表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/103

11話【追放サイド】パーティーの異変

 俺の名はアーノルド。

 今一番勢いがあり、魔王討伐に近いと言われているパーティ、【勝者の集い(ウィナーズ)】のリーダーだ。


 先日はパーティのゴミであるリクトを追放した。

 雑魚をいたぶるのは最高に気分がよかったぜ。

 俺の仲間たちも生き生きしてやがったな。


 お荷物も排除したところだし、ここからはSSランクまでいっきに昇格して魔王城へ挑むつもりだ。


 俺たち三人でも十分だが新たにメンバーを補充するのも悪くないな。

 きっとこぞって仲間にしてくれと懇願してくるだろう。


 パーティーメンバーが増えればその分報酬が減る。

 だが問題はない。なぜなら土壇場で切り捨てるからだ。


 残りのメンバーであるルキシアとハウザーにも同じことが言える。

 俺はあいつらを仲間だと思っていない。

 使えるから手元に置いてやってるだけだ。


 自分が勝者だと思ってる奴は足元をすくわれやすいからな。

 くっくっく、今から絶望する様が楽しみだぜ。


 勇者はこの俺、アーノルド様一人で十分なのさ。

 勇者になった暁にはこの国を貰い、好きなだけ女を抱こう。







「なんでまた死の洞窟なのよ。こんなとこよりもっと強いダンジョンにすればいいのに」

「まあまあ、どれだけ強くなったか試すには丁度いいじゃないっすか」


 俺たちは今、死の洞窟を訪れている。以前は楽勝すぎて拍子抜けしたが肩を慣らすには丁度いい。お荷物がいない分、難易度はよりイージーになるだろう。


「そういうこったルキシア。文句言わずについてこい」

「しょうがないわね。さっさと終わらせるわよ」

「オレたちなら楽勝っすよ!」


 ルキシアは回復魔法や補助魔法による支援、ハウザーは魔法攻撃、俺は剣での戦いが得意である。完璧な布陣だ。


「よしいくぞ! 油断はするなよ」


 俺が先陣切って進んでいくと、さっそくモンスターが現れた。


──────────

 名称:大王ムカデ

 体力:S

 物攻:B

 物防:A

 魔攻:S

 魔防:B

 魔力:S

 俊敏:A

──────────


 Sランクのモンスターだが問題ない。

 以前出会ったときは俺が瞬殺した。


「早速出やがったっすね! やっちまってくださいアーノルド様!」

「相変わらずきっしょい生物ね。さっさと倒しちゃって」


 仲間からの信頼も厚い。

 頼れるリーダーの背中ってヤツを見せてやるか。


「任せとけ!」


 俺はそう叫ぶと魔剣【大災害(カタストロフィ)】を引き抜いた。先日討伐したカタストロフドラゴンから生成した、この世にわずか十本しかない名刀の一つだ。


「新たな愛刀に血を吸わせてやるか」


 俺は大地を蹴り、一直線に敵へ突っ込む。


「うおおおおおおおお!」


 一閃を放ち、真っ二つにする。

 敵は無様に奇声を上げて死ぬ。

 そのはずだった──


 バゴン!!!


「ぎやああああああああああああああああ!!!」


 奇声が出たのは俺の声帯からだった。

 俺はムカデに軽く払われ壁に突っ込んだのだ。


「き、気をつけろお前ら! 以前までの敵とは違うぞ!」


 俺はすぐさま立ち上がり、平静を装う。

 弱い者には誰もついていかないからだ。


 とは言ったものの…………は? 何だこいつ。全く見えなかったんだが? この最高級の超合金防具を着てなかったら今頃トマトになってたぞ。俺より強いモンスターなんて存在するのか?


 俺は王国一の実力者だと自負している。

 こんな小物に負けるわけがない。


「もしかしたら最近よく聞く突然変異かもしれないっすね。オレたちも援護します!」

「まあ私たちなら余裕っしょ。焦らずいきましょ」


 なんだそういうことか。ビックリさせるなよ。

 まさか俺が小物相手に吹っ飛ばされるわけないよな。

 俺たちはパーティなんだ。連携プレーで葬ってやるとしよう。


「よしお前たち。俺たちの力を見せてやるぞ!」

「はい、アーノルドさん!」

「援護は任せなさい。いつもみたいにダメージ軽減しとくわ。≪強防(バフェンス)≫!」


 ヒュイーン!


 ルキシアのバフは優秀だ。

 これを使えばどんな攻撃もハエが止まる程度にしか感じない。


「反撃だ! 死ねええええええええ!!!」


 俺は剣を振り上げ、襲い掛かる。

 俺に恥をかかせたんだ。出来るだけ残酷に殺してやろう。


「オレも援護します! 彼の者を拘束せよ≪雷縛(トニトバインド)≫!」


 ハウザーが魔法を発動。

 これは敵を痺れさせ、拘束する技だ。


 強化した体で突っ込み、拘束した敵を穿つ。

 それが俺たちの必勝パターン。

 このコンボを食らって生きていたものは存在しない。

 今回もそのはずだった──


 バキッッッッ!!!


「ぐあああああああ!!! 痛い! 痛いよおおおおお!!! 死ぬ、死ぬううううううううう!!!!!」


 敵の攻撃をもろに受けた俺は、またもや壁に突っ込んだ。

 しかも手を突いたときに腕の骨が何本か鳴った。

 激痛が走る。


「おおおおい! ハウザー! バインドはどうした!」

「ちゃんと使いましたよ!」

「はぁ!? 全然効いてねえじゃねーか! おいルキシア! 補助魔法はどうした!!!」

「は!? しっかり使ったっつーの! なにみっともなく喚いてんのよ。早く倒せや!」


 なぜこんなに痛いんだ。俺が叫ぶなんて何十年ぶりだ。くそ、この敵なかなかやりやがる。きっとSSランク以上はあるな。


「こいつは絶対普通じゃない! いったん出直すぞ!」


「キシシシシシシシシシ!」


「ま、回り込まれました! とりあえず奥に逃げましょう! 敵は速いので注意してください!」

「んなことわかってんだよ! 参謀ならもうちょっとマシな案出しやがれ!」


 くそ、どいつも使えねえ。

 なんでこうなっちまったんだ?

 俺たちはどんな強敵だろうが無傷で倒してきた。

 なのに突然これだ。今までと一体何が違う……?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

コミックス発売中!!!


3巻書影
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ