明鏡止水と星
二話目です。文章力向上に努めていきます。
星の輝きは、他の星の光を潰す。輝く星の終わりは皆んなに知られる。けれど、輝きこそすれ、他の星に光を奪われた星の一生の始まりと終わりは誰にも知られることはない。
宇宙は綺麗なのに、星は夜の景色を輝かせているのに、何故私は物悲しいことを考えてしまうのか。静かで清廉な水面に滴を垂らしてしまうのか。それはきっと、、、。
今夜は清々しいほどに晴れ渡っていて、月は私を見守っていてくれている。他の光を奪いながら、、、。
「この頃、ずっと顔を見せなかったくせに。なんだ、門出を祝いに来てくれたのか?」
最期に星に手を伸ばす。あいも変わらず手は届かなくて、
「なんて世知辛いんだ。誰にも優しいようで、誰に対しても冷たいんだな。」
なんて悪態をついてみた。後世に名を残したいだとか、脚光を浴びたいだとか考えはしたけど、根本にあったのは、誰かの心に残るは話を作りたい、という想いだけだ。まぁ、わたしは最後の最後まで誰にも見向きされなかったわけだが。けれど、最期の最期だけは星々が、宇宙が見ておいてくれるらしい。星は、宇宙は、月は、何もなさなかった私の死を嘆いてくれるだろうか、涙を流してくれるだろうか。もし、誰の目にも映るこの宇宙が悲しい顔を、私の死を嘆く顔をしてくれるのなら、これ以上に嬉しいことはない。誰かの心に私という存在がそっと残るのだから。人の想いにそっと残る話を作りたかった、ありふれた私を知ってくれるのだから。もし知ってくれたなら、私の話を読んで、感想を聞かせてほしいな。
7月7日、誰もいないマンションの屋上から一人の男が、誰も知らぬ星へと向かった。
人の想いに優劣は無いと言うけれど、人の想いを認知するのが人である以上、優劣というか差異はできてしまう。けれど、そのどれもが尊重されるべきだし、その想いたちに目を向けることに、人が人たる要因があると僕は思うのだ。




