表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【遭難X3した】人生に遭難した挙句雪山遭難したら、異世界に遭難した。【遭難X3した】  作者: まろやかポン酢風味
序章~人生からの遭難と雪山遭難~
3/15

【03】ホームレスからの脱出サバイバル

~ここまでのあらすじ~


公園で野宿することにしたのだが、蚊の猛攻に耐えられず脱走し始めることになった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


『』は手紙や念話の表現に使おうかと思います。

(人の心や思いや意思が表現された文章や、電話で通話している相手の話し声、念話で送られてきた思念等。)

{}は“ナレーション”や作者の自分ツッコミなどです。

[]は“文字表記”の表現です。

(看板やお知らせ、新聞などの事務的な文章等。)

“”は名称などの表現にしようかと。

かゆい、鬼痒おにかゆい。ひたすら痒い、まだ蚊の羽音が聞こえる。もういやだ。

涙と鼻水にまみれた二重顎にじゅうあごに度のきつい眼鏡をかけたビールっ腹のおっさんが、体中、というか、

服の上からも刺されているので体中なのだが、見えないところから見えるところまでくまなく虫刺されで赤く腫れあがっているのであった。


既に蚊からは逃げおおせたのだが、蚊の羽音が聞こたような気がするので無闇に手を振り回して蚊を払っている。


{傍から見るとただのキチガイなので、早朝6:30分公園近くの路上で気が狂ったように手を振り回している半裸のおっさんは正しく事案ものだった。

事実、犬の散歩をしているらしき若い女性が マサシ の方を見ながらスマホで何かタップしていたので、おそらく、通報していたのであろう。

ジョギング中の男はフードを深くかぶり直して見てない振りをする。}


虫刺されの薬を塗りたいが、今はないので仕方がない、カリカリと体中の虫刺されの腫れをひっかいていると、何かすごく酸っぱいにおいと、お風呂に何日か入っていない人のような臭いがしてくる。


まさか、まさか俺じゃないよね?と現実逃避をしながら、念のために自分の脇の下近くをすんすんと嗅ぐ。

「ごぉっほ!ぐぇっへ!がぁっは!!」見事に自爆した。

くっ!!!くっせぇえええええええええええええええええ!!!


間違いない、いや、間違いないも何もない、

この辺で昨日一昨日と風呂に入っておらず、汗まみれのやつと言ったら俺しかいねーじゃん。

臭い嗅ぐまでもねーじゃん、無駄にダメージ食らったじゃん、自分のくささでむせたじゃん!。


そのうえ蚊の羽音に怯えて変な踊り踊ってるとか、ぜってー危ない奴じゃん。事案発生だよ。

あ、警察に捕まったら風呂入れてもらえるのかな?

・・・

いやいやいやいやいや

それは、なんか、ダメな気がする。


虫刺されの薬よりも先にお風呂に入るべきだろうな?。もちろんエッチなサービスをするお風呂屋さんは無しだ。こんな文無しが利用しようもんなら、怖いオニーサンたちにどやされる。どんなことをされるかは分からんが。


そういえば、ネット難民はネカフェでシャワーを利用して寝泊まりしているというのを聞いたことがあるな。


と言うことで、ネット検索で調べてみると、ここからそれほど遠くないところにある、某大手ネカフェがそのサービスをしていることが判明したのだが、そこは会員証を作らないと利用できず、会員証を作るには免許証や保険証のような身分証明書が必要なのだ。


そんなもんもってないし作ったこともない、家から出ないんだから免許証もいらないので免許取りに行っていない、あ、ちょっと嘘つきました。18歳になったときに「免許くらいとってこい」と親父に言われ、お金をもらって教習所に行ったのだが1週間で挫折した。

教習所の教官ってさ、なんであんなに偉そうで高圧的なの?女の子には甘いのに。。。


まあ、そういうわけで免許は持っていないので、別のものが必要だ。

マイナンバーカードも作ってないし、そもそも個人番号カードを持っていない。

あれ?あれって世帯ごとじゃなくて各個人毎に一枚だから、俺の分もあるはずじゃね?

親ん家にあるな・・・多分。


どうしよう。電話で聞こうか、帰って聞こうか・・・もしくはカバンのどこかにあるのか?ボストンバッグはあまり詳しく見てないし、バックパックのポケットも調べてはいない。

しっかり者の母のことだから、どこかに入れておいてくれたのではいないか?


公園に戻って、ベンチ下に置いてきていた荷物を調べ直す。

念のためバックパックのポケットの中もまさぐるのだが、困ったことに、探し物をすると目当てのものはなかなか見つからず、今はどうでもよいものばかりが出てくるものだ。


やけくそになって中身を全部ベンチの上にぶちまけたところで、バサッと一つの封筒が落ちてきた。個人番号通知書だった。


助かった、これがあればネットカフェに会員登録して利用できる!

だが、そのネットカフェに行く前に、ボストンバックの中身とバックパックの中身を入れ替える、というか、重量配分しなおす。

バックパックは軽いのにボストンバッグはやたら重いのだ、重量配分おかしいだろ。


個人番号通知カードだけは財布に入れておき、それ以外はバッグに戻したので、例のネカフェに行って会員登録をしよう。

現住所は、、、本当は住所不定だけど、法律上はまだ親ん家同居中なのでそっちで登録すればよいか。


本当はバス3駅分あるのだが、この臭さで通勤通学の人混みのバスに乗るにはかなりの勇気、いや、度胸がいる。

むしろ、他人の迷惑を全く顧みないでも平気でいられる鋼鉄もかくやというような揺るがないメンタルが必要だ。サイコパスだろ?それ・・・


昔の人は、それを「厚顔無恥こうがんむち」と言ったという。


{ただし、今の人もそう言う。}


そういうわけで、さらに汗だくになって歩いていくことにした。

やっとこさで辿り着いた例のネカフェで、なんとか会員登録をして利用することができた。

シャワーの利用時間が15分以内というのがきつかったがなんとか15分以内に体を洗い終えた。

やはり、ボディーシャンプーも弱アルカリ性らしく、痒みが大分収まった。体には悪そうだが・・・。


ネットカフェ内のコインランドリーで小銭が尽きたので『外出自由』を利用してすぐそばのコンビニのATMで金をおろす。

1万円もありゃ十分じゃね?ということで、福沢さんをお一人様お持ち帰りする。


3時間利用で申し込んだので、9:20から12:20までは休憩できる、その間にPCのUSB端子からスマホの充電をやればよい。スマホの充電用電池とケーブルはバックパック後ろのティッシュ類が入っているポケットにねじ込んである奴を取り出して充電開始。よし、あとは俺が寝るだけだ、ろくすっぽ寝てないので眠くて仕方がないしひどく疲れているが、腹も減ってるのでコンビニで買ってきたおにぎり2個を「おっすお茶」で流し込んで寝る。


☆☆☆☆☆☆☆☆


ふぅ~、良く寝たぜ、かつてこんなにぐっすりと寝たことがあっただろうか、労働の後の睡眠は心地が良いものだ。ただてんやわんやしていただけのことを労働と呼んでよかどうかはさておき。


そうだ、とりあえず市役所行って生活保護を申し込んで、それから就職活動すればいいんじゃね?でも、俺、就職できるのかな?また三日で辞めちゃうとかならんかな。そう考えてくると動悸がして胃が痛くなる。

やめよう、それは今考えるべきことではない。


とりま行ってみてダメだったら他を考えよう、いつものようにゴーグル先生のお知恵を拝借すればよいのだ、きっと。

俺はゴゴレカスを地で行くネットジャンキーなのだ!

それと、ゴーゴーカリーにも行きたい。


ふと時計を見る、14:30。おぅっふ・・・オーバーだぜ・・・俺のリアクションのことじゃねぇ、利用時間のことだ。5時間超えてんじゃん。入店から就寝までに小一時間消費したから、12:20までは2時間ちょいしかなかったのが無理あったのか?!

慌てて料金表をチェック、3>6時間パックに自動適用、か。よかった~。

それからは15時くらいまでお茶飲んだり食事したりしてから出発する支度をした。


備え付けのPCでネットをやる暇などなかったが、スマホと充電用バッテリーの充電が完了したので良しとする。PCの利用法がスマホの充電とか・・・。


風呂に入りぐっすり寝てから食事をするとなんと気分の良い事か、あんなに重く感じていたボストンバックが昨日よりも軽く感じるぜ。まあ、物理的に軽くなっているのだが。


代わりに、ずっしりとした重量感が半端ないバックパックのショルダーストラップが鎖骨さこつに食い込んできて痛い。っつか、俺の鎖骨、ギリギリと軋み音出してね?

だが、昨日の日中よりもはるかにましな状態なので、ふらつきながらもなんとか料金を支払い、ネカフェを出る。


市役所前行きのバス停は調べてある、数百メートルほど歩いてバス停に到着し、数分後に来たバスに乗って昼下がりの西日に照らされながら市役所に向かうのであった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

お気づきになった点や誤字脱字などいろいろと教えていただけるとありがたいです。

頑張らずに頑張っていきますのでよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ