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前世は不遇な人生でしたが、転生した今世もどうやら不遇のようです。  作者: 八神 凪
波乱の学校生活

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41.魔法の在り方


「アル……あなた、詠唱や魔法名すらも省いたわね?」

「え? うん、いつも使っている魔法は結構できるよ、ほら」


 今度はファイヤーボールを適当に撃ち、的に当てる。

 これも最初にマイヤから教わっているので、完全詠唱と略式詠唱どちらでもそれなりの威力を出せるようになっている。

 最近、無詠唱で出せるようになったけどこれは俺のマナと魔法のイメージがすり合ってきたことによる……らしい。


 かねてより魔法を撃つ時にいちいち声を出すのは効率が悪いなと思っていたところ、あの本にそういう項目を見つけて実践したというだけなんだけど。


 『言霊』という概念が日本にあったが、魔法はそれを具現化していると思っていい。

 口に出してイメージを固め、それをマナによって形にするという感じかな?

 ただ、あくまでも撃ちだしているのはマナを形にしたものなので、イメージがしっかり頭で出来ていれば詠唱しなくても出せるのは理屈として合っていると思う。


「はあ……アル、それが出来るのを知っているのは?」

「え? ええっと、カーネリア母さんや双子の兄妹かな。ゼルガイド父さんにはまだ見せてないよ。で、今、ミーア先生とラッドが見たくらいじゃないかな」

「それくらいなら……カーネリアはなにか言っていなかったかい?」

「うーん……めちゃくちゃ驚いていたけど、天才だって喜んでいたかな」


 俺があの時の母さんを思い出しながら苦笑すると、先生は首を振りながらた、まため息を吐いた。


「控えめにいってアル、今あなたがやったことは天才と称されるレベルの行為です。間違いなく凄いことなのだけど……もしあなたが国に縛られない生き方をしたいなら、あまり見せるべきではないわね」

「そうかな?」

「そこで目をキラキラさせているラッドが解りやすいかしらねえ……。この子は王族。どんな手を使ってでも囲い込むことだってあると思わない?」

「む」


 俺が口をへの字にしていると、ミーア先生は話を続ける。


「無詠唱はそれ自体が有用で、ややもすれば暗殺に使えたりするわ。あなたがそれを教えることができると分かれば拷問してでも享受させようとする国に捕まったりするかもしれない」

「あー……」


 確かに今は軽い気持ちで使ってみたけど、俺が思っていることを悪用する輩が出てくるのはその通りかもしれない。

 世界征服を考えている国なら、町に数人入り込んでサイレントキルすることは容易だし、俺もあの黒い剣士を見かけたら背後からそういう使い方をするだろう。


「あなたが強くなることは良いことだと思うわ。だけど、そういう危険があることも覚えておきなさい」

「うん」

「僕は内緒にしておくからね! でも大きくなったら側近に――」

「嫌だ」

「決断が早いよ!?」


 軽くラッドをあしらっていると、表情を柔らかくしたミーア先生が手を叩きながら俺達へ言う。


「それじゃ、始めましょうか。無詠唱はとりあえず止めておきなさい。少なくとも、誰も居ない時以外使うことを禁じますからね」

「はーい」

「教えて欲しいなあ」

「中級生になったらアルに教えてもらいなさいな。……私もやってみようかしらねえ」

「マジ?」


 俺の反応に笑う先生。


 だけど、さっきの表情……

 後で話をするけど、あの本のことといい、先生には色々と苦労をかけそうな予感がしてきた。

 

 まあ三年くらいなものだし、心の中で謝っておこう。

 そんなことを思いつつ、俺とラッドはマナの強化のため魔法を使いまくった。



 ◆ ◇ ◆


 ――別クラス


「わー、凄いね! あの子、入学式の時にも凄い魔法を使ってた子かなあ?」

「多分そうだよ! ていうか、ラッド王子がなんで一緒にいるんだろう?」

「……」

「ほら、自分たちの魔法を鍛えなさい」


 他の場所で魔法の訓練をしていた副団長グノシスの息子イワンがアルフェンとラッドを、憮然とした顔で見つめていた。


「(くそ……王子の姿がどのクラスにも無いと思っていたらあいつと一緒だったなんて……! 取り入るよう父さんに言われていたのに、これじゃマズイぞ……)」


 副団長の座はあるが、上昇志向が強い父親なので息子のイワンに自分よりも期待をかけていた。

 小さいころからそう言い聞かされ、そのために血を吐く思いで魔法を使えるようになったというのに、それを上回る力を持つアルフェンに心奪われている状況に歯噛みをしていた。


 だが――


「(……しかし、あいつ本当に凄いな……王子に近づくチャンスでクラスメイトがあいつだけなら、俺もあそこに入れてもらえばいいのか?)」

 

 楽しそうなラッドを見ながら、イワンは目を細めてそんなことを考えていた――

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