第34話 結局これって別物だろ?
迷宮配信【ガチでやるぞ】
と言う名前の配信タイトルの動画のアーカイブをエベネットは俺たちに見せる。
それは先ほど言っていた迷宮探索というウリにした競合となる存在。
「さっき気にする必要はないで纏まったのになんで見るのさー」
「気にしないにしても良いところは取り入れるべきだろ」
「そうね、この業界は良いところは真似るは大前提よ」
「…あと、私個人として…何も知らないより知っていた方が良いかと?」
なんで、俺が全員から責められる流れなの?
いや、まぁ、言いたいことはわかる。
ただ個人としては見ても…参考とかそう言ったものは難しい。
そんなことを考えていると動画が始まる。
『こ、こんな感じでいいのか?映ってるか?』
『えっとちょっと待ってね…うん、映ってるよ』
映ったのは六人ほどのグループ、前の方にいるのは父娘の親子なのか、どことなく雰囲気が似ていた。
『全くリーダーしっかりしてくださいよ』
周りも茶化すような感じでいかにも仲良しな感じがある。
年齢層は若いのが二人、青年が二人、中年くらいが二人といったところだろうか?
『今日は迷宮探索をしていきたいと思う』
『お父さん、ちゃんと初めましてとか挨拶入れて』
あーそっちもそっちで大変そうだなぁ。
「うちは一切挨拶入れてませんけど?」
なんか、元記者さんがなんか言ってるけど無視無視。
うちはうち、よそはよそなので。
そうやって真面目に進んでいく。
『一旦下がれ、ーーは前に出て防御陣を敷くぞ!』
なるほど、さっきの女の子の父親っぽい人が指揮管理してるわけか。
全員が統制取れている。
そして、何よりも先ほどの女の子がすごいな。
アクロバティックな動きで壁を蹴り敵の背面を取ったり上からの奇襲、翻弄など、遊撃やアタッカーとして、便利な動きである。
「んで、これ見せられて俺は何を言えと?」
全て見た感想である。
ぶっちゃけすごいなぁ〜くらいの感想しか湧かない。
「いや、言うことくらいはあるだろ?」
「んーいや、ないな…だってほら俺たちとは完全に別物だろ?」
そう、違うのだ。
俺たちは火力や性能にものを言わせて…それ関係なく、軽いノリと雰囲気でやってるのに対して、彼らは迷宮での緊張感や危険性を重視している。
多分意図的なのか、言葉選びとかも流れも俺たちの反対である。
要するに相手は明確に俺たちに目くじら立ててるわけだが…
「あー言う風に迷宮の危険性を訴えるって俺たちにはできないことだし」
その言葉に3人は考え込む。
「お前にしては真面目な意見だ」
「エベネットは俺をどう言う風に見てるんだ?」
「ふざけたやつ」
酷くない?
「なるほど発信する内容の違いね、同じことを見せていても人、やり方で視聴者に与える印象は大きく異なるわけか、記者をしてる時もそう言うのは重要視してたわね」
「俺の言いたいこと全部言われた!?」
「ふふん、溜めるからダメなのよ」
彼女は彼女なりの解釈というのを展開してくれる。
おかげで説明などの手間が省けた。
「えっと、てことは、コンテンツ的な類似点はあるけど、ノリでやるタイプと真面目な解説系くらいにコンテンツとしてのカテゴリーは競合してないってこと?」
「さすが現役、そういうこと言いたかったけど言葉が思いつかなかった!」
そんなこんなで話し合いがまとまっていき、現状ではそんなに気にする必要はないと言う形で終えるのだった。
そうして解散していき、俺とエベネットだけが残る。
俺はのんびりと伸びをしてお茶を啜る。
「んで?本当に警戒してることは?」
俺の一言にエベネットはため息を吐く。
「一つ聞きたいが、迷宮に一般人が潜ることはどう考えている?」
「難しい質問だし何が聞きたいか明確にしてくれ外した答えを言うぞ」
「はぁ、今の迷宮での危険性をお前はどう考えている」
エベネットの質問に俺は悩む。
正直な話、いずれは迷宮と向き合わざる終えなくなる。
それならば早い方がいいが…
だが、一つ言えることがある。
「エベネット、彼らの配信は注意して欲しい、このままだと、多分…死ぬよ」
俺はそう答えるのだった。
いつものように補修をさせられていた俺に突然の連絡!?
いや、知らないよ。
でも…
なんだかんだと補修から抜け出す一大作戦を決行する!
次回『ついて来い!ショウジ!』
お前は俺のなんだ?
記憶と技術の中に、我々は生きている!リリース!




