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~旅立ち~

~旅立ち~


 やっぱり旅立つなら朝が一番だ。街の住民みんなに応援されている。街を出る前にティセには昨日あったことを話した。



「そんな研究施設があるんだ。ってか、そのオートマッピングって何?」


 オートマッピング。


 これは行先を決めると勝手に道案内をしてくれるのだ。そして、もう一つ。行ったことがある場所は全部記録されていく。


 持ち主を認識してからのマッピングだから他人のデータは見ることができないからじいちゃんのデータは見ることができなかった。


 はじめ宝の地図かと思って手に取ったのだが、実は意外と便利なアイテムなのだ。


 行先がわからない時は「近くの集落」とか「近くの飲める水場」とかで検索をかけるとその場所まで案内してくれるのだ。


 このオートマッピングのおかげで「敵に遭遇しない道」というのを検索していつも進んでいたのだ。無駄な戦闘を避けることも大事だからだ。


「じゃあ、この近くで宝石が大量にあるダンジョンって検索してみてよ」


 ティセがそう言う。確かにお金も大事だ。行先は追加することもできる。


「じゃあ、この『街と研究施設の間にある宝石があるダンジョン』で検索をした。ないと思っていたら出てきたのだ。


「やったね。まず、そこで資金調達だ。さあ、行くよ。アデル」


 そう言って先にティセは先に歩いていく。


 まあ、あの白い、淵だけ赤いローブは結構目立つ。装備としても高級だし、それにもう一つパーティー登録をすると相手の位置はなんとなくわかるのだ。


 まだまだ先は長い。でも、街を出て西側にはあまり行ったことがなかったのを思い出した。


 何もないと思っていたからだ。だから知らなかった。この辺りは魔獣と獣人が多くいるということを。



 もうすでに何度目だろう。一本角の狼を倒したのは。しかも結構な数が毎回出てくる。今回は10体だ。


「もう、こいつら倒すの飽きた。アデル変わりにやっつけて」


 ティセにそう言われた。ポーションはあるけれど、毎度魔法を使うのももったいない。


 まあ、森の中にある薬草や木の実から簡易なものなら精製できるがそれでもできるだけアイテムは使いたくない。仕方がない。


「ソードスラッシュ」


 闘気を剣に乗せて放つ技だ。数が多いのに素早く動くため連打する。


 ティセは俺の後ろにいる。倒し終わったら道の前方から女の子が走ってきた。猫耳。茶色い耳に茶色い髪、黒い瞳。茶色のレザーメイルに白いズボン。手に細身の剣を持っている。


「助けて」


 そして、その後ろにまた一本角の狼だ。5体。


「どうするの?」


 ティセに言われたが答えは決まっている。


「もちろん、助ける」


 俺は勇者だ。こういう救える命は助けるのだ。


「かわいい子だから助けるんじゃないわよね」


「もちろんだよ」


 そう言ったけれど、ティセに信じてもらえてない気がした。


「ソードスラッシュ」


 闘気を込めてなぎ払う。MPをつかわないけれど、SPが減るのが難点だ。だが、SPはそこらの薬草を煎じても回復する。というかHPと連動しているのだ。SPがなくなったらHPを消費するだけ。

 

 だが、HPはMPより回復スピードが速いのだ。ただ、魔法に比べると火力が弱い。魔法と組み合わせた魔法剣が一番火力が高い。まあ、MPもSPも減るからというのもあるが。


 気が付くと辺り一帯の一本角の狼はだいたい狩りつくした。


 気が付くとティセのレベルがまた上がったみたいだ。おかげで俺のステータスも上がっていく。


「ありがとうございましたにゃ。もう、無理かと思っていた所だったので本当に助かったにゃ。うちはミーニャって言うのニャ。お二人は?」


「こっちがアデルで私がティセよ。それでミーニャはどうしてこんな所に?」


 いつの間にか俺の前にそっとティセが現れてきた。腰に手をあて威嚇をしている。


「村に戻ろうと思ったら道が無くなっていたのにゃ。どうやら少し前に星降りがあったみたいで村への道が見当たらないのにゃ。他に道を探していたらあの狼に追いかけられたのにゃ」


 星降り。


 あのメテオストームの事か。人がいないエリアだと思っていたが、このニャンクスの集落があったとは。


「そのミーニャの村はここから遠いのか?何だったらその送ろうか?」


 そう言ったらティセに足を思いっきり踏まれた。


「いや、道がなくなった原因は俺にあるんだし」


「そうだけれど、そればれたらもっと大変なことになるわよ。集落に落ちていたら確実に大量殺戮犯だからね」


 そう考えたらぞっとした。ミーニャが言う。


「村に戻りたかったのは、この近くにゴブリンが押し寄せるから逃げてと言おうと思っていたのにゃ。まあ、実際道がなくなったからゴブリンが押し寄せてくることはないから問題ないんだけれど、でも、道がないのは困るのにゃ。付き合ってくれるとうれしいにゃ。お礼は今渡せるのはこれくらいにゃ」


 そう言ってミーニャは腰につけていた袋からひし形のクリスタルを取り出した。


「これは?」


 太陽の光に照らしてみる。透き通る。純度が高いクリスタルだ。


「それって召喚獣を封印する魔封石じゃないの?」


 ティセがそう言ってきた。召喚士。俺のパーティーにはいないジョブだった。というか、滅多にいない職種だ。


 まず、召喚できる召喚獣が弱い。というか、モンスターを倒しきらず、生かしたまま服従させるのだ。


 低位のモンスターだと倒してしまうし、高位になると倒しきらずに調整するのが難しい。そんな余裕がないからだ。ミーニャが言う。


「うん、そうだよ。うちは召喚士だからにゃ」


 そう言って胸を張られた。ティセと違って胸が大きい。そう思っていたらティセからひじ打ちを食らった。痛い。


「これは私たちには不要よ。だって、私たち召喚士じゃないから。というか、ニャンクスで召喚士って珍しくない?」


 確かにそうだ。ニャンクスと言えば敏捷性を活かした前衛タイプが多い。魔力も高くない種族だし、召喚士に向いているとも思えない。ミーニャが言う。


「といっても、使える召喚獣はまだ一体だけにゃ。しかもちょっと使い勝手がよくないというか、なんというかにゃ。まぁ、だから短剣の二刀流で戦っているのにゃ」


 腰には短い剣が二本ぶら下がっている。


「じゃあ、はぐれないようにパーティー登録するかな。これももらうけれど、後で召喚士用になる前のクリスタルがあるのならそれをもらいたい」


 加工前の方が使用用途の選択肢が増える。ミーニャが言う。


「それなら村にいっぱいあるにゃ。集落の近くに洞窟があってそこからクリスタルが採れるのにゃ。それが、村の財源。ただ、最近魔獣が増えたにゃ。だから村から出るの怖がる人が増えたにゃ」


「確かにこの一本角も大量発生しているしね。それにゴブリンも来ているのでしょう。まあ、ゴブリンくらいなら私の氷魔法で倒せるけれどね」


 ティセの氷魔法に特化している魔法使いだ。ただ、それ以外の魔法が苦手だ。特に火に関しては攻撃魔法が未だ使えない。ライトとか、ウォームという暖を取るくらいのものだけだ。


「じゃあ、パーティー登録だな」


 そう言って俺は右手を出した。登録とともに力を持って行かれる。呪いの指輪の影響だ。


「うん?なんか力がみなぎってくる感じ。やっぱり人が増えると違うよね」


 ティセがそう言うけれど、ミーニャがティセよりレベルが高いのだ。というか、思ったよりミーニャのレベルが高かった。


 いや、ティセのレベルが低すぎるのだ。そして、能力のシェアが行われたからミーニャの召喚獣についてもわかった。


 召喚獣。バジリスク。相手を石化する能力がある。確かにあの場で使われていたら俺らも石化される可能性があった。


 だが、このバジリスク結構強い。だが、バジリスクにも弱点がある。石化睨みは目が合わないといけない。また、鏡などで反射されると自ら石化する。不意打ちでないと使いにくいのだ。


「じゃあ、こっちなんだ。道案内するにゃ」


 そう言ってミーニャは道から森に向かって歩き出した。




 しはらく森の中を歩いていると周囲が同じように見えてきた。


 下草を剣で刈りながら歩いている。とりあえず、歩いてきた所を戻れば大丈夫だが、この先があっているのかはわからない。


「ちゃんと合っているんだよね。こんな森の中に入って迷子になりましたとか辞めてよね」


 いや、ティセさんそれは大丈夫です。オートマッピングがあるから迷子にはならないと思うからね。それに、迷子になったとしても元来た道を引き返せばいいだけだし。


 だが、森に入ってから気が付いた。一本角の狼も何体か出会ったが、それ以上にゴブリンとオーガに出会う。


「結構いるよね。どこかにゴブリンの集落でもあるの?」


「ちがうにゃ。ゴブリンは偵察をしてだけにゃ。主力の中央にはゴブリンロードがいるにゃ」


 さらっとミーニャが言ったが聞き逃せない単語が出てきた。


 ゴブリンロード。こいつはまずい。ティセもすごい顔をしている。


「ゴブリンロードってまずいじゃない。それって100とか200というレベルのゴブリンの量じゃないわよね」


 ゴブリンロードが率いるゴブリンとオーガの集団。それは万を超える数だ。


 前の世界で、ゴブリンロードによるゴブリンの大量発生なんておきなかった。一体何が起きているんだ。


 それとも、誰かが人知れず大量のゴブリンを倒したとでもいうのか。それは一つの偉業だ。絶対に話題になる。


 それに、こんな場所でゴブリンロードが現れたら、俺が守ったあの街も襲われてしまう。


 まさか、そういうことなのか。あの街が壊滅することを誰かが望んでいるとでもいうのか。とりあえず、大規模魔法でもぶち込んで殲滅しよう。ゴブリンロードと言ってもイーフリートより弱いだろうし。




 という思いを少し前までもっていました。ミーニャの集落についた時にその考えが間違っていることがわかった。


 ミーニャのいた集落は避難したのか誰一人いなかった。だが、ミーニャの家にはメモが残っていた。


「ミーニャへ。私たちはゴブリンから非難するため第二の故郷に行きます。そこは危ないからすぐに遠くに避難すること。王都に伯父のジールニャがいるから落ち着いたら尋ねること」


 それだけ書かれてあった。


「第二の故郷ってどこか知らないニャ」


 ミーニャはそう消えそうな声でつぶやいていた。だが、感傷に浸っている場合でもなかった。すぐに集落にゴブリンの集団がやってきたのだ。


 赤い帽子をかぶったレッドキャップ30体。というか、ゴブリンでも精鋭だろう。レッドキャップって。


 しかも、その奥に大きいイノシシに乗ったやつが4人もいる。魔法攻撃、弓矢と石つぶてで攻撃してくる。


 一人はイノシシを制御している。しかもかなりでかいイノシシだ。あのイノシシが体当たりをしてきたらそれだけで危険だ。


「おい、逃げるぞ」


 あれはヤバい。絶対にヤバい。だが、ミーニャの動きがワンテンポ遅れた。仕方がない。ここで戦うか。


 まず、「風の精霊の加護」を発動させる。これで、弓矢や石つぶては当たることはなくなる。そして、次に唱える魔法は決めてある。


「フレアバースト」


 とりあえず遠くにいるイノシシにぶちかます。あの上にいるのが指揮官だろう。そこを叩く。


 だが、イノシシに乗っているゴブリン魔法師があり得ない魔法を唱えた。


「魔術反射」


 なんでゴブリンがリフレクを唱えるんだ。反則だろう。さっき放ったフレアバーストが俺めがけて戻ってくる。仕方がない。相殺のためもう一度、フレアバーストを唱える。


 同じ魔法をぶつけると消滅させることができる。だが、これだとこの数を倒し切れなくなる。


「どうしよう。どうしよう」


 ティセがあせっている。そりゃそうだ。イノシシは結構足が速い。俺らの周りをぐるぐる回っている。そして、その間にレッドキャップが攻撃をしかけてくる。


 連携がうまく行っている。フライで飛んで逃げるにも二人を抱えて飛ぶとなると速度が落ちる。そうなると魔法の的でしかない。


 地上でどうにかこいつらを撃退するしかないのか。とりあえず、向かってくるレッドキャップにソードスラッシュをぶつけながら撃退していく。


「おい、嘘だろう」


 攻撃を受けたレッドキャップは後方にまわり回復を受けている。後方に回復できるゴブリンが3体もいる。


 おいおい、そんなの反則だろう。だが、こういう状況ははじめてじゃない。俺は勇者だ。勇者というのはパーティーを指揮する役目でもあるだろう。


「ティセ、ダイアモンドダストを地面にぶつけてくれ。できれば俺らの周り一体の地面を凍らせた欲しいんだ」


「なんで?」


「あいつらを滑って転ばせる。まずは、スピードを奪う」


 これだけ波状攻撃をされていたら、いつかは致命傷を食らってしまう。まずは、相手のスピードを奪う。


「ミーニャ。転ばなかったレッドキャップに石を投げつけてくれ。できれば顔に当てるか顔付近に」


「わかったニャ。地面に落ちている石を集めるのニャ」


 初めに飛んできた石つぶてが大量にある。こんなの風の精霊の加護がなかったこれだけで死んでいる。


 ティセがダイアモンドダストを唱え、周囲が凍りつく。うっすらと氷の膜がはられ、レッドキャップの何名かが転んだ。イノシシは走るのをやめた。野生の勘か。


 そして、ミーニャが「倒れるのニャ」と言いながら石をなげる。


 倒れたレッドキャップの首筋めがけてソードスラッシュをぶちかます。一撃で倒しきる。それが狙いだ。


 そして、これから相手の視界を遮るため「ミスト」の魔法を詠唱しようとしたら、イノシシの上にいる魔法師が「ファイアーウォール」を唱えた。


 凍りついた地面が溶けて行く。というか、倒れてまだ生きているレッドキャップも炎に包まれている。

 仲間ごと攻撃するとか反則だろう。


 だが、このファイアーウォールを利用しない手はない。ミストの魔法を中断して、俺はウォーターウォールを唱える。


 火と水がぶつかれば蒸発して辺りは靄がかかる。


「ミーニャ。壁同士がぶつかったらバジリスクを召喚だ」


 靄が晴れた瞬間、敵はこっちを見ているはずだ。耳を澄ます。相手は動いていない。そりゃそうだ。


 俺らの後ろはまだ地面が凍っている。そして、後ろで倒れているレッドキャップはティセがアイスジャベリンで倒している。


 火と水の壁がぶつかる。一気に周囲に水蒸気が立ち込め視界が悪くなる。


「ミーニャ。今だ」


「わかったにゃ。お願い来て。召喚『バジリスク』」


 そう言って地面からバジリスクが現れた。俺らより大きい緑のバジリスクが水蒸気の先を見ている。


 念のため俺は「ミラー」を唱えてバジリスクの後ろに大きな鏡を出現させる。相手が反射をしてきたらこのミラーで反射させる。


 どうせ、バジリスクは石化光線を放ったらまた地面に戻っていく。召喚獣の欠点は能力解放をすると一気に弱体化する。そのまま戦わせるより戻したほうが効率いい。連続召喚できるかは召喚者のMPによるがミーニャを見ると連続召喚は厳しそうだ。すでに汗をかいている。


 視界が晴れていき、うっすらと相手が見えてきた。


「バジリスクに石化光線だ」


「早くない?」


「いや、今だ。晴れきると対処が可能になる」


「バジリスク、お願いにゃ。見るものを石化させて。能力解放『石化光線』」


 ミーニャのその言葉でバジリスクの目が光る。反射はない。ここでやることは一つ。


「ソード・バースト・ストリーム」


 ソードスラッシュの連撃。しかも一撃がかなり強力だ。そして、SPではなくHPを消費するタイプのスキルだ。


 まあ、俺は無駄にHPが高いからできる技だ。剣戟の波状攻撃が相手に襲い掛かる。靄が晴れた目の前にあったのはごろごろと転がった石の塊だ。イノシシもゴブリンも一掃できた。


「やったの?」


 ティセがそう言う。それって、フラグだから言わないで欲しいのだが、目の前にあるのは石になったゴブリンとイノシシの砕けたものしかなかった。


「やった。勝ったにゃ。バジリスクってこう使えば活躍するんだにゃ。勉強になったにゃ」


 ミーニャが喜んでいる。


 ぱき。木が折れる音がした。音がした方を見て固まった。そこには大量のレッドキャップとイノシシが4体。当たり前だがその上にもゴブリンはいる。


「逃げろ」


 立ち上がって走り出した。あの1グループでも大変だったのに、あんなの4グループも相手になんかできるか。数の暴力だ。そう思っていたら前のように一本角の狼に乗ったゴブリンが先回りしてくる。


「あの狼ってゴブリンのだったんだ。ゴブリンライダーなんて反則だよ」


 ティセが叫ぶ。まだ、イノシシから距離がある。


「みんな、捕まれ」


 そう言って二人を小脇にかかえて「フライ」を唱える。そして「フルブースト」と唱える。


 時間は短いが魔法使用力を上げる魔法だ。1分くらいしか持たない。空からみると崖があった。この下に降りればなんとかなる。そう思って崖に向かって飛んで行った。


「ちょっと危ない。右によけて」


 ティセがそう言って右に動く。さっきまでいた場所にアイスランスが通過する。


 おいおい、もう魔法使いの射程圏内なのかよ。そう思っていたら何本もアイスランスが飛んでくる。空の天気が変わる。


 これはヤバい。一気に崖に向かって落下を決める。これはサンダー系の魔法発生の準備だ。しかも結構なレベルの。どれだけこのゴブリンはレベルが高いんだ。


 そう思っていたらサンダーストリームをぶちかまされた。ジグザグに落ちながら飛ぶ。自分でも気持ち悪いと思っていたらミーニャが「もう無理にゃ」と言って目がばってんになった感じになっていた。


 どこか隠れる場所が必要だ。そう思っていたら崖の一部に洞窟なのか穴があった。そこに忍び込む。そして、すぐに魔法を唱える。


「デコイ」


 自分そっくりのデコイを出す魔法。まあ、本来はこういう使い方をする魔法じゃないんだけれど、目くらましにも使える。そのままデコイは地面にぶつかって爆発した。


「とりあえず、ここに隠れるか」


 そう言って入り口付近に幻術をかける。


 穴が無いように見せるのだ。というか、おかしい。俺って確か魔王を倒すくらい強かったよね。そして、4魔貴族であるイーフリートも倒したよね。ゴブリンの波状攻撃の方がはるかに強く感じる。


「この幻術ってどれくらい持続するの?」


 ティセがそう言ってくる。


「まあ、とりあえず30分くらいは大丈夫だよ。それに30分も経てばあいつらもどっかに行くだろうし」


 30分でもいいから休憩したい。というか、あれ?あんまり疲れていない。


 自分のステータスを見るとHPもMPも結構ゆとりがあった。


 だが、ティセとミーニャは結構危ない感じだ。ミーニャはもうMPが残っていないし、ティセも似たようなものだ。


 俺の分をわけているのに消耗が早い。そうか、俺がバンバン魔法を使うからか。だが、今回のこの焦りはメンバーから来るものかもしれない。


 今までレベル差があるメンバーをパーティーに入れたことが無かったから知らなかったが、メンバーが危機になるとそれがこの指輪を通じて共有するみたいだ。


「ヒールプラス」


 ティセとミーニャに回復魔法をかけて気が付いた。ティセとミーニャのレベルが上がっていることに。そして、俺のステータスも。


「もっと早く回復魔法してよ」


 ティセに蹴られた。とりあえず、レベルが低くてもヒーラーは必要かもしれない。そう思っていたらミーニャがこう言ってきた。


「この奥に仲間の匂いがするにゃ」


 洞窟探検と行くか。


「ライト」


 光をつけて気が付いた。この洞窟は人工的に作れている。木で崩れないように補強をしてあるからだ。そして、その奥に下におりる梯子がかかっている。俺たちは洞窟の下を目指した。


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