺の力なんていらねえんじゃねぇか?」

「いや、最初は自殺だったんだ。でも調査していくうちに他殺の線も出てきた。他殺にしても、部屋には鍵が掛かってる。窓にも内側から鍵が掛かってるしで、密室殺人だって言われてんだよ。」

「密室…ねぇ…」

雅人は愛用のセブンイレブンのタバコに火をつけると、煙を吐き出しニヤリと不敵な笑みを浮かべた。

「いいぜ。その依頼、受けてやるよ。」 「マジで!?さすが名探偵!これで警部に怒られずにすむ!」 読者諸君には、なぜ一般の教師である雅人に捜査協力がかかるのか理解できないだろうから、まずは雅人について述べようと思う。

黒瀬雅人は聖蘭学園の養護教諭である。だらけた服装と態度からはとても仕事ができると思えないが、事実そうなのである。雅人は教師であるが、しかし、その頭のキレの良さと深い知識で、いくつもの難事件を解決に導いた名探偵でもある。というわけで、警察はかなり頻繁に雅人に捜査協力を依頼しているのだ。

「とりあえず現場に行くぞ!密室を見てもらわないとな!」 「へいへい…」

陽介は雅人を連れ出し、二人で現場に向かうのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ