ランクアップ
俺がこの町に来てから1週間ほど経った。
俺は早くランクアップするために毎日依頼を受けていた。
そして後2つ依頼をこなせばランクアップできるのだ。
そのため今日は2つ依頼を受けることにした。ギルドでは同時に2つ以上の依頼を受けるのはダメだが、依頼をこなした後、すぐに別の依頼をするということは可能なので今日はその方法を使ってランクアップする。
ランクアップの理由はEランクでは一番高い報酬が銅貨55枚なので『兎の憩い場』で生活するには金が少し足りなくなってしまうのだ。
だがDランクに上がれば一番高い報酬は銅貨80枚なのでDランクに上がればここでの生活を続けていくことが出来るのだ。因みに討伐依頼もDランクからできるようになる。
そして俺は1つ目の依頼の『薬草採取』を終わらせたので今から次の依頼を受けるところだ。
次の依頼は何にしようかな。よし、この『迷子のペット探し』にするか。
俺は依頼の書かれた紙を持って受付に行った。
「あれ?セイジさん。さっき依頼完了しましたよね?今日はもう1つ受けるんですか?」
「はい。あと1つ依頼を完了すればランクアップできるので。」
「あれ?もうランクアップできるんですか?他の初心者達より早いですね~。はい。それでは気を付けていってきてください。」
「はい。」
そして俺はギルドを出てペットを探しにいった。
ギルドを出た俺はいったん宿に戻ってムーンさんに電話をかけた。
「はい。どうされましたか?」
「実は今、迷子のペット探しをしているんですけどペット探しにピッタリなスキルってありますか?」
「ありますよ。『探索』というスキルです。探したい物や人を見つけ出すという能力です。もしよかったら『探索』のスキルを地図アプリの機能に追加しましょうか?」
「そんなことできるんですか?是非お願いします!」
「ではちょっと待ってくださいね。」
ピロン
「はい。地図アプリの機能に『探索』を追加しておきました。」
「ムーンさん、ありがとうございます。」
「いいんですよ。それではまた。」
そう言ってムーンさんは通話を切った。
早速使うか。
えーと地図アプリを開いてそれから………お、あったあった。それでこの『探索』をタッチして探したい物や人の特徴を入力して………おお!出てきた!えーっと今、迷子のペットがいるのは………お、ここから近いな。よし、早速捕まえに行くか。
そしてペットを捕まえた俺は依頼者の元に届けに行った後、ギルドへ向かった。
「おや、セイジさん。おかえりなさい。もしかしてもう見つけたんですか?」
「はい。宿屋の近くの空き地にいました。はい、これが依頼者からの証明書です。」
「はい、確かに受け取りました。セイジさん、依頼達成です。なお、セイジさんは今回の依頼でEランクの依頼を10回成功したので今からDランクに昇格です。おめでとうございます。」
「ありがとうございます。明日からは討伐をメインにしていこうと思います。」
「いいこと言いますねぇ。セイジさんは。それではまた明日。」
ギルドを出た俺は『兎の憩い場』へと帰った。
「あ、セージさんおかえりなさい!」
「ただいま、ティナちゃん。」
「おや、セイジさん。なんだか嬉しそうですね。何か良いことでもありましたか?」
「ギルドのランクが上がったので明日から今までよりも高い報酬が受けられるようになったんです。」
「ほほう、それはおめでたい。今日はセイジさんの料理を少し豪華にしましょうか。」
「え?そんな悪いですよ。」
「いえいえ、これは私がしたいことなので気にしなくていいんですよ。」
そんなこと言われてもなあ………あ、そうだ。
「でしたら俺にも何か送らせてください。」
「え?いやいやそんなことしなくても大丈夫ですよ。」
「いえいえ、これは俺がしたいことなので気にしなくていいんですよ。」
俺はティルさんが言ったことをそのまま返した。
「なるほど。でしたらありがたくいただきますよ。それで何を頂けるんですか?」
「これです。」
「おや、セイジさんは『収納』スキルを持っていたんですか。それで私が頂ける物は………こ、これはラッシュブルの肉!?」
「はい。よかったらどうぞ。」
「よ、よろしいのですか?ラッシュブルの肉は買うときにはそれなりのお値段がするのですが………。」
「俺、料理出来ないんです。肉も下手くその俺が調理するよりティオさんやティルさんが調理したほうが美味しくなると思いまして。」
「そうですか………。分かりました。ありがたく頂戴します。そうだ!今日はこの肉のステーキをセイジさんの料理のメニューにしますよ。」
「あ、いいんですか?」
「いいんですよ。もともとセイジさんの肉だったんですから。」
「やったーお肉ー!ラッシュブルのやつ!」
ティナちゃんはとても嬉しかったのかピョンピョン跳び跳ねていた。
そして夕食の時間。
今日は他のお客さんは珍しくいなかったのでティナちゃん、ティルさん、ティオさんの家族と一緒に食べることになった。
ティナちゃんは待ちきれないのかすごいヨダレをたらしながら肉をじっと見ていた。
「それじゃあ食べようか。」
「「「「いただきます。」」」」
俺たちは最初に肉を食べた。ラッシュブルの肉はすごい美味かったし、そして楽しかった。
ティナちゃんがステーキをおかわりしようとしてティオさんに怒られてそれをティルさんが笑いながらなだめるという光景を見て懐かしいことを思い出した。
俺がまだ中学生くらいのとき母さんが焼いたステーキが美味しくて思わずおかわりしようとして母さんに怒られ、父さんがそれをなだめ、それを見ていた愛華と香那姉さんが笑って………という懐かしい思い出だ。
その日の夜、俺は久しぶりに母さんと父さんの夢を見た。
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